十二話
それにはさすがに驚いたような表情を見せた。本当に素直という風にとってもいいのかしら。それにしては、あまりにも素直過ぎるんじゃないかしら。
「へえ、お姫様。でもどうしてこんなところに? それに、めっちゃ強かったし」
なんだ、常識的なところもあったのね。ここに姫がいるということに疑問を持ったわ。
でも悪事を見逃さない、正義感の強い美少女なの。武芸にも優れた、非の打ちどころがないのが短所とも言えるくらいの美少女。理由はそれよ。
冗談だわ。非の打ちどころがないとはお世辞にも言い難いもの。
「絵、返してよ。あたしはいらないけど、多分凄い絵なんだろうし」
いらないとか、そうゆうことをわざわざ口に出す必要はないじゃなかろうか。確かに私も必要ないけど。
そりゃまあ、凄いでしょうね……多分。だって城に飾ってあるくらいなのよ? 凄くなかったら城には飾らないと思うもん。むしろ城に飾ってあるだけで凄いもん。
「お金に困っているのですか? それならば、我が軍に仕えると言うのはどうでしょう」
だってお金に困ってでもいない限り、絵なんか盗まないわよね。芸術を、とかそんな風にも見えないしさ。
それに、根っからの悪人には見えないわ。とても素直ないい子のように見える。
強さも証明されている。お持ち帰りしなければ、天野雪絵の名が廃るわ。




