九話
「はい。沢山活躍して、必ずや支えて行きましょう」
許しを請いはしないけどね。だって別に、美咲に許して貰わなくたっていいもんねーっ。
「君たちが姫様と軍師さんですか?」
私達がじゃれ合っていると、後ろから声を掛けられた。
誰かしら。不思議に思って振り向くと、そこに立っていたのは少女だった。見た感じで行くと、私達よりも年下なんじゃないかと思うわ。
全く感情を感じられない表情で、真っ直ぐ私達のことを見つめている。私や美咲みたいな美少女に比べれば可愛いとは言えないが、凡人にしては中々可愛い子だとは思う。
前髪は切り過ぎなくらい短くカットされていて、少し残念さを感じる。後ろ髪も伸ばしたくないのか、肩にすら届かないほど短い。横髪の一部、ほんの一部だけ三つ編みにされている部分は可愛らしさを感じる。
でも何だかんだ言っても、一番残念なのが胸よね。ペッタンコって感じ。
「そうだけど、何か要? 何でも言って頂戴」
超ご機嫌な美咲は、笑みを溢しながらもそう問い掛けた。
「姫なのにとっても強いんですね。てかそもそも、姫と軍師なのに敵の元へ行っちゃうんですね。斬新な策略です。どこかに伏兵を隠しているのかとも思いましたが、まさか姫が戦うというのは予想外でした。それが軍師と言う物なのですね」