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休止  作者: ねくたれねくたりん
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文化祭企画の時間争奪戦

第3章 文化祭企画の時間争奪戦


 栄成(えいせい)高校は公立高校にて、江南駅西口より、徒歩(かち)より15分かかるところにあり。「進学校」てふ聞こえあんなれども、愛知県内の数ある進学校にしてはさしもいみじき学力レベルにもあらず、さすがに毎年この高校より東京大学に行く者は3・4人、京都大学に行くものは12・13人、地元名古屋大学に行くものは30人以上に及ぶ。

 皐月のつごもりは空も梅雨めきて、雨降る日多かりけり。2012年5月25日(金)は、つとめてよりしとしとと雨降りけるに、昼になりゆくにつれてうたて激しくなりぬ。厚き煤色の雲はなべて空をふたぎ、降りしきる雨はつぶてのごとく、ビチビチと窓ガラスを叩きては跳ぬ。雨は、ホースの先を狭むる時に飛び出づる水のごとくほとばしり、窓ガラスを洗ひに洗ふ。いまだ午後5時を過ぎざるに、窓の外はほの暗く、グラウンドに沿ひたる桜並木は黒く欝々(うつうつ)と茂りて、魑魅魍魎(ちみまうりやう)うごめく森のごとし。かうもり(●●●●)も出でやせまし。

 204教室には生徒30人ばかりありけり。その中には、下敷きもて物憂げに煽ぎゐるをのこあり、数学1A問題集とノートを広ぐるも手を動かさでただぼんやりノートを眺めたるをとめあり。手すさびにシヤーペン持て分解しけるをのこあり、机にうち伏して寝たるをとめあり。佐久間恭一は、彼の女の右斜め前にゐて、右手 をほほ杖に文庫本読みゐる。

 生徒会長の長谷川尚平(はせがはしやうへい)、背を黒板に向けて寄りかかる。唇をかたく結びて、両手を組みたり。深く呼吸して長くフウと息を吐き出しつるのちに、かくうち出づ。教卓の右には書記長の清原麻衣(きよはらまい)、書記の吉田泰三(よしだたいざう)、会計の趙子琪(てうしき)、各々片足に重心をかけつつあぢきなげに並び立てり。

「諸兄諸姉、幾たびも申し侍りつるやうに、諸兄諸姉がうちには必ず、時間を切り詰めん団体や出演を取り止めん団体あらではかなはず。ことに今年は、学園創立50年の記念とて、栄成祭の初めには校長によるスピーチ(おこな)はれ、受験生の保護者のために進学説明会も侍り。かくて講堂を用ゐるべき時間は例年よりも2時間ばかり少なくなりぬるものから……」

 長谷川はやをらに教卓の(おもて)より、電話帳一冊に等しき厚さしたる、企画応募のプリントの束を手握りて前に差し出しけり。

「をさをさ思はざりけるかな、31もの応募を給はりつるとは。このうち、演劇部と吹奏楽部と我ら生徒会企画とは例の行事に侍ればいかがはせん。この3つには希望の時間を割り振るにはばかるべきことなし。されど残り28も企画あらば、いかにかすべてを2日の日程に入れつべき。これら28がうちより、少なくとも3つの企画は取りやめにせざるべからざるなり」

 清原麻衣も、日程の決まらざるを憂へたらん面持ちして言ひけり。

「諸氏が企画の希望時間をすべて合はすれば、2日あるといへどもつゆも足らざるなり。体育館の他は講堂・空き教室10も侍れどなほ乏しきこと変はらず」

 天井の中央に大きなるエアコン懸かりたれば、教室はいと涼しけれど、送風部からはしきりにかびくさき風吹きて、その香部屋のいたるところにみちみちたり。野球部やサツカー部・剣道部のをのこもあまたゐるらし、汗の香も交じれり。誰かこの会議前に飯を食ひけん、カレーとにんにくと奈良漬とを合はせたらん香もこもれり。息苦しさに皆むせなんとすれど、5月つごもりの雨はいよよ激しさを増したれば窓を開くべきにもあらず。

 長谷川はなほも続けけり。

「これまでに昼休みに諸兄諸姉を集めたてまつりて諮り合ひしこと三度(みたび)に及びき。されどもその度に紛糾して進展なし。四度の今は、よし山が裂け海があせ、天に火降りて地が揺らめかんとも、決せざるべからざるなり!」

 長谷川はひとしほ声を高くして、目の前の生徒らに問ひけり。

「諸氏、諸氏がうちに公演時間を削らん人、あるいは出演を取りやめん人やおはす。幾たびも聞こえ侍れど、今年出演を辞退せん団体は、翌年の栄成祭にては必ず出演しつべきものなり。この長谷川、固く契り奉り侍らん」

 前を見れど、手を挙ぐる者なし。2人か3人、さし向かひてぼそぼそ声にて諮らふめるほかは、この教室に寒天を流し込みさながら冷やし固めたるごとく、少しの動きなし。30人あるうちの3分が1は机に伏して寝たりけり。起きゐる者も、ある者はいらだちの目して、ある者は死にたる魚のごとき目して長谷川が方を見るのみなりけり。教室には、降りしきる雨のざあざあてふ音のみぞ、しんしんと轟きける。

 長谷川は袂なる腕時計にあからめしけり。かねて想定しける時間を20分あまりも過ぎたり。長谷川は大事を思ひたちつるやうに、いよよ声を高く張りて言ひ放ちけり。

「ひと方もおはさずと見ゆ。かくあればせんかたなし、公正平等なるじやんけんもてことを決せん。我が『最初はグー、じやんけんぽん』と唱へて右手を差し出す時、我に勝ちたる人は即ち座り、負けたる人は即ちなほ立ち給ふべし。負けたる人は再び我とじやんけんして、勝ちたる人は座り、負けたる人は立ち給ふべし」

「えええ!?」

 教室は、鍋の湯が白き湯気を吹きてごぽごぽ沸き立ちぬるやうに、にはかにかしましくなりぬ。座席にゐる生徒ら、たちまち眼を大きくして、口々に「あなや、稀有のことかな」「いかにせまし、我が賭け事の運はなはだ弱し」などとののしる。机に付したる生徒もざわめきにおどろきて頭をもたげつ。皆長谷川の右手をまぼりゐる。

 長谷川は右手を高く掲げけり。

「じやんけんぽん!」

グーなり。22人立ちたり。長谷川は「じやんけんぽん」と唱へては右手を出すを繰り返す。立ちたる者は13人、8人、5人と徐々に減りゆく。しまひに3人の生徒が立ち残れり。

「ええ、ESS・軽音集団『タメルラン』・『ぼつちの主張実行委員会』の方、いかに謝し奉らん。今年こそ、栄成祭の企画はさし控へ給はめ。我、この生徒会長の身も、返す返すもかたじけなう思ひ給ひて……」

 にわかに3人がうち、背低きをとめ(●●●)の、髪を肩まで伸ばして赤縁の眼鏡つけたるがわななき声にてうち出しぬ。

「我ら去年の10月より、明くる年の栄成祭こそ英語劇を演ぜめとて部員皆して脚本など調へつ。すでにヒロインのための衣裳も買ひたり。さるをここに至りて打ち切りの憂き目を見んとは、ううう、うう……」

 をとめは頭を下に垂れ両手もて顔を覆ひつつ、めそめそと泣き出しぬ。

 教室の空気はしらけぬ。生徒会委員の長谷川・清原・吉田・趙も、座席にゐる生徒も皆、語り告ぐるべき言葉もあらで、ただ気まづく彼を眺むるのみなりけり。長谷川は黒板の右端に書きける「ESS英語劇」の文字にチヨークもて「×」印を付さんとせしを、その手を止めて下におろしつ。

 3人がうち、をのこの、長身にして目横に細長く、ギターケースのヘツドあたりに手を置きたるが、にはかに荒らぎたる声にて言ひけり。軽音「タメルラン」のメンバーならし。

「そもそも、ここらある企画の内、劇部と吹部のみ毎年無条件に公演する時間を約束さるるならひこそ()けられね。いかにかこれを平等とはいふべき。尋常(よのつね)ならぬことなり。いかに年頃のならひといへども、劇部と吹部とはあまた講堂にて公演しわたりつれば、今年ばかりは他の団体に譲らんも苦しかるべきことかは?などかは我々のみ時間短縮のしは寄せを受くべき」

 教室のあちこちから、「をい然り、をい然り」「むべなるかな」「特権許すまじ」てふ怒気のこもれる声上がる。

 3人がうち、をのこの、右手にアニメぶりのをとめをあまた描きつけたるフアイル携へ、上唇にうつすらひげ生え顔青白くもやしのやうなるが低き声にてうち出しつ。「ぼつちの主張実行委員会」の奴なるらん。

「さればされば、良き考へあり。劇部と吹部とは共に公演すべし、オペラのやうに。さらば栄成祭のスケジュールにもゆとりあらん」

 教室の人々、どつと笑ひ出しぬ。

 佐久間はあまりにあさましうて、持ちたる本をはたと床に落としぬ。晴天の霹靂とはまさにこのことなるべし。惑ひつつ椅子をがたと押しやりて立ち、言ひよどみつついらへけり。

「あらずあらず、う……、得べからざるなり、不可なり、無碍むげなり。ええ……や、その、まず劇部の部員は3年生を除かばすべて30人ばかりあり。吹部のことはさしもつまびらかに心得ねど、3年生を除かば30人ばかりおはすらん。40人と30人、合はせて70人に及ぶ人々、いかに講堂に入るべけんや。かかる数の人々、同じ舞台に乗ること能はざるなり。また、演劇には音響なるものあり。こは背景音楽すなはちBGMを選りてスピーカーより流す部門なり。しかるを苟くも吹部と共演せば、音響はまたく廃せられん。音響の人々、いかがなすべき、いたづらに舞台の片端に立ちてよとや? 舞台に立つべき者、いかに声大きく冴えわたるといへども、楽器の音はなほ明暢(めいちやう)なれば、()くその音に及ぶことあらざらん。演ずる人の声聞こえざれば劇は成らず。また、このほか……」

 佐久間はなほ言ひ飽かねども、いかにうち出すべきか知らで口ごもりぬ。共演の非なるを明らめことわらんとするに、心惑ひてことばのひとつも出で来らず。ことばを選り出さんとて手元なる手帳を凝視す。「脚本執筆は高木」「大道具備品調査 ヒヨコ2箇紛失」などとシヤーペンもて汚く走り書きしたる文字列を見るに、浮かび来る言葉はさらになし。「劇部・吹部も例の行事なれど、生徒会企画もまた例の行事なり。さらば生徒会行事をこそ取りやめにすべけれ! いかに劇部・吹部のみさいなまるるや?」と思へども、前には日ごろ懇ろにする麻衣・長谷川・吉田が居れば、すくよかにうち出づべからず。彼が頭の中はただドクドクと鼓動が響くのみにて、彼が背中には、クーラーに冷やされたるつめたき汗すずろに走りぬ。窓際にゐるをのこ、うちつけに言ひけり。

「人数多くて講堂にえ入らずは、体育館はいかならん。体育館は広く、70余りの人を収めんにもつきづきしからん。」

 その言を聞き終ふるより、佐久間はその窓際のをのこを流し目にギツと睨まへてけり。いかに共演すべき旨反故(ほご)にせばやとばかりひたぶるに思ひて、彼はひとしほ声を高くして言ひけり。

「ええ体育館? よしや体育館にてありなんとも、音響のこと、役者の声のことはいかがすべき? かやうの企画、聞きしためしなし。日本の中学・高校をいにしへより今の世まで訪ふとも、劇部の吹部と同じ舞台に立てるてふためしはつゆもあらじ。かへすがへすもをこがましきことなり。さらには、劇部と吹部とは年頃いと悪しき仲ありて、劇部の者はみな、吹部の陰にて、吹部をめざましきものに貶みつつもどくを常とせり。春秋時代の呉越・中世の英仏・近代の普墺(ふあう)のごとく相憎みたる両部、いかがは舟を同じくすべけんや?」

 言ひ果てつるより、佐久間は心の中にて「あなや、かかること言はざりせましかば」と悔いけり。ここには吹部の人もおはせり。その人の前にてまことを暴露せんことは、なめきに過ぎたる振舞ひにあらずや。劇部の吹部を憎み厭ふことは吹部の(たれ)もが知るらめど、先の発言はいたづらに反感と嫌悪とを煽るものなり。ここにまします吹部の人の心地を害しもぞする、と慎ましくおぼゆ。恭一もまたひとりの劇部員なりけれど、部長や大道具の輩のやうには、吹部を心づきなく思ふにはあらざりけり。

 5秒ほど間を置きて、をとめの、(はだへ)白く、栗色の髪を左右の鎖骨あたりまで伸ばしたる、やをら椅子より立ちてしづやかにいらへけり。

「承り侍り。されば、一度同じ部の人々にこの共演の旨伝へ、演劇部と共演せんかせざらんか、共演せんにはいかがなすべきかを諮らばや。諸氏、我らが指針を決めん時まで、しばしこそ待たせ給はめ」

 彼が声は、教室の誰にもしかと聞こゆるさやかなる声なれど、いらだちたるさまもあらで、穏やかなりけり。佐久間は上半身を教室の後ろにねぢりて恐る恐る彼が顔を窺ふに、気色ばみたる気配もなければ、心の内に安心しけり。

 長谷川はまた腕時計に目を向けつるに、はやく5時20分になりにければ、ひとまずこの会議を締めくくりけり。

「承り侍り。吹部の劇部と共演せんことはここに定まれりといふにはあらねど、両部おのがじし部の人々や顧問の先生とよく相談したまはんことを願ひ奉る。今ははやう5時20分になりにければ、今日はここにてやみなん。詳しきことはまた後の日にこそ(あげつら)はめ。諸兄諸姉よ、さらば」


 教室の人々は椅子より立ち上がりて、鞄を抱きていそいそと扉より廊下へまかりけり。「ああ、疲れたり」などと言ひて背伸びする者あれば、「苦しき会議なるかな、やうやう果てぬるぞうれしき」など言ひつつあくびする者ありけり。皆が顔には安堵の色と疲労の色と浮かべり。教室はたちまち人絶えて、生徒会の長谷川・清原・吉田・趙の4人のみぞ残りける。長谷川は3人に向ひて、これより為すべきことをば(おき)つめり。

 窓の外に目をやればいつしか豪雨もをさまりて、西の方にはたなびく綿雲の切れ間より、薄黄色(うすきいろ)に染まりたる空ぞ見ゆる。雨の上がるに乗じて、木の下に雨を忍びしアブラゼミも、夕空を喜び誉むるがごとくミンミンミンミンと鳴きはじめぬ。

 佐久間は鞄も手帳もさながら机の上に打ちやりて、急ぎ立ちてかの吹部のをとめを追ひけり。をとめの教室の後ろの扉を過ぎ越すを見つけつるより、佐久間は「しばし」と呼びかけてけり。をとめは足を止め、身体を佐久間の方へ向けけり。

「先は心無くも、かかるいとなめきこと申してて、謝すべき言葉こそわきまへ侍らね。かへすがへすもつつましう侍り。この佐久間恭一ら、心より謝したてまつる。さるを、『共演の旨を部の方々と諮らん』とのたまひしかど、いかにかの心なき輩が妄言をば唯々諾々と容れ給ひてありなんや?」

 をとめは黒く潤ひある瞳して恭一を見据ゑつつ、いらへけり。

「君が切なる謝意にはかたじけなう侍り。少しも腹立つ心侍らねば、安心し給へかし。劇部と我ら吹部とが悪しき仲にあることも、まさにまことなればいかがはせん。劇部の方々吹部をもどき給ふとのたまへど、吹部の者こそ、なかなかにめざましう劇部を(おとし)むれ」

 佐久間は、秋の湖の水面のごとく澄みたる彼が瞳に、心の惑ひをおぼえぬ。(なに)となく気恥づかしく思えければ、わざとをとめより目をそむけておのが両手の指あたりを眺めつつやり過ごしけり。

 をとめはなほも続けけり。

「我もまたつくづく悔しとは思へども、共演の旨出で来たりぬれば怒るとも嘆くともかひなし。彼らが言葉にもまた(ことわり)あり。まづは劇部にても吹部にても、人々に共演することの是非を問ひてあげつらふべし。生徒会長の言ひけんやうに、必ず共演するものなりと定まりたるにはあらず」

「……。まことにしかなり」

 をとめの言葉を聞きて、恭一は返すべき言葉なし。彼は頭を挙げてまたをとめが方を見れど、ふたりとも継ぐべき言葉を知らで5秒ほど沈黙続きける後に、をとめはにはか(●●●)に驚きたるやうにて、ひと際声を高くしてかく言ひけり。

「あ、我は関口智花(せきぐちともか)とぞ申し侍る。こちなうも先に名を明かすことを忘れ侍りつ」

「名のり給ふぞかたじけなき、せきぐちともかの君。我は佐久間恭一とぞ申し侍る。文系Bクラスにあり。もしもこの後不便のことあらば、非力ながらも助け奉らん」

 佐久間が言ひ終へつるより、をとめはにこりと笑まひつつ軽くうなづきけり。

「篤き心ばへ、かたじけなうこそ」

 をとめは左手首たる銀色の腕時計にちらりとあからめしけるが、やがて再び恭一が方へ(かうべ)を挙げて、

「今はや戻るべき時になりぬれば、ここにて(まか)でん。許し給へ、さらば」

と言ひぬ。

「さらば、また明くる日に」

 恭一より(いとま)を乞ひて、関口は足早にサークル棟の方へと歩みゆきけり。恭一はなほ彼と向ひて語りまほしくありければ、去りゆく彼が背中を、彼が廊下の突き当りを左に曲がりて見えずなりぬるまで、名残惜しげに見送りけり。

 つぶらなる黒き瞳、温かげにしてふくよかなる白き頬、右の頭より分かれて左右の肩に懸かれる長き栗色の髪、透るがごとく白き手のひら、必ずしも豊かにはあらねどなだらかなる丘陵のごとき両胸のふくらみは、恭一が目の奥に焼き印のごとくしかと焼き付けられたり。

(あはれ、(うるは)しき人なるかな……)

 どのクラスも、わざと制服の紺スカートを短く工夫して、大根のやうなる白き腿を見する女子のみ多かるに、まめに校則に従ひてスカートを膝まで伸ばしたる様はなかなかに、軽々しからず大人しく見ゆ。恭一は心あくがれ、彼が去にし廊下の奥を飽かず眺めつつ立ちゐたりけり。


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