十八話
「ちょっとゆきたん、何ニヤニヤしてるのよ。りんたんも、あたしのゆきたん取らないでよ。ゆきたんはいつだってあたしのものなんだから」
嘘? 美咲にも分かるほどニヤニヤしていたらしい。
二人きりの時はそうだけど、凛がいる前でニヤニヤしていたのね? それはさすがの私でも恥ずかしいわ。
「ごめんなさい。しかし僕も先生のことは尊敬していますので、先生の為に努力はしたいと思います。それが、結果として姫から先生のことを奪うことになったらごめんなさい」
おお、姫である美咲に対してここまで言うとはね。
やっぱりこの子、素直なのかしらね。でも素直というには、ちょっと違うような気もするのよね。
何なのかしら。素直なんだけど、子供っぽくないのよね。
まあいいわ。何にしても、可愛い子が私の手元にもう一人増えたんだから。えへへ、私としては嬉しい限りだわ。
「うぅ、そんなことさせないもん。ゆきたんはいつでもあたしのだから、りんたんじゃ取れないもんね。どんなに頑張ったって、あたしには勝てないんだからねっ」
確かに私にとって、一番大切なのは美咲だわ。
でも、凛のこともかなり気に入ったわ。これからの行動によっては、どうなるか分からないわよ?
いやまあ、美咲よりも大切になることなんてないと思うけど。ないとは思うけど、凛も可愛い可愛い少女だからさ。