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02【血液の成分】

じゃ、今回は中二病が大好きな血液についてな。授業スタート。


☆血液

体重の13分の1を占めるこれには、様々な役割がある。別に俺らみたいに怪我したときに噴き出て絵面良くするのが仕事じゃないぞ。


有形成分40%(赤血球、白血球、血小板)


♢赤血球

哺乳類の場合は中央が凹型の円盤状をしている。

理由は単純、酸素を効率よく運ぶ為に脱核しているから。


勿論作られる場所は骨髄。

こいつは一日10万個生産され、呼吸色素Hbを使って酸素を運搬する。

で、100何日かすると肝臓や脾臓に連れていかれて破壊される。ま、ここは肝臓の話で詳しくやろうか……やれたら、ね。


♢白血球

呼吸色素を持たない彼らの仕事はカビの胞子や細菌、ウィルスを食べて…手裏剣みたいな武器を使う奴もいるが…タンパク質分解酵素で消化する事だ。

70%は多核白血球、エリートのリンパ球は20%程度存在する。少し細かく見ておくぞ。


♦リンパ球

白血球の仕事は免疫だが、リンパ球はその中でもエリートだ。

彼らには二種類の細胞が存在する。

T(Thmus(胸腺))細胞とB(Bone marrow(骨髄))細胞だ。


両方生産されるのは骨髄なんだが、T細胞は胸腺で敵…抗原を倒す為の専門訓練を受ける。

B細胞は胸腺でなくても脾臓やリンパ節にいるんだけどな。細かい作用はまたちゃんとやるよ。


♦好中球

多核で、白血球の中では一番多く生産される。

生きられるのは数日だけで、やってきた敵に一番最初に接触して倒す役割だ。


彼らが敵を減らす間に、ほかのエリート連中が敵の情報を集めて対策を練る…つまりは捨て駒だな。

彼らは敵を倒すときに対策もなしにひたすら食べるから、多数の死者を出す。それが神経を圧迫して痛みになるわけだ。


名前の由来は単純でな、この好中球はエチレンブルーとエオシンを使ってギムザ染色ってのをするとよく染まるんだが、その薬品が中性なんだ。中性を好む、だから好中球。単純だろ?


♦単球

こいつは…バイ●ハザードとかで、あーあー言ってるゾンビみたいのに混ざって斧とか持った無駄にでかくて強い奴がいるだろ?あれだあれ。バイオ●ザードはわからないだと?…要はちょっと強い奴だよ。


抗原の侵入部位に二番目に到着し、マクロファージに変形する。好中球とは違って何年も生きて食べ続ける。

彼らは食べた抗原の食べかすを身体に付けて、情報伝令をしているヘルパーT細胞に情報を伝える。

ヘルパー達にはそれぞれの専門ジャンルがあるから、一定のヘルパーとしか接続できないけどな。ここも後で詳しくやるぞ。


♦好酸球

見たらわかると思うが、「酸性が好きな白血球」で「好酸球」。

酸性のエオシンによく染まるんだ。彼らの専門はペルオキシターゼの働きによる寄生虫の相手で、食作用は比較的弱いな。


♦好塩基球

もう良いよな?塩基性の物質(メチレンブルー)によく染まるから好塩基球だ。


こいつはそれなりにレアな細胞だぞ。仕事は事後処理。


血液凝固の阻止、感染部位にヒスタミンとセロトニン…確か敵を攻撃する奴の一種だったと思うが、自信ない。



液体成分60%(血漿)


♢血漿

血漿の役割は有形成分の運搬が基本だな。

抗原抗体反応の場でもある。


怪我すると出てくるだろ?

淡黄色透明、水分90%で構成されており脂肪分が多いと白く濁る。


…げ、と思ったそこの君はまず手に持ってるポテチとかを袋にしまおうな。

で、こいつの主な成分は3つのタンパク質…アルブミン、グロブリン、フィブリノーゲンだ。他にも成分は勿論あるけどな。


ま、とにかくこれで成分の説明は終わり。後はその作用をやるぞ。


☆血液の凝固

血液凝固…と。あ、これは何かの図を見ながらじゃないと理解できないぞ?何か用意してくれ。


…で、改めて説明しようか。ここで重要になってくる成分は下記の文に書いてある。


「血液凝固が起こる時、血漿中において、組織液に含まれるトロンボプラスチンや血小板からの血小板因子、血漿中のカルシウムイオンなどの血液凝固因子の働きによりプロトロンビンがトロンビンに変化する。トロンビンはフィブリノーゲンを繊維状のフィブリンに変え、これが血球と絡み合って血餅をつくって血液を凝固させる」


資料集より引用。

わかりにくいところを解説すると、この現象の最初の目的は、血漿や血小板からの因子で


【プロトロンビンをトロンビンに変える】


って事なんだ。

プロトは初期的とか原始的とか、そう言う意味があるだろ?トロンビンの「初期的」状態で、プロトロンビンだ。


で、この時生産されたトロンビンの役割は


【フィブリノーゲンをフィブリンに変える】


こと。フィブリンは繊維状の物質で…血液を遠心分離した時に下の方に溜まるちょっとペタペタした奴、あれがそのフィブリンだ。

上澄みを血清として使うんで、要らないトコだけど。

よって、血清にフィブリノーゲン(血漿中のタンパク質)は含まれていないぞ。

んで、無事作成されたフィブリンが血液を絡め取って血液を固めると。これが血液凝固のしくみだな。


♦血液凝固の防止

で、問題は…採血した血液なんかにこの作用が働くこと。

生物の場合、カやヒルなんかは吸血時に血液が固まってしまうのは困るわけだよな。


それに対抗する手段がヘパリンとヒルジン。ヘパリン(肝臓で生成)はそこらの病院でも使用されている薬品で、トロンビンの生成を阻害する。

ヒルジンは、カやヒルが吸血時に、麻酔成分を含んだ唾液と同時に対象の傷口に注入する物質だ。

ヒルに噛まれるとダラッダラのスプラッタになるのはこのせいだよ。

所詮1、2cmのチビのやることだから死にゃしないけど。(日本なら)


ヒルジンはトロンビンそのものの生成を止める事ができないが、作用を阻害することができる。だから昔はよくヘパリンの代わりに使われていたんだ。


…っと、忘れてた。そろそろ血液の説明も終わるわけだが、血管系の病気について少し説明しておくぞ。


動脈硬化症

動脈内壁につく傷に血小板の集合。血漿中に浮かぶ脂肪成分コレステロールの小滴が凝固。破片に付着して固くなってプラークをつくる。


動脈瘤

心臓の拍動が動脈壁をたたくといつ破れるかわからない膨らみができる。


狭心症

動脈が塞がれて、酸素が供給できなくなるとその組織が痛む。



と、キリが良いしそろそろ着きそうなんでこれで血液の説明一旦終わるぞ。次は血液型の話からな。じゃ、授業終了だ。お疲れ様。


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