十二話
「姫様、どこに行っていたのですか? 勝手にいなくなったら心配するじゃありませんか」
帰って来たのに、いきなり怒鳴られた。
無能がダラダラしてるから、有能な私達が片付けてあげたってのに。
「もう終わったわよ」
嬉しそうにニヤニヤしながらも、冷たい言い方でそう言う美咲。大人ぶってる感じがして、滅茶苦茶可愛らしいわ。
「何キョトンとしている訳? もう片し終わったから戻るわ、そう言ってるの」
カッコ良さげにいうが、やっぱり美咲は可愛いわ。
「その少女は?」
私と美咲の一歩後ろにいた、多分凛のことを指しているのでしょう。
「冬木凛」
凛は短く名前だけを答えた。私達と話す時は、もっと敬語ってた気がするんだけど……。
「何者ですか? どこの少女を連れて来ているんです」
なんだか私が誘拐したみたいな言い方ね。女の子の絵や美咲は好きだけど、別に私は女の子が好きなわけではないわ。
「弟子。この村」
あれ? 凛ってこんなに無口キャラだっけ。
質問に対し、単語だけで答えているから皆を困らせてるし。やっぱり天才だわ、この子。
「弟子? 弟子って誰のですか」
誰のも何も、そんなの完璧な私に決まっているじゃないの。聞かないと分からないことだった? 全く、これだから凡人は困るんだわ。
「先生」