交流会のひととき
「だれ・・・?、もしかしてもう来たの・・・?」
余りの恐怖心からか藤宮さんの声は震えていた。
このドアの向こうにいる何かに、物凄く恐ろしく感じた。開けてしまっても良いだろうかと思い、とっさに構えたが。
「はいはい今開けますよー」
「えっ、ちょいまち!」
ガラガラガラ!
「きゃあああああ!」
「うぁあああああ!」「のじゃあああああ!」「うおおおおおお!」
ドアを開けた瞬間、坊主頭のゴツイのが現れ、藤宮さんと向こうか驚いたみたいで、その声で自分と座敷童子が驚いた。
「うるさい!」
ドンッ!
ドアの向こう側からもう一人、女の人の声と壁を叩く音がした。そのおかげで少し冷静になれた。
「あ、ごめんなさいっ!急に開けたからビックリしちゃって・・・」
「まぁ、そんなことだとは思ったけどさ」
溜息をつきながらドアをカチャンと閉めて、同じ部の美希がいつもの部活をする時の定位置に座る。
「まあ、取り敢えず座って。今回のことを整理しようよ」
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自分たちのクラスでそのナニかが人を食っていた事を一通り話した。彼らの方も赤い何かが人を襲ってたことを凄まじい表情で事のあらましを教えてくれた。
「まあ、そんなところだ。今度あの先公あったらとっちめてやる・・・」
「ほぉ、そんな事があったのか、そんじゃ、まあ此処でしばらく助けを待った方が望ましいのか?」
「取り敢えず一通りの説明終わりましたし・・・、自己紹介ってどうでしょうか?呼び方がどうも決めてないと・・・」
藤宮さんがそんな提案をしてきた。話を聞いてる時になんかうーんと唸ってたのはそういう事だったのか。
「ああ、じゃあ自分から。自分は赤城省吾、2-1、この科学部に入ってる。基本はそのくらいかな?」
「そのくらいですね。じゃあ私も、藤宮あや、同じく2-1です。部活は入ってないです。」
先にここに来た同じクラス同士で紹介をした。と言うか入ってなかったのか。
「俺は風間陽平、クラスは2-4、部活は野球部だ、まあこの頭見りゃ分かることだけどな」
「自分は金沢美希です。クラスは同じで2-4、部活は科学部」
次に後から来たコンビが自己紹介をした。なんだこのおっさんって思ったけど結構いい奴そうだ。
「さて自己紹介も終わったしこれからのk「おい!私のこと忘れてんだよ!わざとか!?」
ワザとだから、分かってるならやめてくれてもいいんだよという思いをロリっ子に視線で送ったが、完全に無視された。
「私は加藤翼!、歳は18!クラスなんて知らん!、ここで一日ダラダラしてる!」
「はーい、質問いいですか?」
藤宮さんが手を小さく挙げて、何となく言いたい事が分かってるがそりゃそうだよなという思いで聞いた。
「いいだろう!なんでもいいなさい!」
「なんで学校に着物なんですか?あとなぜ獣耳カチューシャを?それとクラスなぜ行かないんですか?」
「うっ、痛いとこついたのもあったが答えよう!、着物は今日の気分!、獣耳は祖父の発明!、あんな猿共と同じところで学ぶ気がしないからここにいる!」
「ついでに補足、こいつの祖父はSMAP的な細胞作った人なんだけど、こいつの言いなりみたいなもんだからこんな感覚繋がってる耳なんてもん付けた。外見が変わらないのは小が「あとでスマホの中身流出な」「ごめんなさい何でもないです」
凄く頭が良いのってある意味なんでも出来るよなー、と思いつつ何とか凶悪なフレンズから自分の個人情報を守った。
「ほへー、ありがとうございますー、なかなか仲いいですね」
「まあこいつの幼なじみみたいなもんだし」
「そんでこれからどうするんだ?スコップ持って戦いに行くか?」
外見がおっさんだけになかなか肉弾戦的な考えをお持ちなようだ。
「いやいや、普通に重火器とかにしなさいよ、それよりこれからどうするのよ。アイツらって何なの?最初は1人って言ってたのに複数に増えてたし」
すると急に頭の狐耳をぴょこんと立たし、急に
「取り敢えずアイツらじゃあ不便だからこれからはこう呼ぶぞ、『レッドマン』って!」「ちょいそれ駄目」「なんでだよ!」
確かに赤い人=レッドマンってなるのは分かったが流石に特撮に居たような名前は流石にだめだと思う。
「じゃあお前が付けろよ」
すっかり耳を垂らして拗ねてしまったのを見かねて、頭を掻きながらこう言った。
「んー、普通にゾンビでいいだろ・・・」
「センスないなー、しょうがないからそれで行くぞ。それでだな、あいつらの事をお前らがくっちゃべってる間に調べてプリントアウトしといたからな、早く見ろ」
性格と外見には裏腹に結構仕事が出来るのでなんか悔しいと毎回思う。取り敢えず先輩から手渡された資料を覗いた。