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貴女が信じてくれるなら  作者: ひなた
プロローグ
30/106

三話

 相手が感情的になっているときには、自分は冷静にいないといけない。

 私までそうなってしまっては、話を聞いてあげることもできない。受け止めてあげることもできないんだもの。

 だから私は、いつも以上に冷静でいないといけないと思う。

「取り乱してしまい、申し訳ございませんでした。先生の前であのようなお姿を」

「私の質問が聞こえませんでしたか?」

 凛の謝罪に対しても、私は冷たく対応した。

 冷静に? いいえ、というよりも冷たく対応したと言った方が正しい筈ね。

「父親を嫌うのですか? そう問い掛けたのです」

 失ってもまだ、父親の大切さというものが分からないのかしら。

 どんなに嫌いだって、どんなに最低だと思ってたって。どんなに恨んでたって、どんなに消えろと望んでいたって……。

 実際に消えてしまっては、寂しくなってしまうものでしょう。

 私のような天才とは違う。可哀想な凡人たちだって、失えばその大切さに気付くものではないのかしら。

「好む理由がありません」

 もしかしたら、その父親のせいで凛は感情を? そこまで傷付いているのね。

 でもそうだとしても、親には感謝すべきだと思うわ。どんな親だって、子のことを想ってくれてるのは確かだと思うから。

「その父親がいなければ、貴方はここに存在していないのですよ? それでもなお、感謝しようという気持ちはないのですか」

 私のこの言葉にも、凛は静かに俯くだけだった。

 肯定しかねる。そう言ったところでしょう。

「怨むべきことではありませんか。あいつのせいで、僕は生み出されてしまったのです。こんなところに……」

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