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第4話 狩猟

中々仕事もあって更新遅くなってます。

すいませんm(_ _)m

出来るだけ早く更新出来るように頑張ります。

森へ入った時のように手入れされた片手剣を背中に背負い、傷薬や干し肉を入れた皮袋を腰に取り付ける。

他に必要な物は大人達で持って行くため、レント達は自分の物を持って行くだけで良いのだ。


「準備は出来たか?」


「うん、大丈夫」

「そんなに荷物も多くないしね」


「今日の狩りの目標はボアじゃ」

「ゴブリンとは違って大きいし突進も厄介じゃからのぅ」

「儂らもおるが気を付けるんじゃぞ」


「うん」

「とりあえず後ろから見ておくよ」

「早く行こ」


「そんなに急がんでもまだみんな集まっておらんわ」

「外で身体でも動かしておくといいじゃろて」


「分かった」

「先に森の入口に行っとくよ」


足早に森の入口へ駆けていく。

まだレントは幼い時を除いてゴブリン以外の魔物と遭遇した事は無い。

幼く何も出来なかった時とは違い、剣の訓練を行う事で魔物と戦える程に成長していた。

新たな魔物と戦える事に気は昂っている。

気持ちを落ち着かせるため剣の素振りし、身体を動かそうと思っていた。

森の入口に着くとすでに右へ左へと走っている者がいた。


ダダダダッ、ザッ

ダダダダッ、ザッ


「・・・・・・・・・シンか」

「おーい、おはよう」


「そんなに走ってたら狩りに一緒にいけなくなるぞ」


「はぁ、はぁ、はぁ」

「でも父さんに話したら身体でも動かしとけって言われるし」


シンも父親のドルグに言われて身体を動かしていたのだ。


「それにしてもやり過ぎだろ」

「そろそろ止めとかないと疲れて置いて行かれるぞ」


「まだ出発まで時間があるし休憩しとくよ」

「みんな集まってきたら起こしてくれ」


そう言って木陰で横になる。


半ば呆れたようにシンが寝るのを見てから剣の素振りを始めた。

しばらく続けているとゾロゾロと大人達が集まってきた。

その中には狩りのリーダーでシンの父親であるドルグの姿もあった。

気配を察知していたのかすでにシンは目覚めておりレントの近くで柔軟体操をしている。


「いつの間に起きたんだよ」


「何となく起きないといけない気配がしたからな」

「父さんも来てたし起きてきてて正解だ」


「その能力は実践で活かしてくれよな」


シンとレントが話しているとドルグが声をかけてくる。


「シン、レント」

「今日が初めての狩りだから気を付けるように」

「必ず誰かが近くにいる様に立ち回りなさい」

「お前たちが腕が立つ事は知っているが経験が足りないからな」

「十分に注意して油断はするなよ」


「分かってるよ、父さん」


「分かりました」


ドルグの気遣いに対してそれぞれ返事をする。

キロクも到着したようで森の入口へと集まっていく。


「今日はボアが目標じゃな」


「あぁ途中から五人ずつの二班に分かれる予定だ」

「俺とキロクじぃさんの班に分ける」

「俺の班が近接組でキロクじぃさんの方が弓の遠距離組だ」

「どういう立ち回りになるかはそれぞれから聞いてくれ」

「三十分後に集合だ」


レントはドルグの近接組へ、シンはキロクの遠距離組へ。その他の大人達もそれぞれへ分かれ話を聞き始める。


「俺たち近距離組は最初は足止め役だ」

「ボアは直線的な攻撃をしてくる事が多いから躱しながら木に突進を誘導する」

「木に突進したボアは一時的にと言っても五秒~十秒程度なんだが動きが止まる」

「まずは自分の身が一番大事だ」

「自分の身が危なかったら木に誘導出来なくてもいいからな」

「そして足止めしている間に遠距離組が攻撃を仕掛けてくる」

「俺たちは遠距離組の攻撃の邪魔にならないように木に突進させたらボアからは離れるんだ」

「これを繰り返してボアを弱らせる」

「その後は俺たちは側方と後方から攻撃を仕掛ける」

「最後はとどめを刺すんだ」


「「おぅ」」


みんな気合いを入れるように返事をする。

近距離組と同じ頃合に遠距離組の説明も終わったようで森の入口へ集まり出していた。


「そっちも説明が終わったみたいだな」


「みな大体理解してくれたわぃ」

「ワシは先に行っておるからな」


「いつも悪いな」

「よし、みんな行こうか」


キロクは索敵の為に1人先に森へ入っていった。

昔は冒険者をしており、それなりに名を馳せていた。

昔から索敵や罠解除を行い斥候の役割を行っていたのだ。


ドルグ達は森を進んでいく。

ドルグは斧使いでありゴブリン程度なら一撃で倒す事が出来る。

ゴブリンと出会う事もあったが単体であった為、先頭のドルグが一人で倒していた。

純粋な力だけで言えばドルグは村で一番であった。

力を持つドルグであるが決して力をひけらかすような人間ではない。

今の村になる前に魔物に襲われた時は村人達を逃がす為に冒険者と共に戦っていた。

ドルグの行動は全て人のためなのである。


「レントお前も戦えるくらい大きくなったな」


「剣の訓練は頑張ってきたんだ」

「父さんに教えて貰った事だから」


「そうだな」

「お前の父さんの剣術は凄かった」

「冒険者だった頃は俺もお前の父さんと渡り合える位だったんだぞ」


「ドルグさんは冒険者だったんだ」

「あれ?父さんも冒険者だったの?」


「そうか、聞いてないのか」

「お前の父さんは昔は王国に仕えていたんだ」

「その頃に俺は関わりがあってな」

「冒険者登録もしていたからその時に一緒に仕事をしていた事があるんだ」


「へぇ、そうなんだぁ」

「俺も早く冒険者になりたいなぁ」


「レントも冒険者になりたいのか」

「この前シンも同じ事を言っていたからな」

「反対はせんが責任や危険も伴うからちゃんと覚悟が必要だぞ」

「って言っても冒険者登録が出来るのは十五歳からだ」

「レントもシンもまだ五年先の話だな」


「分かってる」

「それまで魔物にも負けないように強くなるよ」



「ドルグ、しばらく先に中型のボアが一体でおるわぃ」

「ただゴブリンが二体一緒におったんじゃ」


「じぃさん、いつも助かるよ」

「そうか、ゴブリン二体か」

「ちょっと厄介だな」


「そうじゃな」

「ボアだけならよかったんじゃがな」


「そうだな」

「ゴブリン位なら俺一人で何とかなるんだが」


「俺がゴブリンと戦うよ」


「流石に一人では難しいじゃろぅ」


「シンも一緒だったら大丈夫」

「この間も上手くいったからね」


「そうか、お前達は森に入った事があるんだったな」


そうドルグに言われてやや怯むレント。


「今はその経験がありがたいか」

「キロクじぃさんどうだろう?」


「任せても大丈夫じゃろぅ」

「レントもシンも腕はそれなりにあるからのぉ」

「ゴブリン程度なら大丈夫なはずじゃ」


「よし、ゴブリン二体はレントとシンに任せる」

「二人は先にゴブリン達に仕掛けてくれ」

「二人が仕掛けたら遠距離組がボアに攻撃して注意を二人から離すぞ」


「シン、ゴブリン二体は初めてだな」

「一人一体で倒そう」


「任せとけ」

「新しいスキルも使ってみる」

「早く倒してボアの方に加勢しないとだしな」


「先行しよう」


二人は集団から先に進みゴブリンを探す。


「いたぞ」

「ボアはちょっと後ろにいるな」

「予定通りゴブリンに仕掛けよう」

「シンは右を頼む」


「了解」

「この間と同じで合図で行こう」


ボアは右後方にいる為、レントは左側からゴブリンへ近づく。

シンへ合図を送る。

合図と同時にスキルトラーゲンを使用しておく。


シンはレントからの合図を見て弓を構える。


「速射・二」


ヒュヒュン

ザクッ、ザクッ


「ゴフォァ」


二本とも頭部を狙っていたが一本は頭部を、一本は首に突き刺さっていた。

ゴブリンは為す術もなく倒れる。

矢による攻撃を受けてもう一体のゴブリンは倒されたゴブリンの方を見ている。

周りを警戒しようとした時にゴブリンは石が投げられ怯んでしまう。


「閃刄」


「ゴフッ」


倒されたゴブリンに意識が向いている時に投石を使い、ゴブリンを怯ませてから剣技を放っていた。

こうしてゴブリンは二体とも為す術もなく倒されたのだった。

ゴブリンが倒れた事を確認し、レントの身体から光が霧散する。


「おいおい」

「ボアの注意を引く必要もないじゃないか」


ドルグは二人が思っていたよりも強い事に驚いていたが、嬉しそうに声をかけた。


「ボアもこっちに気付いたな」

「予定通り行くぞ」


近距離組が先にボアを挑発する。

森の中木に誘導するのはそこまで難しい事ではない。

ドルグからすれば容易なことである。

ドルグ以外の近距離組はボアの突進を躱すだけであった。

レントとシンの活躍を見たからかドルグはいつもより軽快であり、躱す際に斧による一撃を入れていた。

上手く木に誘導し、ボアの動きが止まる。

それと同時に遠距離組からの矢による援護射撃が繰り出された。


「みんな流石だな」

「手馴れてる」


「俺達も行こうぜ」


「シンは遠距離組と一緒に攻撃頼むな」

「俺はドルグさん達と躱しながら少しでも弱らせる」


二人はそれぞれ近距離組と遠距離組へ別れて行った。


「ドルグさん、俺も行きます」


「レント、無茶はするなよ」

「まずは攻撃は考えるな」

「躱す事に集中しろ」


ボアは数本の矢が刺さっていたが身体を震わせ弾き飛ばしていた。

方向を変えてレントがいる方を向いている。

鼻息を荒くし今にも突っ込んできそうな勢いだ。


「気をつけろ、思っているより早いぞ」

「突進は圧迫感を感じる」

「しっかり足を動かせよ」


ボアが駆け出してくる。

早いし言っていた通り大きな身体な為か多少圧迫感を感じる。


「いけるな」


そう思った直後ボアのスピードが上がる。

息がしにくくなり、足がすくんでしまう。

どんどんボアが近付いて来ており、ボアの姿が大きくなってくる。


ヤバい、避けられない。

ゴブリンとの戦闘が上手くいったことで油断してしまった。

このままボアに突進されると流石に致命傷は免れない。

近づいてくるボアを見ながらゆっくりと思考が頭の中を巡る。

足が動かない。

ダメか。

身体に衝撃を受ける。


ドンッ

ズサァァッ


バキャァ


「足を動かせと言っただろ」

「まぁ初めてだから仕方ないがな」

「大概初めはそうなるんだ」


レントが受けた衝撃は横からでドルグが助けてくれたものであった。


「実際に対峙すると思っているよりデカく感じるだろ」

「ただでさえデカいが突進を使われると更にスピードが上がるからな」


「ありがとうドルグさん」

「助かったよ」


「お前なら次は大丈夫なはずだ」

「今のは油断もあっただろうしな」

「相手を理解していれば躱す位なら問題無いはずだ」


ボアは矢による攻撃を受けていたがまた動き出していた。

その姿を見て呼吸を整えるレント。


次はやってやる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「大丈夫と言ったじゃろ」


「レントが急に動かなくなったからヤバいと思ったんだよ」


「そんな時の為にお前の父親がついておるんじゃよ」

「それより今の攻撃で分かったか?」


「なんとなくだけど」

「ボアは身体より脚を狙わないとダメなんじゃない?」

「機動力を削ぐ為に脚の付け根辺り?」


「よく分かっておるじゃないか」

「ボアの体幹は肉が分厚くて中々矢が刺さっても強力なスキルや武器でない限りダメージが通らん」

「じゃが脚を狙えば動けなくする事が出来るからのぉ」

「後はドルグ達に任せれば大丈夫じゃ」


「次は前脚を狙うよ」


「そうか、儂は後ろを狙うとするかのぉ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ボアがレントの方を振り向く。


「次はやられない」

「モンスタートラーゲン・ゴブリン」


スキルを使用し身体能力を向上させる。

更にボアの注意を自分だけに向けるように投石する。

ボアは苛立ったように鼻息を荒くさせレントに向けて走り出した。

レントは落ち着くために深呼吸をした。

目を見開きボアを見つめる。

ボアのスピードが上がる。

さっきのような圧迫感を感じる事はない。


いける。


ギリギリでボアを躱し、躱し際に剣で斬りつける。


「ボギャァァァ」


ドコォォ


ボアの悲鳴の後に木への激突音が周囲に響いた。


その直後


ヒュヒュン、ヒュン、ヒュン


ザッ、ザッ、ドシュッ、ドシュッ


「ブモォォォォ」


ボアの右側面から矢が襲いかかる。

二本は体幹に、二本は脚の付け根に突き刺さっていた。

ボアはバランスを崩し右側の前後の脚は関節を屈曲させ、人間で言うと膝をついた状態となっている。

懸命に立ち上がろうともがいているが足の付け根に矢が刺さっており身体が言う事を聞かない。

ドルグとレントは最大のチャンスを見逃さない。

それぞれの武器でボアへ斬りかかっていた。


「戦斧」


「閃刄」


「ブゴォォァ、ァ、ァ、ァ・・・」


ドスン


二人のスキル技を受けボアはそのまま倒れ込むように横たわった。


戦斧(せんぶ)・・・威力の高めた斧による縦の一撃



次回は今回の続きになりますがやや短くなるかもしれないです。

気になるなぁ、次また読みたいと思って頂けたら評価やブックマークお願いします┏○ペコッ

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