十九話
「ねえゆきたん、そでしょ。あたしが一番だよね」
丁度大将の部屋に着いたので、美咲の言葉を無視させて貰った。
基本的にはそんなことしないんだけど、今は仕方が無い。それに、そうすると少し気にしているような可愛い美咲が出るのよ。
そこで励ましてあげれば、やっぱり私天使になる。
「美咲、大丈夫だったか?」
扉の前に立つと、大将が出てきてくれた。
そして、私たち三人を部屋に連れ込む。そのまま扉を閉め、鍵を占めるまで止まらずにやってくれた。
「ええ、問題なかったわ。だってあたしを誰だと思ってるのよ。当然じゃないの」
美咲が元気にしているので、私と凛はその場に座らせて貰った。
「よかった……。万が一に負けでもしたらどうしよう。そう思って心配だった」
いくらなんでも、負けはありえない。そりゃあそうだよね。
だって圧倒的にこっちの方が強いもん。
あんなバカの集まり、気持ち悪いわね。
もっと知力を使えはしないのかしら。それとも脳なんてないの?
そうよね。あんなことするレベルじゃ、底辺と言わざるをえない。最低よね。
「負けるわけない、バカにしないでよ。あたしは天才だもの。敗北はないわ」
美咲の自信はどこから来ているのかしら。敗北はない。それは確かだけどね。




