きいろいてんしたち
太陽が燦々と降り注ぐ今日、私たちは一斉に外に出た。
澄んだ青空。柔らかい風。小鳥たちの鳴き声。
黄色いドレスを身に纏った私たちは、
明るい太陽の下、春のそよ風に誘われて、一斉にダンスを踊る。
「ねぇ、知ってる? お空に行っちゃった子のお話」
「聞いたことある。天使みたいな姿になるんでしょ?」
「そうみたい。怖くないのかな?」
「私は怖いな……、ずっとここに居たい」
ヒソヒソと話す隣の子たち。
そんなに怖いのかな。
私は、この綺麗な空を羽ばたいてみたい。
「ねぇ、知ってる? あの子もお空に行っちゃったんだって」
ヒソヒソと、またあの話が聞こえた。
「徐々に羽が生えて、天使みたいになっちゃったんでしょ?」
「うん。私隣で見てたもん。本当に急だったんだよ」
「次は私の番かな……?」
「大丈夫だよ! きっと!」
肩を寄せ合いながら励まし合っている。
そんなに怖いんだ。
私は早く、この綺麗な空を羽ばたいてみたい。
「ねぇ、あなたは怖くないの?」
すこし離れたところから、声をかけられた。
「うん。私は怖くない。むしろ早く空に行きたい」
「あなた、ちょっと変わってるね」
「そうかな? どうしてみんなは怖いの?」
私の問いに、その子は驚いた顔をした。
「知らないところに行くんだよ!?
自分で行き先は決められない!!
お空に行ったら帰ってこれないんだよ!?」
必死に教えてくれたけれど、私にはわからない。
呆れた顔で、その子は言った。
「……あなた、心がないんじゃない?」
数日後、あの子も空へと行ってしまった。
早く行きたい私は全然行けないのに、みんなはずるい。
……あの子の言うように、私には心がないのかもしれない。
それから数日経って、ようやく私の身体にも変化が現れた。
少しずつ羽が生えていく感覚に、高揚感を覚えていた。
――やっと、憧れていた空に行ける!
怖くなんてなかった。
みんなはどうして怖がっていたのかわからなかった。
強い春風が吹くと、私の身体がふわっと持ち上がる。
待ち望んでいたその瞬間は、本当に夢のようで。
これからどんな場所で、新たな生活が始まるのか楽しみで仕方がない。
眼下には、ゆらゆらと踊る黄色いドレスのかわいい子たち。
その中の誰かが口を開いた。
「ねぇ、知ってる? 私たちもいずれ天使になるんだって」
そう、私たちは天使になる。
次の希望を、どこかへと運ぶために――。
おやまは、基本的になんでも食べられます。
しかし、唯一食べられないものがあります。
パクチーです。
何度も何度も挑戦しましたが、どうしても食べられないのです。
自分で育てれば愛着が湧くのではないかと、
名前をつけて種から育てたこともあります。
ですが、家中に漂う香りに耐えられませんでした。
後日、好んで食べている友人宅へ『アンダーソン』は引っ越していきました。




