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フォビアの治療法!  作者: 富士 候
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第二章「フォビア部に入った理由(わけ)」

ちょっと途中に誤解させるような表現入りますが、今後出てこないと思いますので、この回だけ我慢してくれると助かります。

場面はうって変わって俺たちはフォビア部と呼ばれている部室の椅子に座っている。

 あの後、少し話そうかと言われて、連れて来られた場所は一階の目につかないような場所に存在したフォビアの部室に連れてこまれて現在に至る。

「どうぞ、君も」

「どうも」

「………ありがとう」

 会長がティーカップに紅茶を注ぎ俺と奏の手元に置く。

 部室の中は静かで外からは体育会系の部員の掛け声などが聞こえて窓からは夕日が差し込む。

 目の前にある紅茶の湯気と白い壁に移った真っ赤な壁で綺麗な紅白のコントラストを作り出している。

 会長はそのまま淹れ終えると僕の目の前に座る。

 そんなゆったりとした時間が流れ、気づく。

「危うく流されるところでした。会長、なんですかそのフォビア部の資格とやらは」

 僕はこの空間に浸かっていた意識を無理やり戻して問いかけると、会長は飲みかけていた紅茶のカップを机の上に置き直す。

「君たちの教室で話した通りだ、フォビアこと恐怖症を持っていることがこの部の資格条件だ」

「なぜそれを?」

 この恐怖症は奏諸共、先生にしか話しておらず、特別な事情で隣でいることになったと先生には説明してもらっているし、隠しているつもりだった。

 隠した理由としては、この恐怖症でいじめられることを怖がったからだ、高校にもなりそんなことはしてこないと信じたいんだけど、おちょくられはするだろう。

 でもそんな感じで男子に話しかけられても困る。

 そしてそれを笑いものにされる未来しか見えないからだ。

 奏を通じてのやりとりも自然な感じで、対応してきたし、不自然なところあったとしても、同性恐怖症とは思わないだろう。

 それは奏にも言えることであり、ボロは出さないようにしていたんだが。

「それはだな、先ほど自分で恐怖症と話していたじゃないか」

「でもそれは今日のことであって、手紙を出した時点では知らざる事実じゃなかったですかっ!」

「それもそうだな、接点もなかったから分からないと思っているのは自然だ、だが、思い出しても見ろ、私の役職はなんだ?」

「それは生徒会ちょ………まさか、その権限でっ!」

「そうだ、だが安心しろ、別に君の個人情報を見たわけでもないし、なぜその恐怖症を発祥した経緯などはしらない、それに佐倉奏君のことはさっき知ったばかりだしな、元々は君だけを呼ぶつもりだった」

 気に食わない方法だが納得した。

 多分恐怖症を持っている人はいませんかと先生に聞いたのだろう。

 そして奏のことは俺のヘルプでと話していたし、奏のことを知らなかったのは同意できる。

 生徒会長だからって安心してしゃべってんじゃねぇよ担任………。

「まあ知った原因はわかりましたが、フォビア部については疑問があります、恐怖症が資格といったからにはこの部活には恐怖症を持った部員しかいないってことでしょう?」

「勘がいいな、そういうことだ、それが疑問か?」

「いいえ、これは確認です、俺が聞きたかったのは、この部活の目的です、答えにアテあありますし、疑問というほどじゃないと思いますが、とりあえず聞いておきます、なんでしょうか?」

「君が思っている通りといっていいだろうけど、一応説明をしておかないと相違がありそうだ、簡単に説明しよう」

 会長は一旦言葉を切って、紅茶を飲み、一拍置き、話し始める。

「この部活の目的は恐怖症の克服だ」

 思ったとおりの答えだ、恐怖症というマイナス要素を集めてすることといえば治すもしくはなくす、という一点に尽きるだろう。

 友達がいない物を集めて、友達を作ることを目的することのような例を思い浮かべればわかりやすいだろう。

 だがこれにはでかい欠点がある。

 恐怖症と一括りにしているが、実際、男性恐怖症の俺や、女性恐怖症の奏のように、種類が違う。

 風邪といわれてもインフルエンザと普通の風邪じゃあ治療法は全然違う。

 同じことでも恐怖症に言える、こんなふうに集まってどうやって治そうか悩んでいたところで答えが出るわけがない。

 俺はそう思い断ろうとしたが、次の会長の言葉で考えを改めることになった。

「もちろんそんな違う種類の恐怖症を集めたところで治らないのは身にしみてるし、そんなことはしない、基本恐怖症というのは自分で治すものだ、他人が干渉したところで治らないなら、どうするか、それがこの部活で行う真髄だ、この部活では部員を自分のち療法として部員を好きに使っても構わない、治すためならどんなことでも従う、それがフォビア部のモットーだ」

 つまり、治すためならなにさせてもいいってことか。

「イテッ」

「………いやらしいこと考えてるでしょ」

「ま、まさかー、そんなことさせてくれないでしょ………ね、会長」

 俺の脇腹をつまみ、奏は抗議してくる、やっぱり俺の考えはすぐにバレるようだ。

「なにを言っている? 治せるという確信がある理由なら接吻や卑猥な行為なんてたやすいことだ」

「ほら会長だってこう言ってるし、ありえ………ちょっ、ちょっとまって会長、もう一回いってくれませんか?」

「治せるならキスでもなんでもやるって言ったんだが」

「聞き間違いじゃなかったのかよっ!、いっその事残念だけど聞き間違いのほうが良かったわっ! なんですか会長はビッチなんですかっ!」

 急に崇高な会長というイメージ像が壊れた性でタメ口になってしまった。

 なんだよ、ビッチかよ………

「馬鹿か、治せると確信があったらといっただろうが、次そんな口きいたら殺すぞ」

「ひっ!」

 静かなものいいだったし、あまり表情の変わらなかったからわからなかったが先ほどの発言で会長は結構お怒りのようだ。

 会長の鋭い眼光でいま本当に殺されるとおもいましたよ、はい。

 奏も一緒にその場にいたせいで道連れくらって、相当怖がっており、僕の制服を左手で強く握りしめて震えている。

「おっとすまない、怖がらせたようだ、日向君は今後言葉には気をつけるようにしろ、いつか死ぬぞ」

 それ会長が遠回しただけの表現しただけの殺すっていう宣言じゃないですか、やだー。

 まあ、冗談はさておき、さすがにやり過ぎた感はあるから自重するように努めよう。

「すいません、ですが、それって理由を教えないとなんでもってことじゃないってことですよね、それじゃなんでもと言えない気がするんですが」

「そうだな、細かく言うなら、人が嫌がりそうなことは理由を話し、無理なことはやらせない、だけど出来る範囲で、別にいいよと思うなら全面的に協力するってところが無難な説明だ」

 つまり、相手が嫌がらないことや無理なことを除けば、なんでもやらしてくれるっていうことか、例えば、手を握ってくれと頼んだらやってくれるってことか、治療のためといえば理由は話さなくてもよいと、過激な物は理由を話さないとできないと。

 まあもちろんさっきは男だからなんでもという言葉に反応してしまったが別にそれができたとしてもさせるつもりはない。

 それはさておき。

「ということは俺たちが部員になれば逆の立場にもなるってことですよね、そこまでして俺たちが入るメリットは無いと思いますが」

 結構魅力的な条件だが、前提として治すためというのが無ければ使えないというのが難しい、人を使って治せるというのならとっくの昔に奏に頼んでやってもらっている。

 それなのに入れば他の部員にどんな風にこき使われるかわからんが、そんな状態になるはずだ、それなのに入るメリットはまったくといってない。

「それもそうだな、メリットはない、デメリットしかないとおもっているのかもしれないな、でもきっかけにはなるはずだ、君たち二人は怖がらない異性同士でいたから今まで助けあって来たのかもしれないが、世の中には助け合えない状況ができることもあるだろうし、君たち同性を克服すると言ってながら同性の友達はいないだろう?」

「うっ、それはそうですね………」

「っ!」

 痛いところ突かれたな、異性の友達もあまりいないのに、同性の友達なんているはずもない。

 さっき奏を使えば治せると言ったが、それは同性の問題は無理だ。

 性別が違うのだから。

「やっぱりか、だけどこの部活にはちゃんと異性、同性は存在しているし、克服するために利用しても構わない、それともあれか? 治したいとは思ってないないのか?」

「「治したいっ!」」

 今まであまり喋っていなかった奏とともにハモって答える。

「その気合の入り方なら、他にも治す方法を探しても全部失敗しているだろう、ならこの部活を使って試してみないか? どうせもう方法なんて思いついていないだろう?」

 それもそうだ、方法は全部試して、全部失敗している。

 部員にしたい一心で、会長に誘導されている気がするが、自然とこの博打に乗ってみたいと思った。

 なにも変わらないかもしれないという一抹の不安なんて考えなかった。

 どうせ失敗するのならこの部活を利用し利用しまくればいい。

 俺は隣の奏とアイコンタクトを取ると奏もやる気みたいで、やってもいいと言われる。

「……会長、この部活で治ると思いますか?」

 暫く、時間を空けて、力をこめて会長に尋ねる。

 この答えによって俺は、いや俺達はこれから過ごしていくであろう高校生活は思っていたものとは180度変わっていく、変化させられていく。

 だがそれでも俺は後悔はしないだろう、そんな気がする。

 俺のこんな思いを知ってか知らずか、会長も同じように真剣な顔をして、口を開く。

「それは君たちの想い次第だよ、想いがあればなんでもできるはずさ、それを手助けするのが私たち、そして、その私たちも助けてくれるのも君たちなんだから」

さて、一話では更新は未定としていましたが、毎週水曜日に更新予定ということで、ストックがある限りは水曜日に更新していこうと思いますので、水曜日にチラッと見ていただくとよろしいかと思いますっ!

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