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フォビアの治療法!  作者: 富士 候
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第九章「奏と陽迎」

そんな風に談笑していたら下から俺を呼ぶ声が聞こえる。

 多分晩御飯が出来たのだろう。

「よし、飯食うか」

「いぇえええ、ご飯だぁあああ」

 俺は奏に近づいて手錠を外して自由にさせてから一緒に下まで降りる。

 居間に近づくほどおいしそうな匂いが俺の腹を刺激させる。

 先ほどまで感じなかった空腹がたたき起こされ、自然とよだれが出てくる。

 ドアを開けると机の上に料理が三人分用意されており、食卓にはいつのまにか帰ってきていた陽迎が座っていた。

「やぁやぁお兄ちゃん、よくも私を置いてくれましたね」

「しょうがないしょうがない、で、母さんは?」

 俺は軽く流してから母さんの所在を尋ねる。

 陽迎もあまり気にしていないようで返答する。

「なんか仕事が入ったんだってー、だから三人分」

「なるほどね、じゃあ食べますか」

 俺と奏も陽迎の向かいの席に座って、いただきますをして食べ始める。

 なぜ家族でもない奏が食卓にいるのかというと、とある事情で奏は家では一人なためこうやって毎日、夜は一緒に食べている。

 唯一つ問題があって……。

 静かにご飯を食べていると陽迎が突然机をバンッ!と叩き立ち上がる。

「どうした陽迎、突然」

「お兄ちゃん、いつも思っていたんだけど何で私の隣じゃないの! 奏なんてほっておいていいでしょ!」

「それは___」

 特に理由はないが、とりあえず何か言おうとしたとき奏に邪魔される。

「なに? 嫉妬なの? ひむかちゃん」

「ちゃんを付けないでよ奏、お兄ちゃんが血迷って私じゃなくあなたに告白したからって調子乗らないでよねっ!」

「調子に乗ってないよ、ひむかちゃん、ひなたが私の隣に座っている時点であなたの居場所はないんじゃないの? もとより妹だし、ないよね」

「断った癖してなにを言っているの? 好きでもないのに好きな私よりおにいちゃんにふさわしいとでも言うつもり?」

「そんなわけないよー、ただ妹なのに相思相愛になれると思っている幻想的な頭に対して教えてあげてるだけだよ」

「なにおー!」

「なにかなひむかちゃん」

「ストップストップ、どうして君達は仲良くなれないのか」

 俺はもうすぐで乱闘騒ぎになりそうだから割り込んで二人を止める。

 止められて俺に気づいたように先ほどの気迫は消えており、恥ずかしそうにしている。

「無理無理、奏と仲良くなんて、お兄ちゃんこんな奴となぜ一緒なの?」

「かなでちゃんが突っかかってくるから仕方なくなんだよひなた」

「そんな問答して欲しくはないが、もしするなら俺がいないところでしてくれ」

「「はい……」」

 見たように、奏と陽迎は仲がなぜか悪い。

 奏の恐怖症に関しては長年いるからさすがに陽迎に対して反応はしなくなっている唯一の女友達になるはずだが、ことあるごとに陽迎と口論を起こしている。

 それも全部、俺関係であり煽りあいなのだ。

 陽迎が奏に突っかかるのはさすがに理解できるが、奏が同じように陽迎に突っかかるのは謎だ。

 ひとまず口論が一旦終わり、ご飯を食べ終える。

「「ごちそうさま」」

 各々皿などを片付けると奏は台所でそのまま食器洗いを始める。

 ご飯を食べさせてくれるお礼としてこれもいつもやってくれている。

「いつもありがとうね」

「ご飯一緒させてくれているお礼だし、当たり前だよ、さぁさぁ、くつろいでおいで」

「その好意に甘えさせていただくわ、ほら、陽迎も行くぞ」

「ふぇ」

 陽迎は片付けをしたあと俺に抱きつき、そのまま崩れ落ちて、俺の足をつかんでいる状態だ。

 無理やり引きずってソファーの元まで移動するものの、掴んでいるためか陽迎はソファに座ることなく地面でうな垂れている。

「早く離した方が身のためだぞ?」

「うぅうう」

 うめき声で返事するとようやく手を離して足が自由になる。

このごろ暑くてたまりませんね。

まあそれはさておき、そろそろ展開させてもいいかなぁと思っていたりしてます。

それとも異世界物も書きたい感あるからそちら描いてもいいかなとも思ったり。

そんな感じで新しい小説かこの続きのどちらかは来週分かると思うのでお楽しみに

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