結成
あのマダラスとの戦いの後、数日が経っていた。未だにメンバーの1人は決まらず、どうしようかと考えている真っ最中である。
「つかさー!いい加減に妥協しようぜー。もう他の奴ら決まり始めてるし。そりゃオレだって有能な奴と組みたいよ。あっオレみたいな奴とな!まあそりゃ優秀な2人揃ってるんだし、完璧を狙いたい気持ちも分かるけど少しは妥協してもいいだろー?」
レストが自分を指差して自慢気に自分の考えを語ってくる。何か前可愛いと思ったのが嘘みたいだな…
「そんなに優秀な奴いないと思うんだけどな!オレの周りには!!なあランキング最下位層のレスト!!!」
「うっさい!ランキングなんて、本当の強者は当てはまらないのだよ。あっあるじゃん!そういえば実界にはいい言葉が…確か…能ある鷹は手を隠すだっけ?それだよそれ!」
「手じゃなくて爪だ。後、お前はそんな余裕持ってないし…とにかく上を目指すためには必要なんだよ。実力者が。いくら俺たちが強くなっても後1人次第では全然違うからな。分かったか?」
「え?途中から聞いていない。手の辺りから
聞いてない。」
「って最初じゃねえか!だからバカって言われるんだよ!」
「バカじゃないし!大体バカって言う方がバカなんだよ。」
「……いや、その年齢でその発言はねえわ」
「うっさい!1人で後1人探せバーカ」
レストは顔赤らめて走って逃げて言った。あいつ魔界人の中でもトップクラスにバカだろ…尚更、先が暗い。ちゃんと三人目を探さなくては。
声かけたり、学校内の掲示板を見たりと色々やってみたけど中々強い奴と合わないな…もうレストの言う通り妥協した方がいいのかな?…はぁ…少し溜息をつく。本格的マズイ状況ではないだろうか。
「何そこで溜息ついてんの?そこのお兄さん?」
うん?振り向くと大人っぽい女性が立っていた。黒髪のロングでとても綺麗な髪だ。思わず髪を耳に掛ける時のうなじにドキッとする。
「実は後1人が決まらないんですよ。手は尽くしているつもりなんですけど、中々決まらなくて。」
「へ〜!じゃあ私が入ってあげようか?」
「えっ!?いいんですか?でも聞きにくい事なんですけど…実力は?」
「ランキングなら35位かな。タイプは中距離。実力にはある程度自信あるけど?後、同い年なんだから、タメ口でいいよ。」
「了解!それにしてもそんな実力者が入ってくれるなら有難い!言い忘れてたけどオレは司。君は?」
「私は夏希。よろしくね!って言いたい所何だけどメンバーの後1人って男の人?それとも女?」
「なんだ。そんな事か。男だよ。レストって言ってまあ我儘な奴だけど基本的にいい奴だし。」
「なら入ろっかな。改めてこれからよろしくお願いします!」
夏希は笑顔で握手の手を出した。オレはその手を握ってよろしく!っと頭を下げた。
「じゃあ一応顔合わせ行こうか。早めに会っといた方がいいしな。」
「そうだね。じゃあ案内よろしく!」
オレはレストと広場で合流するように連絡して、夏希と一緒に広場に向かった。広場に着くと既にレストは待っていた。
「レスト待たせたな。こちらがオレらのメンバーに入ってくれる夏希だ。わがままばっかり言ってないで仲良くしろよ!」
夏希がレストを見てかなり驚いている。どうしたんだろう。夏希はオレに小声で女の子じゃん。っと呟いた。
「え?嘘だろ?こいつ確かに可愛いと思う時すこーし、ホンのすこーしあるけどオレ口調だし、胸も膨らんでるようには見えないし違うでしょ。」
「………ごめーん私の勘違いだった。男の子だった!」
夏希が男の子と訂正する。何だこの変な感じは…
「何話してんの?さっきから!オレを置いてきぼりにするなー」
レストが俺らの小声対して遂に抗議してくる。確かに少し忘れてた…
「改めまして夏希です。これからよろしくお願いします。」
「えーとオレはレストです。こちらこそよろしく!」
何だかんだ仲良くなりそうだ。夏希は少し含みのある笑顔?って感じだけどレストは鈍感そうで全く気づいていない満面の笑みって感じだ。何で含みのある笑顔なのかは分からないけど仲良くしていきたいとオレは誓うのだった。