03【血液型について】
じゃ「血液型」、授業開始な。
【血液型判定方法】
血液型の判定方法は二種類。
ABO式血液型とRh式血液型だ。
ABOはよく聞くだろ?
んじゃ、先にABOの説明からするぞ。
☆ABO式血液型
これは赤血球の表面にある【赤血球抗原】と、血清に存在する【血清抗体】の抗原抗体反応を利用しているんだ。
血清については前回の“血液の凝固”でやったぞ。
…で、この場合の抗原抗体反応は、「血液の凝集」。肉眼で見ても確認できるんだ。
この血清の抗体は、血液型が違うと外来のタンパク質(=抗原)とみなして違う血液型の赤血球を破壊する。
で、さっきも言った通り血液型を判定するには血液の凝集を見るわけだが、具体的には
Aで凝集→B型
Bで凝集→A型
両方で凝集→AB型
どれも凝集しない→O型
因みに性格とは全く関係ないと思われるんだが…やっぱ性格にでるよな。血液型って。
☆Rh式血液型
これもRh因子が反応するRh抗体の凝集で見ているんだ。で、この反応に使われる試薬はなんと、ウサギの血液。
1 まずRh因子を持つ生物、アカゲザルの血液をウサギに注射。
2 ウサギはRh因子を所持していないので、体内でRh抗体をつくりだす。
3 できた血液をウサギから採取し、試薬とする。
…で、できた試薬をヒトの血液にかけると凝集するか、しないかのどちらか。
凝集すればRh+で、凝集しなければRh−って事になる。…あ、血液が固まらないのはヘパリンの作用だぞ?そんままにしときゃ固まるからな。
☆血液型不適合
これは母体がRh-、他方がRh+の時に起こる可能性がある。
母体と胎児ってのは元々、互いの血液が混ざる事ないから、第一子(優勢のRh+の胎児)なら問題ないんだ。
ただ、ほら…えっと、出産ってのは凄い壮絶な事やってるから、普通に胎児を取り上げようとすると、どうしても母体も胎児も怪我するんだよ。
すると、互いの血液が混ざるだろ?
で、母親はそこでRh+に対する抗体をつくる。
さっきも言った通り、母体と胎児の間で血液の交換はしないが、養分を運ぶのは血漿。
で、抗体は血漿に含まれる。
つまり、第二子を母体が宿した時に、母親(Rh-)が第一子が生まれた時に生成した抗体が、二番目の胎児(Rh+)を攻撃してしまい、大抵流産する。
第一子を帝王切開で取り出せば血液が混ざらないから、それで防ぐ事ができるぞ。
と、ここまで話してきたのは血液の性質についてなわけだが、その話の中に
「抗体」「抗原」
ってよく出てきただろ?
血液には身体を守る為の「生体防御」の機能がついている。
これはその一種で、ABO式の、血清に含まれる抗体、Rh抗体などは「自然抗体」…おっと資料集に載ってないがプリントに載っている?…多分、抗ヒスタミン剤みたいに外部からいれなくても自分の身体で自然に行われている「抗原抗体反応」だと言いたいんだと思うぞ。
ちゃんと単語説明しろって?
じゃあ次話では抗体や抗原についての話、「免疫」についてやろう。
白血球の仕事ももっと詳しくやるぞ。
と言うわけで…
そういやどーでも良いんだけどさ、バレンタインに英語のリスニングでさ、
「聖バレンタインは皇帝の命令に背いて二人を結婚させた」
って内容を、当てられた子が何を思ったか
「聖バレンタインは皇帝の息子を殺した」
と答えたんだよな…「St」と付くようなひとが殺し屋やってて良いのか?…と思った。
最後無駄話だったが、これにて終了。
お疲れ様。