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フォビアの治療法!  作者: 富士 候
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第五章「五人目のメンバー」

新たなメンバーの登場となります。

今回も話の途中で切れる形になりますがご了承ください

そう問われて俺は一人思い浮かんだ。

 多分奏も同じ人を思い浮かべているだろう。

 だけど俺はそいつを紹介したくないし、来てほしくない。

 嫌いなわけじゃないが、厄介なのだ。

 なので俺は考えているふりをするが、もちろん、部長の前でそんなポーカーフェイスは通用するはずもなく。

「誰かいるみたいだな?」

「い、いやそんなわけじゃぁ」

「い、る、ん、だ、な?」

「はい、います」

 こぇぇよ。

 部長の眼力は人殺せるんじゃないかと思える。

 女性恐怖症じゃないのにこんなに怖く感じるとは。

 って。

 奏がやばい。

 急いで隣を見ると奏は失神しかけて、「ひ、なた…どこ…」と生気の無い声で呟いている。

「大丈夫か、奏っ!」

 ぶんぶんと肩を揺すると何とか意識だけは取り戻したみたいで、手だけを上げて無事を示す。

 よかった、無事だったみたいだ。 

 正面に視界を戻すと申し訳なさそうな部長が謝る。

「正直すまんかった」

「俺をビビらせる分にはいいですが、奏がいる以上自重してもらえると」

「部長としてなってなかった、今度こそは気をつける」

「まあ無事だったからいいですよ、じゃあ俺たちは帰るんで」

 鞄を持って椅子を立とうとすると。

「待て、話は終わってないぞ、誰だ?」

 鋭い制止の声がかかる。

「ここは見逃してくれませんかね、奏に免じて」

「お前には非はないはずだ、言え」

 さすがににげきれませんか。

 まあ奏がダウンしている以上逃げるつもりもなかったわけだけど。

 俺は観念して席に座り直し、語り始める。

「部長、思いついた人物は確かにフォビアを持っていますが、性格に難あります、それでもいいんですか?」

「もちろんだ、どんな人物であってもフォビア部と名前がある以上、受け入れないというわけにもいかない」

 確かにここに俺がいると言えばあいつは入ってくるだろうな。

 これ以上悪あがきしてもしょうもないから今度こそしゃべる。

「兄恐怖症の櫻井陽迎、俺の______」

妹ですと続けようとした時、部室のドアが勢い良く開かれ俺の発言が遮られ、その音の正体を確かめるためドアのほうへ振り向く。

 そこには、茶色のショートヘアの小柄の女子が立っていた。

 だけど俺がそいつのことを忘れられないぐらい知っている。

 というか話題の中心人物、櫻井陽迎本人だった。

 そして俺がなにか言う前に口を開く。

「おにぃいいいいいいいいいいいいいいちゃぁああああああああああああんんんん」

 一直線に俺の元に飛び込み俺を抱きしめる。

 一瞬にて俺の鼻腔には柑橘系の匂いが蔓延し、胸には柔らかいものが当たる。

 だがそれも一瞬の内で、ダラダラと地面に落ちていき、ビクビクと痙攣する。

「大丈夫かっ!」

 部長は急いで席を立ち上がり、陽迎のほうへ向かい介抱するが、陽迎は気絶しており、

端麗な顔は白目で台無しになっている。

「はぁ………」

 俺はその姿をみて大きくため息をついてしまう。

 すると部長から叱咤を受ける。

「日向っ、これお前の妹だろ、なんだこれはっ! 救急車を呼んだほうがいいのか?」

「部長落ち着いてください、いつものことです、ゆっくり寝かしていれば復活します」

「そ、そうなのか?」

 俺の同意だけじゃ不安なのか奏のほうへ顔を向けるが、奏もウンと頷いて返答する。

「それならよかった。 とりあえず、寝かせるところないし、保健室にでもいったほうがいいか?」

「大丈夫ですよ、教室の角にでも放置しておいてください、勝手に起きますから」

 部長はその言葉を受けてすこし疑問を抱えつつも、言われたとおり角に座らせてから自分の席に戻る。

「さて、いきなりだったから混乱してしまったが、説明を開始してもらってもいいか」

「一目みたら大体わかりそうなものですけど」

「確認のためだ、頼むぞ」

「はい、わかりましたよ、もう一度仕切りなおして説明しますが、こいつは俺の妹の櫻井陽迎です、兄恐怖症を持ってます」

「突っ込みたいところが二つあるがいいか?」

「どうぞ」

「まず最初はお前たちは一年だったよな、それで妹がいるってことは双子なのか?」

「勘違いされるのが多いですが双子じゃないです、俺は4月生まれで、陽迎は3月生まれですね」

「どうりで双子の割には似てないわけだ」

 部長は俺の顔と陽迎の顔を見比べながら納得しながら呟く。

 陽迎は可愛らしく小動物っぽいに対し、俺はなんの特徴もない。

 あえて似てるところを見出すなら指先が綺麗なところぐらいだ。

「二卵性なら双子でも似てない場合ありますがね」

「それもそうだな、まあそんなことは今はどうでもいい、本題に入るぞ」

 部長は大きくため息をつき、尋ねる。

「兄恐怖症ながらもあの反応はなんだ?」

「それは___」

「それは私が説明いたしましょう!」

「っ!?」

 急に横からダウンしたはずの陽迎が身を乗り出しながら答えてきた。

 部長は初めてだからびっくりしていたみたいだが、俺はもちろん、女性恐怖症持ちの奏もびっくりすることはなくなっている。

 それほど陽迎は日常的に破天荒なのだ。

 見た目に反して予想外の行動力を持つ陽迎は話をハイテンションで続けていく。

「兄恐怖症と愛しの兄はいってますが、勘違いしてはいけない。 他の兄は別に怖くありませんし、なにも思いません。 なので私から言わせれば日向恐怖症という名が正しいとおもってますっ! あっ、ここも勘違いされてはいけないですが、太陽が当たってる場所という意味じゃありませんからね、私の兄のことですよっ!」

「あ、あぁ」

 部長は陽迎のテンションに付いていけてないようで、さすがの部長でも曖昧な返事しか返せてないようだった。

 俺も第三者だったらこいつとは絶対に関わりたくないと思う。

「さーてっ! なんで怖いのにさっき抱きついたりしたのかっと言いますとっ! 知りたいですかっ!」

「あぁ」

「でも教えませんっ! 麗しの兄にきいちゃってくださいっ! 私は兄とイチャイチャするんで」

 そう言うと陽迎は隣に座ってくるが、数秒も立たない内にまた気絶して机にうつ伏せになる。

 台風みたいなやつだ。

さて、いかがだったでしょうか!

個人的には好きなキャラに出来たかなと思っていますがどうでしょうかね?

これから多少ですがこのように増えていく予定なのでお楽しみください

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