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貴女が信じてくれるなら  作者: ひなた
プロローグ
29/106

二話

「先生に出会えていなかったら僕は死んでいたことでしょう。盗賊によって殺されるか。盗賊に囚われて自殺するか。そのまま一人で餓死するか。それに、両親が生きていたとしても死は避けられませんでした」

 どうゆうことだろう。

 両親がいて、盗賊に襲われることもなくて。だったら死の理由? 病気とかかしら。

 でも病気なんだったら、私に出会ったところでどうしようもないわ。

 私に治すことは出来ないもの。名医でも何でもないのだから。それに、医者くらい親なら用意する筈だわ。

「全てに恵まれている先生には分からないことですよ」

 褒められているのよね、これ。

 だって恵まれているって言われてるんだもの。でも、どうしてもバカにされている気がしてならないわ。

 この私がバカにされるなんて、そんなの有り得ないことなのに。

 どうゆうことか分からなかった。考えたくないけど、私はその程度なのかしら。その悔しさをお茶によって流し込む。

「あんなくそ親父、死ぬべきだったんだっ!」

 素直に私は驚いた。

 凛がこんな汚い言葉を、凛がこんな大きな声を。そして何より驚いたのは、凛の表情が大きく変化していたことだ。

 ずっと表情の変化は殆どなかった。

 でも今の凛は、怒りに満ちた表情をしていた。

「父親を嫌うのですか?」

 だから私は、いつも以上に冷静でいないといけないと思う。

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