振り向いたら歩く宝石がいた
ぽ…………………かぁ〜〜〜〜〜〜〜ん
えっと、振り向いたんです。
虹色に光りながら色をかえる花だとか
空を泳ぐ龍だとか
(まだ上空グルグルしてんですけど…どしたん…
あ、まさか補食しようとか?!狙われてる?あたし?!やっべ)
まぁ、既に「ミラクルもうお腹いっぱい」ってなってたんだけど
振り向いたらね、宝石がつったってた。
いや、なんていうのかな。
宝石みたいに綺麗な…お、お、男?だよね。うん男。
男の人がつったってる。
漆黒ですんっごい、つやっつやの髪が背中まで流れてて
目はすぅごく、綺麗な金色…。
金の中に…緑がちょっとだけ…はいってるような…
不思議な色…。
そんな綺麗な眼の色が印象的な
スッと整った鼻梁で涼しげだけどバッサバサの睫毛に縁取られた眼、
薄く整った唇…
オリエンタルな美形がそこにいた。
はぁ〜…やべぇきれぇ〜…
見た事もないような美ってやつにぽぅ〜っとしてたんだけど
ある可能性にハタ、と気づいた。
ん?いや待ちなさいよ。
この人も突然あらわれたよね…
もしやこの人もトイレ行こうとしてここに…?!
なんと!
だいじょうぶですか!まだ我慢できますか!?
あ、でも男の人か…!しょ、小の方ならその辺でできちゃいますね…!
光り輝くお花達も、宝石の粗相なら
「致し方ない」できっとゆるしてくれますよ…!!!うん!
と力強く頷いていたら宝石が
「顔はそこそこなのに、アホそうだな」
と暴言を吐いた。
歩く宝石から漏れる言葉は、まったくもって綺麗じゃなさそうだな…と
ちょっと落胆した。