年の差SS
『鬼』
駅を出て待ち合わせ場所に向かうと、人並みからにょっきりと頭をだしている茜がいた。私は嬉しくて駆け足になって近寄る。
「お待たせー、待った?」
「おー。大丈夫だぞ。時間通りだ」
茜はにこっと人懐っこい笑みを浮かべて手をあげて応えてくれた。彼女は私の恋人だ。三か月ほど前に出会い、その時に一目ぼれした私がお願いして恋人になってもらった。
地元ではしていない映画を見る為に片道一時間かけて出かけた先で出会った為、遠距離と言うと大げさだけどお互い学生でお金もないので会えるのはせいぜい月に一度だ。
もちろん連絡は毎日のようにとっているけど、これで三度目のデート。胸のときめきはいまだ新鮮で、わくわくすらしている。
「なんだ? 珍しく大荷物だな? 持とうか?」
「あ、実はお弁当をつくってきたんだ。嵩張るものは全部茜が持ってきてくれるから、そのお礼に」
「お! いいな。ピクニックみたいだ。鞄寄こせよ。飲み物とか重いだろ?」
「いやいや、茜こそおっき、く見えないけど、おっきなリュック背負ってくれてるじゃん」
「見た目だけで軽いから。貴理子は小さいんだから遠慮するなって」
そう言って軽く取り上げられてしまった。にかっと気持ちのいい笑顔で、私より年下なのに頼りになるその姿にドキドキしてしまう。
茜は鬼種なので、そこらの男性より背が高いし、鍛えてないと言うけど筋肉もすごい。真っ赤な肌は珍しくてぱっと見は恐いけど、額の角は案外小さくて体格とのギャップで可愛らしい鬼さんって感じの顔つきだ。そこも好き。
ときめきながらも一緒に近場の自然公園まで移動する。駅からちょっと離れるけどかなり大きくて、色んなイベントとかもしょっちゅうやっているらしい。私はここまで来ることはないから存在も認識していなかったけど、来てみると都会とは思えない広さだった。
大きな広場みたいなエリアで、ピクニックシートを引いて荷物を置いてその前で遊ぶことにする。茜が持ってきてくれたのはバドミントンと野球のキャッチボールのセットだった。野球のミットは結構重くて、いっぱい持ってきてもらって申し訳ない気持ちと、これを平気で持てるってやっぱり力持ち。頼りになるきゅん。という気持ち。
「よーし、さっそく始めようぜ」
「うん!」
バドミントンで遊んで、お弁当をのんびり食べてからキャッチボールをした。キャッチボールはしたことないけど、私も体を動かすのは苦手ではないので教えてもらって楽しく遊んだ。
「あれ? 茜っちじゃーん」
「あ、ほんとだ。やっほー」
そろそろ休憩しようかな、という辺りでそんな声が茜にかかった。小柄な私より頭半分くらい小さい女の子の二人組で、多分双子だろう。髪型も同じで可愛い。
「お、霧崎か。よう。お前らがスポーツしにくるなんて珍しいな」
「違うよー。フツーに映画みてーお昼たべてー」
「そんでついでに向こうでやってるフリマ見に行くとこー」
「そういやたまにやってるけど、今日してたのか。せっかくだし私らも見に行くか?」
「あ、う、うん。そうだね」
急にふられてなんとか頷く私に、手をつないでいる仲良し双子っぽい女の子はきょとんとしながら私を見た。ちょうど私が一人で荷物置き場でちょっと離れて水分補給していたタイミングだったのもあり、私を認識していなかったみたいだ。
「このお姉さんと一緒だったんだー?」
「ああ。貴理子、こいつらクラスメイトの霧崎な。双子。で、こっちは私の彼女な」
「えっ!? 茜っちに恋人が!?」
「しかもお姉さんじゃない!?」
茜が雑に紹介してくれた。それは嬉しい。出会ったばかりでこれっきりにしたくなくて私から告白して、やや強引に付き合ってもらった経緯なので、さらっと当たり前みたいに紹介してくれたのほんとに嬉しい。
「えー! すごーい! てかめっちゃ意外! 茜っちに先越されたー!」
「いいなー! ねぇねぇもうキスとかしたー?」
「う、うっせーな。お前らにそこまで言う必要ないだろ」
「あー、照れてるー!」
「かーわいー!」
「うっさい。デートしてんだからどっか行けよ。しっし!」
「ひどーい。でも確かに。私達もデートに戻ろっか」
「うん! お姉さんも邪魔してごめんね。茜っちはまた学校でねー!」
嬉しいんだけど……あの、すごい、双子ちゃんの女子小学生感すごい。わかってたけど。茜が小学生って告白してすぐに言われたけど。それでもいやでも関係ないくらい好きってなったんだけども。
実際見た目はそこらの大人より大きいし、年下とは思いつつ小学生とまで意識することってほぼない。子供っぽい可愛さもギャップとして普通にきゅんとするし、全然ありのままの茜が好きなんだけど、いざ目の前に同い年の小学生連れてこられると、この子たちと同い年と付き合ってるんだ……犯罪では? 私ってロリコン? ってなってしまった。めちゃくちゃ恥ずかしい。
「まったくあいつら、いっつもやかましいんだよな。ごめんな、貴理子……貴理子?」
「な、なに? あ、フリマがあるんだっけ。休憩がてら、行く?」
「ああ、そうなんだけど……顔赤いけどどうした? 疲れたのか?」
そう言って茜は私に近寄り、そっと顔を覗き込んでくる。うっ。好き。小学生だけど……でも、うん。好き。
「ううん。大丈夫。その、可愛い双子ちゃんで、すごく小学生らしかったから、ちょっと恥ずかしかっただけ」
茜は体格的にも普通に服装は大人のものを着ていて、シンプルな格好が多いのも小学生に見えない要因だ。双子ちゃんはものすごく、小学生女子感強めだった。いや、小学生として大人びたコーデなんだけど、髪留めの大きめの星とか、ところどころにあー、私も小学生の時そう言うの好きだったわみたいな雰囲気が会っていたたまれないと言うか。
「……私が小学生だから、付き合ってるのが恥ずかしくなったのか?」
「え、ちがっ、違うよ。ごめん、勘違いさせたね。その、恥ずかしいってのはそう言うことじゃなくて……」
いやでも小学生と付き合ってる自分が恥ずかしいってことだから、合ってる? いやでもそんなマイナスにとってほしくないと言うか。
「じゃなくて?」
「その……いや、あのー……ち、近くない?」
なんて言い訳すれば、と思ってると茜はどんどん私に近づいてきて、根元に荷物を置いていた木に追い込まれて壁ドンされてしまった。ちっか!
「嫌なのか? 私が小学生だってわかって付き合いたいって言ったくせに」
「ち、ちがくて。嫌とかじゃなくて、恥ずかし、じゃなくて、照れてるだけというか」
茜との出会いは今から三か月前。映画を見る為こっちまで出てきた私は三人組のナンパにどう反応すればいいのかたじたじで、それを助けてくれたのが茜だった。
ときめく以外の選択肢がなく、映画の半券が隣のゲームセンターで無料で使えるというのでお礼として誘って、その勢いで一緒に半日過ごした。それだけでもう十分全部に惚れてしまって、これっきりにしたくなくて告白した。
「あの、私、茜さんのこと、好きになってしまって。よかったら連絡先の交換してくれませんか?」
「えっ!? ま、マジか。いや、私、小学生で、こういうの初めてで、なんつーか……好きとか、よくわかんないんだけど……」
「えっ!? しょ、小学生なの??」
「あ、ああ。今度六年生になるんだけど……小学生ってわかったら、気持ち変わったか?」
私の告白に驚いて頭を掻きながら言われた小学生宣言には私の方こそ驚くしかできなかった。どう見ても私には大学生、性格が無邪気でもうちょっと下にしても高校生で最低でも同い年だろうと思っていた。それが小学生なんて一切想像していなかった。
だけど驚愕する私に目をぱちくりさせてから、どこか気まずそうに私を見てくる茜は私が告白した側なのにどこか不安な子供みたいな顔をしていて、きゅんとしてしまって、思わず茜の手をとってこう言っていた。
「そんなことないです。何歳でも、今日一緒に過ごして、楽しくて、いいなって、好きだなって思ったので……その、私こそ、高校生なんですけど……その、よかったらと言うか」
手を取ってまっすぐに見つめて言い始めたものの、途中から恥ずかしくてぐだぐだになってしまった。そんな私に、茜は顔を真っ赤にしてぐっと手を握り返してくれた。
「わかった。まだよく好きってわかってないけど、でも、嬉しいって思ったし、恋人になろう」
そう言ってくれた。私はいきなり恋人は無理だろうし連絡先だけ一旦好感してほしいと言うつもりだったのだけど、こうして私と茜は恋人になった。
こういう経緯なので、私が告白して茜はとりあえず恋人役に私をおいてくれているだけって自覚してる。だから好きになってほしくて、だからって重すぎないように私になりに頑張ってちょっとずつ距離をつめてるつもりだ。
だからこそ、いまのやり取りは恋人と紹介してもらえて嬉しい反面、小学生に無理やり恋人面してもらってるいたたまれなさとか、悪いことをしているような申し訳なさとか、そう言うのを全部ひっくるめて恥ずかしくなってしまった。
「あの……勘違いさせてほんとにごめんね? 茜のこと、好きで恋人でいたい、って気持ちに嘘はないよ。でもほら、茜はまだ好きとかよくわからないわけだし、年上の私が無理に恋人になってもらってる恥ずかしさ的な?」
「む……まあ、それは、私が悪かった」
「え? いやいや、茜に悪いとこないよ?」
私が勝手に好きになって、私が勝手に恥ずかしくなっただけなのに、変に誤解させるような言い方して年下に気を遣わせてしまって本当に申し訳ない。だからこんな場所で気恥ずかしいけど、ちゃんと誤解されないよう気持ちを伝えた。
すると何故か茜は唇を尖らせるようにしながらも眉尻をさげてそう謝罪してきた。茜はあんな流れでもちゃんと私を恋人として扱ってくれてるわけで、何にも悪いとこないよ?
「いや、はっきり言ってなかったから。その……貴理子」
混乱する私に、茜は真剣な顔で私の名前を呼びながらますます顔を寄せて、私のおでこに自分の角をくっつけた。ちょっと固い、爪をあてられたような感触。
前に鬼種について色々聞いた時、角は大事なところだから簡単には触らせないって言っていたのに。ぶつけられて、小さな角だからほぼおでこをくっつけているくらいの距離だ。ドキドキして、心臓がうるさい。頭が回らない。
「私も、好きだ。わかんなかったけど、一緒に体動かすのも喜んでくれてすごい楽しいし、一言だけでも電話したら嬉しそうな声をだすとことか可愛いなって思うし、私以外と恋人になる貴理子とか嫌だなって思う。これ、好きだと思う」
「え、あ、え? ほ、ほんとに?」
突然の告白。普通に遊んでるだけだし、最初に会ってから三か月とはいえ、会えるのは月に一回。連絡はできるだけ毎日したいけど、茜にうざがられない程度に控えめにしている。全然手ごたえなんてなかったのに。私のこと、好きになってくれてたの?
「ああ。貴理子のこと好きだし、ずっと一緒にいたい。だから恋人として、将来は結婚して、貴理子のこと幸せにするよ。我が角に誓う」
「けっ、結婚!?」
「あ、茜は角がないから……まあいっか」
茜は赤い肌なのに照れているのが分かるような真顔でそう言ってから、あっさりと私から角を離した。おでこをおさえてから、よくわかんないけど角に誓うっていう鬼種の約束の方法の為に角くっつけてたのかと気づく。
「とにかく、これでちゃんと両思いの恋人だってわかっただろ? 恥ずかしいとか、無理させてるとか、もう言うな」
「う……うん。あ、ありがとう……」
「え、ものすごく赤くなってるけど大丈夫か?」
「こ、これは嬉しくて……というか、茜は元が赤いからわかりにくいだけで、茜だって照れてるでしょ。わかるんだから」
「そりゃ……はずいけど。貴理子は言ってくれただろう」
茜は手をおろして私を拘束するような姿勢から戻って、頭をかいて視線を一瞬そらしてからはにかむように笑ってみせた。あー、可愛い。可愛すぎる。
さっきのプロポーズなんてめちゃくちゃ格好良くて様になってて、心臓とまっていたくらいなのに、照れてるのほんとに可愛すぎる。しゅき……。
茜は小学生だし、私もまだ高校生。さすがに結婚まで考えてないし、今の口約束を言質と思うようなことはしないけど、でも今本気でそう思ってくれてるだけで十分嬉しすぎる。
「うん……ありがとう。もう、変なこと言わない。ごめんね」
「謝るのはいいって」
「うん、じゃあありがとう。えへへ。……にしても、鬼って角に誓うって言うのがあるんだね」
「ん? それも知らないのか。鬼以外にも角があるとこはするんじゃないか? 多分。角に誓うのは本気の誓いだ。もし破った場合には、角を折ることになっている」
「え?」
嬉しすぎて泣きそうだったんだけど、一粒こぼれちゃった涙をぬぐって優しく諭してくれた。これで年下に見ろってほうが無理がある。好きすぎる。
ときめきでまた泣いちゃいそうなのをこらえる為、軽く話題を変えたつもりがなんかとんでもないこと言われた。角を折る? いや、指切りでも破ったらとんでもない罰があることになってるけど、とんでもなさすぎて実際には絶対しないってわかっている。でもなんか、今の口ぶり、普通に本当に折りそうな感じじゃなかった?
「……その角って、また生えてくる感じ?」
「は? そんなわけないだろ。蜥蜴の尻尾じゃあるまいし。それにそれじゃあ、誓いの重みがなくなるだろ。痛みもあるけど、それ以上に角が折れていることで誓いを守れない鬼だと周りから見てわかるのは屈辱だろ? 見えるから誓いに意味があるんだ」
お……重すぎない? いや、そう言う文化があるだけ聞いたらなんだかロマンチックで素敵。鬼種ってまっすぐな人が多いのね。みたいに反応できるけど、ちょっと待って。今小学生で結婚誓っちゃってますけど。
「あ、あのね、まず誤解してほしくないけど、結婚するまで言ってくれてほんとに嬉しい。泣いちゃうくらい嬉しかった。私も学生だしそこまで考えてなかったけど、もちろん一生一緒にいたいし結婚したいよ。大好き」
「お、おお。はは、照れるな」
うん、好き。いつだって真っすぐな茜が好きだ。でもね、さすがにそんな鬼の社会的死みたいな角を簡単にかけるのはやりすぎだと思う。
「うん、でもさすがにね、結婚を角に誓うのはちょっと早いかなって。茜はまだ小学生なんだし、そこまで好きって思ってくれるのは嬉しいし、私も結婚したいけど、角はちょっと、ほら、誓ったことで私のこと好きじゃなくなっても結婚しなきゃみたいな強制になっても嫌だし」
「……貴理子」
「はい、なんでしょう」
本当にね? 嬉しいよ? でも今ここでガチの誓いしちゃうのは重いって。というどれだけオブラートに包んでも茜の気持ちを無下にしちゃう言葉なのはわかっているので、むっと眉をしかめた茜に素直に頷く。
いやわかってるのよ私も。角の誓いとか言うのじゃなければ私も素直に嬉しい。結婚しようねとか言いたいんだよ。せっかくの甘い空気が壊れちゃうよね、空気読めてないよね。でも茜って雑そうにみえて真面目だし、こちらとしても小学生相手だからどうしても懸念が先に来てしまうと言うか。
「……私が子供だってのは、わかってるつもりだ。でも、ちょっとだけ待ってろ」
「え、あ、茜……?」
そりゃあ怒って当然だし気まずい。と焦る私に茜はさっきと同じようにまた私を木に拘束するように手をつき、ぐっと顔を寄せて、でも怒った声ではなくてそう言った。その顔は真剣で、でもそれだけじゃなくてどこか緊張したように固い。
「そんな心配しなくていいように、すぐに大人になるから」
「!?」
そしてそう言って困惑する私にさらに顔を寄せて、唇をあわせた。角の先が、こつんと私の眉に当たった。言葉もでない私に、ゆっくり顔を離した茜はにっとどこか得意げに、いたずらっ子みたいに笑った。
「すぐに、子供に見えないようにさせてやるから。それまで私から目を離すなよ」
「~!!!」
子供に見えてたら最初から恋人になるわけない。ただの子供になんて見えなくて、最初から茜は私にとってこれ以上ない素敵な女の子で、だから……私はもう、立っていられないくらい頭がくらくらしてしまった。
「お、おい、大丈夫か?」
力がはいらず腰も抜けてしまう私を慌てて支えてくれる茜に、私はこの先も一生、茜に惚れ続けてしまうんだろうなって確信するしかなかった。
〇
『ドライアド』
「? どうかした?」
「うん……」
今日もいい天気だ。いつも通りやってきた葉月ちゃんは私の根の上にクッションを引いて座り、私の肩部分にもたれるようにしてお喋りしていたところ、ふと会話をとめた。
首を傾げて顔を覗き込むと、葉月ちゃんは真顔になってじっと私を見ながら戸惑うようにゆっくりと口を開く。
「あのね……みどりちゃん、私……みどりちゃんのこと好きなの」
「葉月はいい子だねぇ。私も葉月のことは好きだよ」
「違うの。そうじゃなくて……恋人になりたい、恋愛感情としての好きなの」
「……えぇ?」
葉月はうちの村の子の一人だ。小学生にあがる年に村に越してきたお医者さん家の子で、以前ほど子供たちが訪ねてこなくなった私のところに毎日のように来てくれる子だった。
私はドライアドだ。一応人種の一つにいれてもらい、精霊由来の種族名をもらっているけれど、実際に私たちが精霊なのか生き物なのかはよくわかっていない。
生殖行為で増えず、長く生きた樹木に少しずつ意識が生まれていつの間にか自我が芽生え、体のようなものが木から派生して生まれた存在だ。地下深くで同胞とつながることで孤独ではないけれど、足がないので移動ができず、食事もなくても問題なく水と光で生きる。
おおよそ他の人種とは隔絶した生き物ではあると思うのだけど、まあ人種として扱われて不利益があるわけでもないので構わない。
だけどそれはそれとして、生殖行為が必要ないので恋愛感情とか言われても困る。
「あのね、葉月ちゃん。それはね、葉月ちゃんはまだ子供だから子供の頃から付き合いである私にそう勘違いをしてしまうことはよくあるんだけど」
「そういうんじゃないよ。私だって自分でよく考えたんだ。というか、私はもう十八歳だし来年高校も卒業するし、そこまで子供じゃないから」
「うーん……」
数百年生きてきて、私の近くに村ができてからは子供たちの子守役のような役目をしてきた。仕事をする必要もないけど、近くに幼い子供がいれば危ないことがないか気に掛ける程度の常識的感覚から始まり、昔は村中の幼い子が私の前に毎日転がされ、そのお礼にと色んな食材をもらっていた。
もちろんなくても生きていけるけれど、人とのふれあいそのものはそれなりに楽しいもので、私はこの村の一員として長く生きてきた。
小さな子供がそこそこ妙齢の女性に見える私に対して、大きくなったら結婚すると言ってくれるのは珍しいことではなかった。
葉月ちゃんはその子らの年代よりちょっと大きいのでびっくりしつつも冷静にいつも通り諭したはずが、これまた冷静に返されてしまった。
十八歳と言えば確かに、結婚して子供がいてもおかしくない……いや、最近はそんなことないんだっけ? うーん。でも大人のお姉さんに憧れるって年齢ではないかも。
「あのね、葉月ちゃん……じゃあ正直に言うけど、葉月ちゃんのことそう言う目で見たことはないし、これからもないよ」
仕方ないので言いにくいけれど、はっきりお断りすることにした。
現代になると歩けない程度の子供を放り出すような感覚はなくなり、祖父母の紹介でちょこちょこ遊びに来てくれるくらいになった。
昔に比べて賑わいは遠くなったけれど、それも時の流れというもの。悲しむことでもない。いつかこの村はもっと過疎化がすすんでなくなるかもしれない。そうなっても、私はいつまでもここにいて、いつか朽ちて果てる。そういうものだ。
自分で言うのもなんだけど、生き物と言うより自然に近い気がする。そんな私が誰かと恋人になる姿が想像できないし、感情もまったくわからない。
葉月ちゃんは今となっては珍しくよく私に会いに来てくれる子で、私としても可愛がっていると思う。昔みたいに幼児の遊び相手になることもなくなり、暇を持て余している私の元に来てはいろんな話をしてくれたり、色んなものを持ってきてくれたりした。
他の子より長く一緒の時間を過ごして、特別じゃないとは言わない。だからこそ、できないことを軽々しく約束してがっかりさせたり、無駄な時間をつかってほしくない。私と違って葉月ちゃんは長命種ですらないのだから。
「……うん。わかってる。そう言われるってわかってた。でもね、それでも好きだから、伝えておこうと思って」
「そっか……うん。わかってくれてるならいいんだ」
私の言葉に葉月ちゃんは少し悲し気に眉を寄せながらも泣き出すこともなく微笑んだままだった。だから私は少しホッとしながら相槌をうった。
葉月が来年卒業と言うのは忘れていたけど、彼女が将来お医者さんになるのだとは聞いていた。この村から通える範囲には大学がないからいずれ出て行くことも。
もうすぐこの村を出て行くから、その前に話したかったと言うことなのだろう。
「うん。諦める気はないから」
「うん……ん? いや、粘られても困るんだけど」
「私は、必ずこの村に戻ってくるよ。緑ちゃんの隣に、ずっといられるように」
まっすぐに、私を見ながらそう言われた。幼い頃から変わらない葉月ちゃんのきらきらしたお目めは愛らしくて、ずっと見ていたい。
でもそれは葉月ちゃんだけじゃない。ここに来てくれていた小さな子供たちはみんな生命力にあふれたきらきらした存在で、眩しいくらいに可愛くて愛おしかった。
その中で、ただ一人、ずっと私のところに来てくれる葉月ちゃん。嬉しいと言う気持ちと、申し訳ないと言う気持ち。私は何を言うのが正解なんだろうか。
「葉月ちゃん……私はね、きっと葉月ちゃんが一生かけてくれたって、恋はわからないよ」
「それでもいい。私にとっては緑ちゃんは特別だから。他の人に恋をしないなら、十分嬉しいから」
「……わかった。葉月の心は葉月のものだから、これ以上は言わないよ」
年長者として葉月を導くべきなのだろう。だけど、私はただ長く生きただけだ。わかりやすい悪の道でもない限り、何が正解なのかなんて私にもわからない。
「うん。……ところで、恋愛感情ではなくても私のことは好きだよね?」
「え? まあ、そりゃあ好きだけど」
「じゃあ……キスしてもいい?」
「何言ってるの? 駄目だよ」
話はこれで終わりだ、と思ったらとんでもないことを言い出した。キスは恋愛関係にある同士ですることでしょ。少なくとも、自称子供じゃなくて私に恋愛感情持ってる子にはできません。
「えー、どうして? 恋愛感情が分からなくても、するだけならできるでしょ。どうしても、私とするの嫌? 嫌悪感とか抵抗がある?」
「あのね、別にしようと思ったらできるよ。でもね、私にとってそれに恋愛感情はないの。特別な意味はないの。それでもしてほしいの?」
「してほしい」
即答されてしまった。頭のいい子だと思っていたのに、いつからこんなめちゃくちゃなことを言う子になってしまったのだろう。憐れみすら感じる。恋愛って人を馬鹿にするんだなぁ。
「あのねぇ、葉月ちゃん」
「例え緑ちゃんにとって意味がなくても、他の子にはせずに私だけにしてくれることなら、それは十分特別だよ」
「……一瞬、いい話風に聞こえてしまったけど、やっぱりめちゃくちゃ言ってるよね?」
私には学がないので、基本的に難しいことはよくわからない。でもうん、変だよね? そもそも告白してきたのも宣戦布告みたいなノリだったのに、単にキスしたいから言い出しただけだったの? 即物的すぎない?
「だって卒業したら緑ちゃんと離れ離れになっちゃうんだよ? 寂しいよ。勉強を頑張る為にも、心の支えが欲しいんだもん。お願い緑ちゃん! 一生のお願い!」
「う……」
一生のお願い、と言われてしまった。私はこれに弱い。だって私と違って一生が短いから言えることだ。それだけ一生懸命で心からのお願いなのだと思わされて無下にしにくい。他ならぬ葉月ちゃんの一生のお願いはこれでもう三回目だけど。
「……わ、わかったよ」
「ほんとに!? 嬉しい! ありがとう、緑ちゃん!」
ぱぁっと、花が咲いたような笑顔になる葉月ちゃんに、仕方ないこだなぁと言う気持ちで、キスくらいならいくらでもいいよって気になってしまう。けどまあ、さすがにじゃあ今と言うのは都合がよすぎるよね。
「ただし、第一志望の大学に受かったら、ね」
「え、だ、第一希望って言うのは頑張った上で運がよかったらの目標で、第二希望が順当に受かるところで、第三希望が絶対大丈夫そう、って感じなので、第一希望って割と無理目なんだけど」
「第一希望、ね」
「……はい。頑張ります」
何でも言うことを聞くと思われても困る。私を好きでいるのは仕方ないとして、その結果、葉月ちゃんの人生設計にマイナスになっては子守役の名折れだ。
ということで折れない私に、ひきつった顔になった葉月ちゃんはしぶしぶ頷いた。
〇
『エルフ』
鈴木恵。メールに添付されたその名前を見て、私は昔の恋人を思い出す。別によくある名前だ。本人と言うことはないだろう。だけどまだ、別れて十年しかたっていない。忘れられないのも無理はないだろう。
そう思ってから苦笑する。付き合ったのだって、たった十年なのに。
私はエルフ種。他の種族に比べて長生きをする。多彩な種族が混然と存在する現代において、異種族での婚姻も珍しくないけれど、長命種は長命種同士くっつくことが多い。
どんなに異種族の文化理解がすすもうと、寿命の違いからくる感覚の違いを埋めるのは困難だ。それが原因であっさりと別れてしまうことが多い。
それを知っていたのに、私は本気になってしまった。最初は子供の遊びに付き合ってあげるつもりだったのに。……やめよう。今更考えたって仕方ないことだ。未練がましい。
私は小説家として生計を立てている。専属ではないけれど主に私の本をだしている出版社には私の担当をしてくれる編集者と言うのが存在する。長い付き合いだったのだけど、この度担当変更があった。新しい担当が件の私の元恋人と同姓同名ということだ。
本日、その同姓同名が初顔合わせでうちにやってくる。どうせ他人だとわかっているのにそわそわしてしまう、と思いながら迎えた。
「あの……お久しぶりです、キヨさん」
迎えたのは、私の元恋人だった。はにかむように微笑んで挨拶した彼女は、別れた時からそう変わらない、どこか愛らしさを残していた。
それからしばらく、担当編集者との正しい関係が続いた。三か月ほどしてから、一緒にご飯をしたりするようになった。半年もたつ頃には恵は私の家でご飯をつくることも珍しくなくなった。
「……あのさ、恵」
「なんですか? キヨさん」
名前を呼ぶと、敬語が返ってくる。恋人の時とは違う距離感。だけど恋人の時にも似た、物理的な距離に、私を見るその柔らかな微笑み。
「恵って、私のこと好きなの?」
「……な、なんで、そう思うんですか?」
私の問いかけに向かいの席で晩御飯を食べていた恵はぽとりとお皿の上にハンバーグを落として驚愕を表現した。
そんな可愛い顔を見せる恵に、私は苦笑しながらお味噌汁の椀をおいてあえてゆったりした口調で答えてあげる。
「なんでも何も、好きでもない相手の家にきてマメにご飯作ったり家事したりする人いる?」
「それは……キヨさんが相変わらずちょっとだらしない生活だからで……」
「うん。そうだね。ごめん、私の言い方がずるかったね」
もじもじするようにせっかく綺麗に自分で作ったハンバーグを細かくしてしまう恵に、私は一旦お箸をおく。ぱくぱくとハンバーグを美味しそうに食べる姿が昔の恵と重なって、どうしとうもなく愛おしくて、つい食事中に言ってしまった。
しかも年下に言わせようなんて、ずるかった。だってあからさまにぐいぐい来るからつい。からかいたくなって。フラれた意趣返しも否定はできないけど。
私は席を立って恵の隣に行き、赤くなっている恵の頭を軽く撫でて振り向かせる。
「私、まだ恵のこと好きだよ。もう一回恋人になってほしい」
「……本当に、私、いいんですか?」
恵は私の告白に目じりを真っ赤にしながら、どこか泣きそうな顔でそう確認してくる。以前は恵から告白してきて、恵からフった形だ。一方的にフラれたし、振り回したと思っているのだろう。それは否定しない。
フラれてすぐは私だってそれなりに頭にきていた。でも時間をおいてこうして付き合えばやっぱり好きだと感じる。恵もそう思ってくれたなら、年上の私が狭量なことを言って無駄な時間を使うことはない。恵は私と違って長命種ではないのだし。
「うん。私を本気にさせたのは恵だけだよ。だから責任取って、今度はロリコンだってフるのはやめてね」
「……はい。私も、フラれないよう頑張ります」
私が差し出した手をとって、涙をこぼしながら微笑んだ。
●●●
キヨさんともう一度出会えるとわかって、私は少女の頃のようにドキドキしたのを今も覚えている。
私が子供の時、風にとばされた帽子が知らないお家の木にひっかかってしまった。それを取りに行った先にいたのが、エルフのキヨさんだ。
「あのっ、すみません。その、帽子が、おうちの木にひっかかっちゃって、あの」
「ああ。なるほどね。ちゃんと言いに来れて偉いぞ。すぐにとってあげるからね」
知らない人の家を尋ねると言う、当時の私の心臓が張り裂けそうなイベント。勇気をだして話した私に、それをわかって優しく対応してくれたキヨさん。そんな彼女に憧れるのは必然だった。
キヨさんは中学生くらいに見えて、当時小学生の私からしたら格好良くてなんでもできる大人のお姉さんに見えた。実際、とっくに成人して自分で生計を立てていたのでお姉さんに見えて当然なのだけど。
キヨさんに憧れて、甘やかしてくれるのをいいことに何度も遊びに行って、恋人になってほしいと駄々をこねた。
私はまだ子供だからと断られても、今思い出しても顔が熱くなるくらい無理を言って、渋々子供の遊びに付き合うように、恋人に同意してくれた。
「キヨさん、だーい好き! 私とずーっと一緒にいてね!」
「はいはい。恵が飽きるまでね」
「飽きないもん!」
「ふふっ、だといいね」
それからさらに私は調子に乗って、恋人だからと毎日家に押し掛けたり、恋人だからとデートに誘って小学生の遊びに付き合わせたりした。それにキヨさんはいつも優しく付き合ってくれて、だから私はますます調子に乗った。
そして中学生になって、周りにも恋人ができるようになると私はキヨさんを自慢した。キヨさんは誰が見ても綺麗な人だったし、みんな羨ましがってくれた。でもそこから中学生の悪いところと言うか、その、えっちなこともどこまで言ったとかの話題もしょっちゅう話題になっていて、私もそれに負けたくなくてキヨさんにおねだりした。みんなやってるからと言いながら、本当は私自身興味津々だった。
おねだりしてキスしてもらったりちょっとずつスキンシップを増やして、結局してくれたのは中学三年生も終わりごろ。高校入試の結果がでたご褒美だった。
「キヨさん! 合格だよ! 合格!」
「あ、そうなんだ。おめでとう。心配はしてなかったけど、協力した甲斐があったよ。よしよし。頑張ったね」
「んふふ、キー、ヨさん! 約束、覚えてるよね?」
「……忘れてはいないけど、もっと大事にした方がいいんじゃないかなぁ、と思うんだけど」
「もう十分待ったよ。それとも……嫌?」
「……はいはい。可愛い恋人のおねだりなんだから、嫌なわけないでしょ」
あの日のことは、今でも明確に覚えている。それから春休みはそれに夢中になってしまったし、受かるまで駄目と決めたキヨさんの英断だと思った。キヨさんも最初は私とのお遊びに付き合ってくれていた感じだけど、その頃には私をちゃんと本気で見てくれていると思う。少なくとも私からの求愛を拒まずまんざらでもなかった。
高校生になってもキヨさんとはずっとラブラブだった。だけど大学で出会った知り合いと恋人の話になり、キヨさんの自慢をした時、それまでと反応が変わった。
「え? ああ、エルフか……恵ってロリコンなの?」
「え? ロリコンって、キヨさんは私より年上だよ」
「それはわかるけど。でも写真見た感じエルフの中でも特に幼い見た目っぽいし、エルフ同士ならまだしも見た目中学生を好きになるのってロリコンじゃない?」
「……」
衝撃だった。そして、否定できない部分もあった。最初はお姉さんとして好きだったけど、成長して性的な目でも見るようになれば、キヨさんのいまだどこか未成熟な体つきと成熟した精神性のギャップをより魅力的にも感じていた。
ロリ要素も含めて好きなわけで、ロリコンじゃないとは言い切れないところがあった。そうして自分の感情に気づいてしまい、私は激しく動揺した。
それでもキヨさんとの交際は合法だし、別に誰に憚るものじゃないと思い込もうとした。だけど私が年齢を重ね、成人し、大学のたった数年でも私とキヨさんの関係は人から見て一目で恋人はわからなくなり、恋人らしく振舞うとロリコンと見られるようになっていった。
当時の私は見た目ばかり成長して、内面は見栄ばかり張る子供のままで、知り合いから冗談交じりでもロリコン扱いされることに耐えられなくなった。
卑怯な私はどうしても自分がロリコンと言うのを認めたくなくて、私が中学生の時に手を出したキヨさんの方がロリコンだから別れる、なんてどう考えてもめちゃくちゃなことを言って一方的に関係を切ってしまった。
普通に考えてめちゃくちゃだ。私からあれだけせがんで、キヨさんは私を思ってぎりぎりまで抑えてくれてのことなのに。でもそのくらいめちゃくちゃじゃないと、きっと別れられなかったはずだ。
私のせいだと言えば、きっとキヨさんはそんなことないよと引き留めただろう。キヨさんに原因があって別れるのだと嘘でも言わなければいけなかった。そして他にキヨさんに言いがかりをつけられることなんてなにも思いつかなかった。
そうして別れてしまって、それから数年たち、私は本当に自分がロリコンであることを自覚してしまうしかなかった。中学生を見てキヨさんを思いだしてしまう。他の誰かを好きになろうとして見ても、キヨさんの少女のような体でなければ興奮することはできなかった。
小学生から成人するまで脳に刻まれたキヨさんによって、私はキヨさんの面影がなければ興奮することすらできなかった。
後悔して、家は知っているから訪ねてしまいたい。謝りたい。もう一度やり直したい。と思い続けた。だけどあんな風に別れたらさすがにキヨさんも私を嫌になっただろう。悪い思い出となっているだろう。
そう思ったら二の足を踏んでしまった。就職先はキヨさんに憧れて小説家を目指して、とても無理なのですぐに挫折して、編集の仕事を目指した。それはキヨさんと付き合うとかは関係ないので別れてもそのまま出版社に就職した。未練は否定できなくて、キヨさんを担当している先輩を羨ましく思いながらも、一種の職権乱用な気もして仕事で自分から接触する勇気すらなかった。
だけどあの日、先輩が引退することになり引き継ぎ先の話になった時、私はこのチャンスを逃したら一生会えないのではと思ってつい、立候補してしまった。
嫌われているかもしれない。いや、もう十年近いのだ。忘れられているかもしれない。覚えていても、どうでもいいと思っている可能性も高い。
キヨと違って私は変わってしまった。年をとって、もう三十になるのだ。時間がたって嫌な思い出はなくなっていい思い出にしてくれてたとして、悪い意味で上書きしてしまう可能性もある。
それでも、会いたい気持ちを嘘にはできなかった。
「あの……お久しぶりです、キヨさん」
「……久しぶり。恵」
ドキドキと少女のように不安と期待で胸を膨らませる私を、キヨさんは一瞬だけ驚いてから、昔と変わらない微笑みを浮かべてくれた。
それからなんやかんやあって、私はキヨさんとまた恋人になれた。もう人からロリコンと思われても仕方ない。というかキヨさん限定ではあるけどもう事実そうだし。と開き直って生きていくことにした。
「はい、キヨさん。お茶いれたよ」
「ありがとう。休みなのに悪いね」
「やりたくてやってることだから、気にしないで」
今日も今日とてキヨさんのお家に押し掛け妻である。キヨさんの好きなお茶を入れて、お仕事をするキヨさんに差し入れる。キヨさんはふわっと花のように可憐に微笑んでくれる。そしてお茶を一口飲んでから、私を見ながらそう言えばと口を開いた。
「そう言えば恵、今も私ってロリコンになるのかな? 前よりは恵も成長したとは言え、まだ三十歳くらいなわけだし」
「…………いや、その、ならないと思います。というかあれは完全に私が別れる口実に無理を言ったと言うかなんというか……本当にすみませんでした」
「そう? ……まあ、恵とならロリコンでもいいけどね」
どうやらキヨさんにとっては、私はいつまでも子供らしい。見た目は中学生なのに、自分がロリ側に見えてしまうと言う発想はないようだ。
まあ、キヨさんにとって私がロリコンじゃないならいいか。
読んでくださりありがとうございます。
そろそろ思いつく異種族が尽きてきました。もし読んでみたい異種族がいたら教えてください。絶対とはお約束できませんが、書けそうなら書きたいと思います。




