七話
「僕のことを疑っているのですね。当然です、当然です。だって先生は賢いお方ですから」
どうして私がこんなことを言われなくちゃならないの?
何が賢いお方よ。ふざけないで、ふざけないで。
どこまで私をバカにすれば気が済むのよ。あームカつく。どうしてこんなに腹が立たないのよっ!
「今はまだ構いません。しかし、すぐに手柄をたてるんです。そして、先生に信じて貰うんです。絶対に」
凛、お願いだからやめて。
素直な瞳、まっすぐ見られない。
なんでこの子は、ここまで私を狂わせるの。なんで私はこんなに乱しているの。
分からない。どうして?
「なぜですか? なぜ、そう言うのでしょう。……ありがとうございます」
私に信じて貰う為、凛は……? なぜどうして。
まあ、それは考えても仕方のないこと。一目惚れした、そう納得するしかないようね。
「やっぱりズルい! 二人だけ一緒だと、仲間外れにされてるみたぁい」
私たちが見つめあっていると、部屋の扉が大きく開かれた。
「美咲? どうしたんですか」
仲間外れだなんてとんでもないわ。私はいつでも美咲が好き。私はいつでも美咲だけを愛している。
だから、ヤキモチ妬いて貰えて嬉しい。愛でたい私と虐めたい私。どっちを選べばいいのかしら。




