最終回~終わらない夏~
エレインは12歳になった。
もう、一人でモナコと日本を往復してる。
夏休みになると、品川の息子夫妻のところに滞在してる。
息子の結婚式に、招待されたときに、息子のお嫁さんに、直接、頼んだらしい。子供たち同士で交流してる。
もう一人の息子は、決まった恋人はまだ。
F1レーサーになるために、スーパーAっていう特殊な免許が必要で、レーシングスクール通ったり、実際にサーキットを走ったりして、夢に向かっている。
私とジーザスは、毎年恒例のヨーロッパ縦断のツーリングに出かけるところ。
モナコから、スウェーデンまでハーレイ・ダビッドソンで、往復するの。
私のハーレイは、スポーツ・スター。他のハーレイより軽くて、女性の私でも、運転しやすいので、1999年に、発売されると、すぐに買ってしまった。
届いたマシンを見てジーザスが
「軽いって言っても、250kgもあるんだよ!これが、倒れたら、君、どうやって起こすの?」
っていうから、ジーザスのマシンも買っちゃった。ハーレイのツーリングタイプ。
私のスポーツ・スターは、ちょっとしか荷物が積めないけど、これなら、私の分まで荷物が積めるわ。
「一緒に走りましょう。私のマシンが倒れちゃったら、あなたが起こしてよ。それなら、安心でしょう?」
「勝手なんだから、もう…。」
うきうきして私は、スッテペンウルフのボーン・トゥ・ビー・ワイルドを歌う。
Get your motor running
(モーターを回して)
Head out on the highway
(ハイウェイを目指しましょう)
Looking for adventure
(スリルを探してるの)
In whatever comes our way
(行く手に何が来てもいい)
Yeah, darling
Gonna make it happen
(ねえ、ダーリン。一発当ててやりましょう。)
Take the world in a love embrace
(愛の抱擁で世界をすくい上げるの)
Fire all of your guns at once and
(あなたの…銃を全部いっぺんに)
Explode into space
(宇宙に向けて炸裂させて)
Heavy metal thunder
(バイクの爆音に包まれて)
Racing in the wind
(風と競うのよ)
And the feeling that I'm under
(私はその中で感じてるの)
Like a true nature child
(純真な子供のように)
We were born, born to be wild
(私たちはワイルドに生まれてきたの)
We have climbed so high
(ここまでとてつもなく高く登ってきたわ)
Never want to die
(決して死にたくなんかない。)
Born to be wild
(ワイルドに生きるの)
Born to be wild
(ワイルドに生きるの)
モナコから、ジーザスの故郷のスウェーデンへ。
スウェーデンに着いたら、長靴をはいて、あなたと白夜に山に登るの。
そして、一緒にトナカイの群れを見る。
ブルーベリーの茂み。影絵のような山。
湖で釣りをする、あなたの隣には私………。
今までの夏も今年の夏も。
来年の夏も、その次の夏も。
私の茶色の髪が白くなっても、ジーザスのブロンドが、プラチナ・ブロンドになっても…。
ずっと一緒の私たち♡
FIN
最終回まで、おつきあいくださいまして、ありがとうございました。ヒロインが産んだ双子の父親とのラブストーリーは、東京編で♡
息子とメイドの彼女のお話を後日、ちょこっと投稿します。