表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貴女が信じてくれるなら  作者: ひなた
プロローグ
7/106

六話

 しかし、余程のバカなのだろうか。

 ここは大将が治める地だというのに、大将の娘である美咲のことを知らないなんてね。

 大将の可愛がりっぷりは物凄いから、美咲だって結構人々の前に立たされたりしているんだけどね。

「あたしのことを知らない訳? 信じらんない。知らないんだったら教えてあげるわ」

 美咲の怖いもの知らずレベルは、さすがの私だって呆れてしまうレベルかもしれないわね。

「梶原颯太の娘、梶原美咲よっ! さあ、覚悟しなさい」

 カッコ良くそう名乗ると、盗賊たちを睨み付けながら美咲は剣を抜く。

「姫ちゃんかい? はっはっは、思わぬところで美味しそうな獲物が来たな」

 まあ、相手が普通の姫だったらそう思うかもしれないわね。

 でも美咲は違うわ。そんじょそこらの姫とは違って、物凄いバカ力と武術を持っているんだから。余り舐めて掛かると、大勢の成人男性だって負けかねないわよ。

「五月蝿いわね。笑ってないで、余裕ぶったって無駄よ。弱い者苛めして自分の弱い力に自惚れているような奴に、あたしは絶対負けたりしないんだからっ!」

 走り出した美咲は、一瞬のうちに盗賊たちのことを切り殺してしまった。

「ちょっと美咲!! 何てことしているのよっ!」

 達成感たっぷりの顔をしている美咲に、私は駆け寄って行って怒鳴りつけた。

「いくらと盗賊とは言え、殺したりしていい訳ないでしょ?」

 どのような状態だとしても、殺すという行為は人にいい影響を与えたりしない。

「……っ。だって、だって……」

 私の怒られたことに余程驚いたのか、美咲は涙目で怯えてしまっていた。

「姫様は私達を助けてくれたのです。だから、怒らないでやって下さい」

 お爺さんが私にそう言って、それに続いてその場にいた村人たちは祈り始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ