アレーシアside~恋の行方~
最初魔女に頼むと聞いてどんなしわくちゃなおばあちゃんが出てくるのかと思ったらかわいらしい同じくらいの年の少女だった。
その少女は、自分が魔女で、世界に、人々に何と言われてきたかを知っていながらほかの人のことを考えて動けるとても自分が損する性格、つまり善人だった。
帰ってきてすぐに薬を飲んだ。
その魔女、あら私としたことが名前を聞き忘れてしまったわ。まあ、魔女様の言うことはなんだか信じられる気がして。今日はちょうど王子様、グレンが会いに来る日だったからちょうどよかった。
トントン。
「アレーシア様。入ります。」
この子は私付きの侍女だ。とっても美人。仲がいい。
「いいわよ」
「今日はグレン様がいらっしゃいます。」
「ええ、知っているわ。」
それから着飾ってグレン様に会う支う度ができた。
そして応接室に向かった。扉の前で心から、心の底から祈った。
『どうか、どうかグレンが、私のことを好きなってくれますように』
「久しぶりだなアレーシア。元気にしていたか?」
「ええ。最近は寒くなってきていたのですが、家はあったかいので、グレン様はどうです?」
「ああ、俺も元気だが・・・。執務がいつも以上に多くてな」
「まあ、大変ですね。疲労に効くお茶を入れましょうか」
「ああ、助かる」
まったくいつもと同じ感じだ。特別変わるわけでもない。
それから5分経っても10分たっても全く態度が変わることはなかった。
ただいつもどうり同じ会話をしているだけなのに、どれだけ安心して救われたことか。
「その・・・。それで、急で悪いんだが、その俺たちもう」
その言葉に一気に不安が積もる。
「17と18なんだからけ、結婚しないか?」
「!!」
不安が一気に吹き飛んで涙が出るくらいうれしい。
「どうした?なんか、俺嫌なことでもいったか?なんで泣くんだ・・・」
「ごめんなさい、ついうれしくて」
「!俺もうれしい」
いきなり結婚の話が出てくるとは思わなかったけど、これ以上ないくらいうれしい。
「これ、受け取ってくれ」
そして送られたストックの花を受け取った。
「ありがとう」
送られたストックの花には、豊かな愛、永遠の愛という意味が込められているのだった。
◇
結婚が本格的に決まり、忙しかったのだが、一番に報告すると約束したので、忙しい時間の中、
やっと時間が取れたので魔女様のところに向かっている。
◇
トントン。
そして迎えられた魔女様の顔は少し不安げだった。その不安を少しでもなくせるように満面の笑みで
「結婚することになりました!!」
と伝えると、びっくりしたように
「早っ!!」
と驚いていた。
「わたしもびっくりしたのだけれど、惚れ薬を使った後、いつもと何にも変わらなかったわ。
それで、お互い17と18だから、そろそろ結婚しようと、自然な?流れだった気がするわ」
「まあ!それはよかったです!これからもお二人の幸せを願っていますわ」
心から祝福してくれて私はとても幸せな気分だった。
今まで未来の王太子妃という肩書を背負っていてとても重圧がかかっていたから、心から祝福してくれる人なんてすごくすごーく少なかった。
だから、親友ができたみたいでうれしい。
「名前を聞いてもいいかしら」
「あ、そういえば言っていませんでした!エルシーネです!」
「私のお友達になってくださる!」
「は・・・い!」
「一番の親友になってずっとそばで見守りますね。あ、でもここでも続けたいからそばでっていうのはなしですかもです!」
もはや言葉がめちゃくちゃになっているが、必死さは伝わった。
「ありがとう。じゃあ私のことはアレーシアって呼んでね。わたしもエルシーネと呼ばせてもらっても?」
「はい!アレーシア」
「ええ、エルシーネ」