【第7章】宇宙モデルの試み――∞≒0が示唆する可能性
7.1 閉じた宇宙とフラットな宇宙
宇宙の幾何学については、大きく分けて「閉じている」「開いている」「平坦である」の三つがしばしば議論されます。もし宇宙が閉じた形状(3次元球面など)をしているならば、最も遠い場所が自己自身の近傍へと戻ってくることになります。このとき、人間が「無限遠」に到達したはずの点が、実は「ゼロ距離」の場所と一致してしまう状況が理論的に考えられるわけです。
7.2 多元宇宙とブレーン理論
ブレーン理論などの高次元宇宙論では、私たちが認識する3次元空間プラス1次元時間以外にも追加次元が存在する可能性があります。ある次元方向に無限に広がっているように見えても、別の高次元方向で閉じているならば、“外部”から見れば∞と0が“つながっている”状態が起こりうるでしょう。多元宇宙論的な発想を応用すると、「∞と0が連続する場所」が高次元的には特別でも何でもないという見方もできます。
7.3 時間ループ宇宙と永遠回帰
時間が線形ではなく、ループを形成しているという発想はニーチェの「永遠回帰」の思想などにも見られます。もし時間そのものが円環になっており、未来が過去と合流するならば、最終的な時間の果て(∞)と最初の時間の始まり(0)が同一化される可能性があるのです。こうしたモデルはSF的にも魅力的であり、多くの物語や思索を生み出してきました。




