05【ホルモンについて】
身体に指令を与えるのは神経とホルモン。
今回やるのはホルモンの方についてなわけだが、そのホルモンとは何なのか?
その詳しい働きを調べる詳しい研究は、ベイリスとスターリングによる実験からだ。
詳しい説明は教科書にあるから省略するが…
彼らは胃から内容物が十二指腸に入った時に、すい臓に指令を出して、強い酸性を中和する為にすい液を分泌させるのが、神経の役割ではなく別の「何か」であるという結論に至り、その「何か」に「セクレチン」と名付けた(1902年 イギリス)
彼らはそのまま「ホルモン」という言葉を
「体内の特定の部分でつくられ、それが血液やその他の体液中に分泌されて体内のほかの場所に運ばれ、そこに存在する特定の組織の活動に一定の変化を与える化学物質」
として、1905年に提唱した。
で、その次に大きな進展があった研究はノーベル賞受賞の日本人研究者、高峰譲吉の研究。
彼はホルモンの中でも血糖量増加を主な働きとするアドレナリンを結晶化して抽出する事に成功する。(1901)
つまり、ホルモンを最初に単離する事に成功したんだ。彼は後に、アドレナリンの化学構造を決定したらしい。
わかりにくかったと思うから、下に纏めておくぞ。
☆ホルモン
体内の特定の部分でつくられ、それが血液やその他の体液中に分泌されて体内のほかの場所に運ばれ、そこに存在する特定の組織の活動に一定の変化を与える化学物質。
☆ベイリス、スターリング(イギリス)
セクレチンの発見(1902)
ホルモンの提唱(1905)
☆高峰譲吉(日本)
アドレナリンの単離に成功(1901)、その化学構造を決定する。
…で、「ホルモン」の役割を物凄く単純な言葉で説明すると、「活動状態にする役割」。
血液や他の体液を通して器官に運ばれるので当然伝達速度が神経系より遅い。
だがその代わりに少量でも効果は高いし、長さも持続するんだ。
☆ホルモンの特徴
これは教師が「マスとか欄適当だからアテにしないで」と言っているめっちゃわかりにくい某プリントの順に打っている。書く事多少かぶるけど見逃してくれな。
【ホルモンとは】
→内分泌腺によって運ばれる伝達物質。神経伝達よりも速度は劣るが少量でも効果は強く、長時間持続する。
→主に血糖量、体温、生殖などの調節を行っており、細かい作用によって分泌されるホルモンも変化する。
→視床下部が働きの中枢。
ここから脳下垂体前葉、中葉に指令を出す。
脳下垂体前葉、中葉は放出ホルモン、抑制ホルモンによって分泌が調節され、脳下垂体後葉は神経分泌細胞によって分泌が調節される。
後葉は神経分泌細胞に直結しているので視床下部の刺激系ホルモンを必要としない。
☆内分泌腺と外分泌腺
外分泌腺ってのは、汗腺、涙腺、唾液腺、(哺乳類の雌限定で)乳腺などの、導管を通して分泌物を体外や体内腔所に放出する分泌腺。
で、内分泌腺ってのは分泌細胞から分泌細胞がそれに接する血管内へ放出、血液によって運搬する。
殆どのホルモンがつくられるのは、こっちの内分泌腺と呼ばれる分泌腺だ。
要は体外に分泌物を運搬するのが外分泌腺、血液を通して身体の器官に分泌物を運搬するのが内分泌腺な。
☆標的器官
名前通りだが、ホルモンが作用する特定の器官の事だ。
で、その標的器官の細胞にはタンパク質で構成されたホルモンの受容体があり、これがホルモンと結合することによって細胞の活動に変化を生じる。
まぁ酵素の基質特異性みたいなもんだな?多分。
標的器官は…すい臓、副腎、十二指腸、胎盤etcと沢山あるので、資料集かなんかで、自分で調べてくれ。書くの面倒い。
☆ホルモンの研究法
残念ながらうちの設備で出来る実験じゃなさそうだな…
♦抽出実験
ある組織、器官を除去し、その生物体からあるホルモンが消失する事によってもたらせる異常、欠損状態を見る。
♦補充実験
除去した組織、器官を再び摘出した個体に移植するか、または抽出物を注射する。
♦移植実験
除去し異常、欠損状態を示している個体に別の動物の該当組織、器官を移植する事によってその異常が消失するか否か?
…授業で配布されたプリントが「そn異常」となっていた事に苦笑を隠しきれない今日この頃。ワードって変な誤植するよな…(遠い目)