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第1話 目覚め

初めての作品です。

頑張って続けていきたいと思います。

振り向くと見慣れた村が炎に包まれていた。

助かった村人達は助けに来た冒険者達に誘導され村から離れるように歩いている。

レントは涙を流し祖父に手を引かれていた。

祖父は何も出来ず逃げることしか出来ないと悔しさと悲しさが表情に現れており、レントに目を向けている。


レントの両親は魔物に襲われそうになっていたレントを助ける為に魔物達と戦い命を落としてしまったのだ。

その後のレントの記憶は途切れ途切れであり、隠れて魔物をやり過ごしたりしていたが気が付くと冒険者に助けられていた。

この出来事をキッカケにレントは冒険者を目指す事になるのである。




生き残った村人は一部は街へ移住する事になったがほとんどが新たな村を作り暮らしていた。


「じぃちゃん、今日も気を付けてね」


「夕方には戻るじゃろうからいい子にしておるんじゃぞ」


「うん」


本来なら祖父であるキロクは狩りに行く年齢では無いが、人手が足りない為経験のあるキロクは駆り出されているのである。キロクの狩りの技術は高かった為周りの者達の指南役にもなっていた。


レントは両親が殺される五歳までは剣術を教わっていた。しかし所詮五歳までであり剣を振る程度であった。強くなる為に続ける事があの日からの日課になっていた。そして五年の歳月が経っていた。


「ふぅ、父さんみたいに強くなれたら冒険者にもなれるかな」

「剣の訓練頑張らなきゃ」


レントは努力家であった。地道に剣を降り続けている。力が付いてきていることは分かっており、そろそろ魔物と戦ってみたいと思っていた。しかし、祖父キロクは子供だからとまだ狩りには連れて行ってはくれない。キロクが狩りに出掛けている時に1人で森に向かおうと計画していた。


「明日一度試してみよう」


「一つしか覚えてないけどこの剣技も使ってみたいし」


閃刃(スラッシュ)・・・剣速を上げて相手を斬りつける



「おかえり」


「レント、良い子にしておったか?」


「うん、今日も剣の訓練がんばったよ」


「そうかそうか、お前も父さんのようになれるといいな」

「あやつはいい剣士じゃった」


暗い空気になってしまったことに気付き慌てて話を変える。


「そういえば今日の狩りは大漁じゃったわ」

「ボアやホーンラビットにと上手く狩ることが出来てな」

「そうじゃ、ゴブリンなんかも増えておったわい。森には近付かんと思うが気を付けるんじゃぞ」


「うん、また明日も剣の訓練しとくよ」


眠りにつく前に明日の事について考える。

明日は予定通り森に行こう。

ゴブリンならちょうどいい相手になるだろうし。

でも数が増えてるみたいだし気を付けないとな。

次第に睡魔に襲われ眠りにつくのであった。






「いってらっしゃい」


「昨日も言ったが森には近付かんようにな」


「うん、分かってるよ」


狩りに向かうキロク達の背中を見送り手を振る。

背中が見えなくなるとすぐに動き出す。


「よし、準備しないと」


念の為に手に入れていた傷薬や干し肉を入れた皮袋を持ち、いつもの練習用の木剣ではなく片手剣を背中に背負う。


「忘れ物はないな」

「まずは村の近くでで昨日言ってたゴブリンでも探そう」


他の村人に気付かれないように森へと向かう。

小さな村であるが魔物が出るため森へと続く道へは警備を担当する者がいる。

もちろん直接行ったら危険だと止められるだけなのだ。

森へと続く道以外は柵で囲われている。

レントは以前より準備しており柵の一部は外せるようにしていた。


「よし、大丈夫だな」


森へ入ってからは何があってもいいように周囲を警戒しながら進んでいた。森の中は木漏れ日もあり、穏やかな時間を感じさせていた。

しばらく歩いていると


「ゴフゴフッ」


思っていたよりもすぐにゴブリンと遭遇し、びくりとしながらもすぐに身を隠す。


「びっくりした」

「じぃちゃんが数が増えてるって言ってけど、結構村の近くにも出て来るんだな」


隠れながらゴブリンの様子を伺う。

単体のようで仲間の姿はなかった。


「一体か、ちょうどいいな」


ゴブリンは種類によって強さは変わってくるが通常のゴブリンは1m20cm程度であり10歳のレントよりは小さい。主に戦いは単純で近接攻撃は武器の棍棒で殴る程度で離れていると投石をしてくる。ゴブリンだからといって舐めたらいけないのがこの投石である。ゴブリン自体筋力も弱い為、威力はあまり無いが命中率が高い。投石されながら距離を詰められると厄介な相手なのだ。


事前に魔物の特徴を調べていたレントは慎重にゴブリンの後ろに回り込む。


「不意打ちは卑怯とか言わないでね」


飛び出して背中の片手剣に手をかける。

ゴブリンはレントに気付き振り返る。

距離は2-3mまで詰めており投石される距離ではない。


「!?」


気付かれたけどここまでは予測の範囲内だ。


体格では上回っているゴブリンが力押しでいけると考えたのか棍棒をレントに叩きつけようと大きく振りかぶっている。


こんなに大きな隙をレントは見逃さない。

唯一覚えている剣技スキルを放つ。


「閃刃」


ゴブリンの脇を抜けて一閃する。


「ゴフォァァ」


ゴブリンは悲鳴のような声を上げているがまだ倒れない。

レントの方が体格が小さく一撃で倒す程の力がなかったのだ。しかし、ゴブリンは致命傷を負っている。

レントはすぐさま振り返り剣の稽古の時のように連続で斬り掛かる。ゴブリンも抵抗するが数回斬ることて絶命した。


「はぁはぁ、ちょっと危なかった」


最後に斬り掛かる時にゴブリンに抵抗され棍棒攻撃が腕に掠っていた。少し出血しており、持ってきた皮袋から傷薬を取り出し塗っておく。


「ゴブリンを舐めてたな」

「魔物の中では力はないと言ってもやっぱり魔物だな」

「閃刃だけでいけると思ったけどそう上手くはいかないか」


一撃で倒すには体格の差もあるが経験や技量もまだまだ足りていなかった。


「やっぱり実践は違うな」


「ん?」

「これは何だろう」

「ゴブリンが持ってた石かな?」


ゴブリンを倒した場所には小さい石が落ちていた。

拾い上げて見てみるがやや発光しているようにも見える。


「何か分からないけど戦利品としてとっておこうかな」


ゴブリンに勝てた嬉しさと安堵感があった。

笑みを浮かべながら先程の石を握りしめ皮袋へ入れようとした時・・・




手の中で石が強く光始めたのだ。

光が収まると石は砕け散ってしまった。



「モンスタートラーゲン?」


頭の中に言葉が浮かんでくる。

レントは同じような経験をした事があった。

剣技閃刃を取得した時の事である。

いつも通り剣の稽古をしていた時のこと、ただの素振りだけでなくスピードに乗せて剣撃を放つ練習をしていたら頭の中に剣技閃刃か思い浮かんだのである。


「トラーゲンって何なんだろう」

「モンスターは魔物の事だよな」

「剣技じゃないから剣とは関係ないのかな」

「まぁ明日試そうか」

「今日は帰ろう」


来た道を戻ると外に出た所の柵から中に入る。

柵を元に戻して家に向かって歩き出そうとすると声を掛けられる。


「レント」


ビクッとして声の方を見るとそこに立っていたのはシンだった。シンはレントと同い年の少年で剣の稽古をしている時以外はいつも一緒に遊んでいた。


「お前まさか森に行ってたのか?」


「なんだ、シンか」


「なんだはないだろ。そろそろ剣の稽古も終わってるだろうってレントの様子見に来たらいないから探してたんだぞ」

「それにしても1人で森に行くなんて危ないだろ」


「近くしか行ってないし大丈夫だよ」

「ゴブリンと出会ったくらいさ」


「お前1人で戦ったのか?」

「大丈夫か!?」


「見つけたのは1体だけだったし大丈夫だったよ」

「剣技も確かめられたしね」


「左手怪我してるじゃないか」


「ちょっとかすっただけだ。傷薬も塗ったし大丈夫」


「お前は昔から1人で勝手に行動するからな」

「行くなら行くって俺にも教えてくれよ」

「次からは俺も行くからな」

「お前1人じゃ心配だ」


「そう言うと思ったから言わなかったんだ」


1人で行くより2人の方が心強い。しかし、その分村から一時的にでも居なくなるので森に出ている事がバレるリスクが高くなるのだ。


「まぁダメだと言ってもシンの事だから聞かないだろうしな」

「また明日も行くから一緒に行くか」


シンはレントを心配しているのもあるが自分も森に出てみたいと思っていた。

言い出したら聞かない性格という事は分かっていたのでレントは早々に諦めてシンと一緒に行く事を決断した。


「いつ行くんだ?」


「皆が狩りに出てから行く」

「森に入るのが早すぎたり、森の中で長く居すぎたら狩りに出たじぃちゃん達に会ってしまうから注意するんだぞ」


「分かってる」

「俺も見つかったら父さんに怒られるからな」

「明日は父さんが狩りに出たらまたここに来るよ」


「じゃあまた明日な」

「くれぐれも周りに気付かれないように」


「お前もな」


そうして2人はそれぞれの家に帰って行った。


「それしても昼間のトラーゲンって何なんだろう」

「明日試したら分かるか」


家に着いてからしばらくするとキロクも狩りから帰ってきた。


「おかえり」

「今日はどうだった?」


「今日はイマイチじゃったわい」

「まぁ狩りはムラがあるものじゃ」

「それよりその傷はどうしたんじゃ」


「シンに剣の訓練手伝ってもらったんだ。その時に油断しちゃった」


「ほぅ・・・そうか」


「シ、シンは悪くないから怒らないであげて」


キロクの反応からこの嘘によってシンが怒られるかもしれないとフォローするように言葉を続けた。

しかし、キロクの考えている事は違っていた。


あの傷は人との戦いで出来たものではないな。魔物・・・ゴブリンあたりか・・・。レントの実力ならそれくらいは大丈夫じゃろうしな・・・。


「分かっておる」

「次からは気を付けるんじゃぞ」

「弱い者でも気を抜けば大きな痛手を貰うこともある」


「うん」


レントはホッと胸を撫で下ろし安堵していた。これでシンが怒られることはないと。キロクに森に行ったことを気付かれているとは知る由もなかった。


そしていつもとは違う日常を終えて眠りにつくのであった。


これから連載続けれるように頑張ります。

よろしくお願いします(´・ω・`)

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