表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貴女が信じてくれるなら  作者: ひなた
プロローグ
36/106

九話

「何を仰られて……」

 ぽかんとする女性を尻目に、私達は走って行った。

 どこに向かっているのかも分からない。私はただ美咲の後を追った。

「あった。あんたね、絵を盗んだってのは。どうゆうつもりなのよ。あたしがとっちめてやるわ」

 そんな美咲の声が聞こえてきた。見つけたらしい。目茶苦茶に走っているだけではなく、ちゃんと探していたんだね。

 私もなんとか追い着き、美咲が睨む相手を見た。

 あまり大柄とは言えないわ。かと言って、小柄な訳でもないけれど。太ってもいないし、ガリガリだったりもしない。ごく普通の体型ね。

 手拭いのようなものを頭に乗せていた。何がしたいのかさっぱり分からない。

 反対を向いているので顔は見えない。それに、覗き込んでまで見たいとは思わない。

「五月蝿いな。誰だよ、お前ら。調子乗ってると容赦しない。たとえ相手がお前らのような可愛い子でもさ」

 元気いっぱいで高音な男の子の声。なんだか声だけを聴けば、幼い子供のようにも思えるくらいだわ。

「何よそれ。あたし、仲間をバカにする人は許さないわよ」

 何気ないその一言で、私は嫉妬という感情が芽生えた。

 どうしてなのよ美咲! なんで私のことだけを想ってくれないの? 仲間を、じゃなくて雪絵をって言って欲しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ