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リアル音姫 リアル電波 

(はりつけていたイメージイラストはそれぞれのページに移動しました ※2話と5話へ)

ふぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…

ジャバババババー!

勢い良く流してくれる水音に「ほ」と一安心する。

間に合ったのだ、と。


解放感っていうんでしょうか。

切羽つまった状況からの解放。


ようやく、トイレにいけて一息いれれたあたしは

ようやく、異常事態に冷や汗が出てきた。


まずね

なにがね、異常かっつぅとぉ…


トイレがまず異常だった。

いや、型式そのものは「え、これTOTO?」ぐらい我が家のモノと

そうかわんないので用の足し方も人にきく事なく済んだんだけど…


足元は磨き上げた大理石。

そして所々にセンスよく埋けられた豪奢な花々…。


サラサラサラサラサラ…

斜め45°に目をやれば小さな滝が流れてるで…おい…

マイナスイオンでてるぅ〜…


「はは…は…リアル音姫…」

渇いた笑いもそら漏れるっつぅの。



(このトイレ、

 あたしの部屋より…広くないか?…

 落ち着かないよ…トイレでこの広さは…ないわ〜)


と、いつもの癖でポケットの中の携帯を取り出し眺める。


「え!!!!?」


画面を見て驚いた。

電波バリッバリに通ってるんですけど!!!!!


え、ここ、実はリアル?

異世界なんじゃね?、とか思ってたけど

実は現実?!ちょっと無理して頑張っちゃった現実なのかしら?!


ちょちょちょ、

と慌てて着信履歴から一番上の番号にかけてみる。


《トゥルルルル…》


(やったぁ!、ちゃんと呼び出し音なってるぅ!)


聞こえてきた呼び出し音にガッツポーズしたら1コール終わる前に相手が出た。

もちろん、すぐ電話にでるって判ってるから、この人にかけたんだけど…


《どったの、のりちゃん。てかいつの間に学校いった?

 あれほど「いってきまぁす、おにいちゃん(はぁと)」って

 言うの忘れないでって俺、毎日言ってんのに…!!!

 いい?、挨拶はね、大事なんだよ?!》


「お兄ちゃん?!間違いなくお兄ちゃんだね!!

 あぁ、いつも鬱陶しいって思っててごめんね!

 今日ほど、お兄ちゃんの声聞けてうれしいって思ったことない!!」


《え、まじ!うれしいの?!

 やった!てか、え?、いつも鬱陶しいって思ってたのかよ?!》


「てかね、そんな話しどうだっていいの!あのね、あたし、いまー」


ーーーープッ


「え、お兄ちゃん?聞こえる?聞こえてる?もしもぉーし!」


突然通話が切れた。

うそ!!と携帯の画面をみたら、

え、うっそ、圏外になってるうぅううう!!



「え…さっきまで…フルで電波きてたのに…どうして…?!」



ードンドンドン!!!



「ひぇっ!あっ、わわわわっ…!」

トイレのドアが乱暴に叩かれてびっくりして思わず携帯を落としそうになる。

なんとか携帯をキャッチして


「は、はいっ…!!入ってまぁす…!!!」


『そんな事はわかっている…いつまで入っているつもりだ!』



やっばい、宝石の声だ…!


慌てて飛び出て、トイレの前でも麗しい宝石にマナーとして言ってみた。


「次、どうぞ!!」

「入りたくて急かした訳ではないわ!!!」


…なんだぁ…じゃ、ドンドンすることないじゃん…ねぇ?

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