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カムデビ 2話

「落ち……落ちるうぅ」

 普通に考えれば何だそれは? と思うだろう、だが鏡から鏡の中の人物の髪が出てきたので俺「あ?」と考えつつもすごい手品かもしれないと今の状況を何とか説明がつくように持っていきたかった。鏡を上にして鏡の中の少年(?)の髪が出てくるということはと思って鏡を逆さまにすると少年(?)がまるでトコロテンのようににゅるんと登場する。鏡の中から登場した時、彼は顔を強打した。

「お……」


 鏡の中から登場した少年(?)は痛みをこらえている様子だった。俺は少し悪いことしたかなーと思ったが、それ以上に何がどうしてこうなったのんだという心境の方が強い。

「お前の願いを叶えてやろう」

 涙目の少年(?)からファンタジーなことを言われた俺はとりあえず彼の心配をした。

「それより鼻血出てるぞ、大丈夫か?」

 俺は鏡を持ったまま固まっていたので彼の応急処置とかまでに頭が回らなかった。声をかけられた分マシではないかと自身に言い聞かせた。


「悪魔にお願いすると命を取られるんだろ? いらない」

 俺は漫画やライトノベルにでもありそうな設定だと直感して少年だろうと思う中世的な雰囲気の少年の申し出を断る。関わりあうのを遠慮したい俺はその場から去ろうとした。

「お前はまず悪魔が鏡から出てきたことにもっとうろたえろ」

 怒りの声のこもった悪魔(見た目は第二次性徴をしたかどうか微妙だけど声は可愛い)の少年にもプライドがあるんだろうな、もしかしたら彼のプライドを傷つけたかもしれない。でも俺はもう関わりたくないと思ったんだ、察してくれ。


「昔はどうか知らんが今は願いの大きさに比例して請求する命の量も違う。たいていの場合は寿命一年程度だ、安心しろ」

 口調は間違いなく少年な感じだから少年だろう、きっとの悪魔少年が魅力的な条件を俺に語りかけている、悪魔のささやきにまどわされないように俺は話を右から左に流したのだが、彼が耳を疑う発言をしたので反応してしまった。

「あと、クーリングオフも適用される」

「マジで!?」

 靴をこうとしていた俺が聞き返すのも無理はないと思わないか? だってクーリングオフだぜ、気に入らなければ破棄出来るってことだろ?



 俺が彼の話に興味を持ったからなのか、ごく自然に俺が学校に登校しようとしているのについてくる悪魔に文化系があるかどうか不明だが体の線が細い悪魔の少年。せっかくなので話だけでも聞いておこうと思う。

「それじゃ仮に寿命を百年伸ばしてって~のはどのくらい命が必要なの?」

 彼は聞かれたことが素直に嬉しかったようだ。『願いを叶えさせてもらえるのかもしれない』と考えたのかもしれないがそう言い出せる雰囲気ではない。

「おっ、そうきたか」

  透き通るような優しい声色で悪魔の少年(声が可愛らしいな、おい)に憶測でモノを言われたが、その通りな部分も多いので俺は黙って彼の説明を聞いていた。

「ふむ……どうせ百年伸びた寿命で百個の願いを叶えようというセコイ考えだな」

 その後に少年かどうか自信がなくなってきたな、悪魔の少年はシレッとした口調でとんでもないことを口にする。

「ちなみに見積は必要寿命百五十年だ」

『マイナス五十年じゃねーか』

 

 俺は本末転倒なので驚きで叫びに近い声を発さずにはいられない。悪魔の少年はどうやら願いを叶えられる自信がないようである。

「苦手なのだ、寿命をのばすのは……」

「お前の実力のせいかよ!」

 いちいち仕草にまで可愛らしい印象を感じることのある悪魔の少年は落ちこぼれっぽい気がした。


 悪魔の少年は聞いてもいないのに照れ隠しをしたいのか、悪魔の願いについて語り始める。

「あ……悪魔にだって得手不得手はある……本来は願いの種類に合わせた悪魔を呼び出すものだからな」

 悪魔の少年にも言い分はあるみたいだ、でも俺にそんなことを言われてもそんな反論されてもなという心境だ。

「だからそもそもお門違いの願いをするほうが悪い」

 悪魔の少年は俺を指さして俺に責任を押し付けようとしてきた。


「そんなん知るかよ、お前が勝手に来たんじゃないか!」

 痛いところを疲れたという感じの悪魔の少年。

「うっ」

 上目遣いで涙目な悪魔の少年(こいつは男のはず、ドキドキするな、俺)は涙をこらえている様子ではあるが、ほほれているのでこらえきれていないようである。辛い境遇を思い出してしまったのかもしれない。

「……だ……誰も呼んでくれないから…」



(駄目だこの悪魔………………)

 全く同情の余地がないわけではないが、やるべきこともまともにできない悪魔じゃなと俺はため息をもらさずにいられなかった。

 ちなみにまだ終わりではありません。


予想しづらい展開に出来ていたらな~と思います^^

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