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贄の末路

 「栄」の元にこの世のものではないものが顔をだしに来た。そいつは「ゲーテ」。何しに来たかは単純明快。贄をよこせと言いに来たのだった。「栄」は二つ返事で「何人必要だ?」と質問した。「ゲーテ」は「贄は全部で4人だ。贄の標的が決まったら教えろ。捕縛はこっちでやる。そして、贄の食事がいつもどおり見せる。」とだけ伝え姿を消した。「いつもどおり見せるというのは、贄の食事をカメラで撮り、それをUSBに保存し彼らに渡す。というものだ。この行為は、贄は本当に食べられたのかを検証するためにされていることだ。この行為により彼らとの取引は不正がなく且つ適正にされていると判断する材料の一つでもある。そして、「栄」はすぐさまこのことを政府の門外顧問の「國立」へ報告することにした。「國立」とは、国会内部の応接室で密会した。「國立」は、「目星はついているのか?」と聞いた。「栄」は、「はい。用意できる人は数十人ほどいますから」と答えた。「國立」は、「そこは任せた」と言い放ち、その場を去った。「栄」は「國立」が応接室から出るのを見届けてから、その場をあとにした。そして、「栄」はとある場所へ行き、贄の選定を始めた。贄を決めるまで時間はかからなかった。なぜなら、どんなやつでもいいからだ。それは、「栄」自身に罪の意識がないから。その理由は二つ。一つは、先ほど「ゲーテ」も言ったように、「捕縛はこちらでする。」そう、彼はあくまで「選定」のみ。その後何が起きるか知っていても彼が関与するわけではないからだ。もう一つは、こっちの世界で起きる事象ではないから。こっちの世界で起きれば、ことが大きいが、向こうの世界に連れ去られてから起きることなので、こっちの世界では、「失踪」しただけだと世間は捉えるからだ。本来なら「失踪」しただけでも、大事だが、彼らはそれに慣れてしまっているため、なんとも思っていないのだった。このような理由から罪の意識もなにも彼にはないのであった。そして4人の贄が決まり、それを今度は門外顧問の「國立」を含め5人に「OK」にもらうのはたやすいことでもあった。その日のうちに、4人の贄が決定し、「ゲーテ」に報告した。「ゲーテ」は4人の資料を見て、各場所に部下を配置し即日で連れ去った。こうして、「栄」の仕事はひとまず終了となる。だが、「栄」も罪悪感はなくともその業を一生背負って生きていく覚悟はある。この業は自分が一生を貫き通すものなんだと知っているから。なぜなら、この沸活動をしなければ、この世界は多世界から圧倒的な勢力で攻め込まれるからだ。攻め込まれれば、この世界は1日で首都は落ち、一ヶ月で関東全域。半年立たずに日本は死滅する。その後は、全世界に彼らが進行し1年半でこの世界は異世界のものになる。共存なんて出来るものではないのだ。こうならないために贄は必要であるのだ。そして、贄に選ばれたものは、数日以内に贄の祭壇と呼ばれる場所で仰向けになり依頼人の口の中へと誘われる。食べ方はバリエーション豊富だ。あるときは一口で丸呑み。ある時は、細切れにされ一口タイプに、またある時は炙られたりといろいろな方法で食事をとることがあるようだ。そして、この行為は決して世間に知られてはいけないことなのだが、この行為が世間に知られる事件が起きてしまう。それは今回の食事を録画した「USB」があらぬところへ流れてしまうからだ。

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