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二十一話
でも私は確かについて来いと言ったわ。
今更追い返すなんて、そんなことできないわよね。だからと言って、美咲の側に置いておくのは問題よ。
優秀なのも確か。
育てる、それもいい手だとは思うわ。私の弟子なんだし、美咲よりも私とともにいるでしょう。
だから私が警戒を怠らなければ、美咲に被害は及ばないわ。一瞬の隙も見せないの。
そして、安心できたら美咲にも。これだったら大丈夫かしら。
しかし今になると、凛に着いてこさせた私が心配になるわ。どうしてしまったのかしら。
大人ぶってたけど、やっぱり浮かれていたの？
美咲みたいに素直に喜べなかっただけ。素直にはしゃがなかっただけなの？
「りんたんだよ。あたしの家来なの」
何を疑いもせず、自慢気に美咲はそう言った。
そう、美咲はこんな子なのよ。私がしっかりしないといけないのに……。
「家来、何を言っている。信用できるのか」
信用できるか。そんな質問されたって、答えは決まっているわ。
美咲は何でも信じるし、普段の私は何も信じない。
「当たり前でしょ。あたしの家来を疑ってる訳？」
疑わないと、騙されるだけだからね。
そうゆう時代だから……。人を疑うこと、時代のせいにするつもりはないけどさ。
