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なん、おも。

きいろいてんしたち

掲載日:2026/06/26


 太陽が燦々(さんさん)と降り注ぐ今日、私たちは一斉に外に出た。


 澄んだ青空。柔らかい風。小鳥たちの鳴き声。


 黄色いドレスを身に(まと)った私たちは、

 明るい太陽の下、春のそよ風に誘われて、一斉にダンスを踊る。


「ねぇ、知ってる? お空に行っちゃった子のお話」

「聞いたことある。天使みたいな姿になるんでしょ?」

「そうみたい。怖くないのかな?」

「私は怖いな……、ずっとここに居たい」


 ヒソヒソと話す隣の子たち。


 そんなに怖いのかな。

 私は、この綺麗な空を羽ばたいてみたい。




「ねぇ、知ってる? あの子もお空に行っちゃったんだって」


 ヒソヒソと、またあの話が聞こえた。


「徐々に羽が生えて、天使みたいになっちゃったんでしょ?」

「うん。私隣で見てたもん。本当に急だったんだよ」

「次は私の番かな……?」

「大丈夫だよ! きっと!」


 肩を寄せ合いながら励まし合っている。


 そんなに怖いんだ。

 私は早く、この綺麗な空を羽ばたいてみたい。




「ねぇ、あなたは怖くないの?」


 すこし離れたところから、声をかけられた。


「うん。私は怖くない。むしろ早く空に行きたい」

「あなた、ちょっと変わってるね」

「そうかな? どうしてみんなは怖いの?」


 私の問いに、その子は驚いた顔をした。


「知らないところに行くんだよ!?

 自分で行き先は決められない!!

 お空に行ったら帰ってこれないんだよ!?」


 必死に教えてくれたけれど、私にはわからない。

 呆れた顔で、その子は言った。


「……あなた、心がないんじゃない?」




 数日後、あの子も空へと行ってしまった。

 早く行きたい私は全然行けないのに、みんなはずるい。


 ……あの子の言うように、私には心がないのかもしれない。


 それから数日経って、ようやく私の身体にも変化が現れた。

 少しずつ羽が生えていく感覚に、高揚感を覚えていた。


 ――やっと、憧れていた空に行ける!


 怖くなんてなかった。

 みんなはどうして怖がっていたのかわからなかった。


 強い春風が吹くと、私の身体がふわっと持ち上がる。


 待ち望んでいたその瞬間は、本当に夢のようで。

 これからどんな場所で、新たな生活が始まるのか楽しみで仕方がない。


 眼下には、ゆらゆらと踊る黄色いドレスのかわいい子たち。

 その中の誰かが口を開いた。


「ねぇ、知ってる? 私たちもいずれ天使になるんだって」


 そう、私たちは天使になる。

 次の希望を、どこかへと運ぶために――。




おやまは、基本的になんでも食べられます。

しかし、唯一食べられないものがあります。

 

パクチーです。


何度も何度も挑戦しましたが、どうしても食べられないのです。


自分で育てれば愛着が湧くのではないかと、

名前をつけて種から育てたこともあります。


ですが、家中に漂う香りに耐えられませんでした。

 

後日、好んで食べている友人宅へ『アンダーソン』は引っ越していきました。



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