現状把握したら大変な事思い出した
ぽ……かーーーーん
「口あいてる!あいてっから!!」とよく兄に注意されたけどね
この状況ばかりはね
さすがのお兄様も口ぱっかーん、なんじゃないかな…って思うよ。
いや、だって、見渡す限り…
虹色に光る花っていうの…これ…
光ファイバーでできた造花か?!っておもったけどね
花びらさわってみたら
まじもんだった。生花ですこれ。
え、虹色に光りながら色をかえる花なんて あたし、しらねーっす…!!
で、足元はそんなミラクルの結晶が群生してるわぁ…
こりゃ、やべー…!と天を仰いだら
白い龍が空を泳いでた。
龍…だよね…目を疑いたいけど、あたしってば視力2.0なんですよ…っ!
ミラクルが…ミラクルが、おこりすぎている…!!
いや、あたし、これ夢みてるんじゃないかな。
さすがにないっしょこれ。
五感は「いやこれ…マジかもしんない」ってくらい
冴え渡ってるけど…脳がそれを否定したい。
ほら、あたし、さっきまでなにやってた?
そうそう、あたし、トイレいきたかったんですよね。
えぇ。そうだった。
今日は月曜日で日曜日に夜更かししちゃったから寝坊して
慌てて飛び起きて学校行く準備をしてたんだよ。
そしたら、えっと、そうだ
先に起きて優雅に朝食を食べる大学生の兄に
「おいおい、寝坊かよ。くくく、夜遅くまで遊んでっからだよ…!
遊ぶなら俺を誘えよ、昔はお兄ちゃんお兄ちゃんいってきたじゃん…!」
と絡まれたんだった…朝から…。
…お兄ちゃんはシスコンです…。
遊んでくれよと嘆き、まとわりつく兄を押しのけて
髪の毛のセットをして
化粧はまだ高校生だからお母さんに反対されてるけど
眉毛とチークだけこっそりのせる。
準備万端!あとはトイレ行って学校へ走るのみ!!!
って勢い良くトイレの扉あけたら
ここに…いたんですけど…。
え、うそ。
やばい。
超ヤバい
何がヤバいって現状把握しようとして思い出したんだけど
あたし、トイレいきたかったんですけど!!!!!!
え、でも背に腹はかえられないから
ここで粗相…を…
〜光かがやくお花畑に鱗をきらめかせゆらゆら泳ぐ龍に紺碧の空〜
美しすぎる風景に
とてもじゃないが…粗相…できねぇええええ
いや、普通に外でなんて、無理無理無理!!!
トイレ!!
トイレどこよ!!!!
あたしがはいってきたトイレの扉はとっくに消えてて
帰る術もいまんとこない。
ど、どしたらいいの…!!!!と
叫びたくなったとき、背後から突然強い風が吹いた。
びっくりして振り向いたら
さらなるミラクルがそこにいたんだよね…。