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第3話 ステータスオープン


青山総司 Lv:1

種族:ヒューマン

HP:5/5

MP:0


・筋力:11

・敏捷:9

・知力:20

・魔力:0

・運:15


スキル:『転生』(次回発動条件:Lv50以上)

    『経験値共有』

    『スキル共有〈剣術〉〈鑑定〉』




「ステータスじゃん!」

思わず声を上げる。ゲームすぎる。自分の能力が数値化されているなんて、なんだか変な気分。AIで画像生成された自分の画像を見せられた気分。転生スキルと、何故か他にもスキルがあるな。


俺が『転生』に意識を向けると説明が浮かんできた。




スキル:『転生』

異世界の勇者を転生させる。転生させた勇者と経験値を共有する。転生させた勇者の持つスキルからランダムで2つを得る。勇者が死亡、もしくは転生した場合は経験値共有とスキル共有の効果は無くなる。(次回発動条件:Lv50以上)




なるほど。やはり俺は異世界モノの主人公ではなく、異世界から主人公を呼び出す側の脇役だったのだ。


しかも、経験値共有ってことは、ミューズがモンスターを倒せば、俺もレベルアップできるってことか?そして、スキル共有でミューズのスキルの中から〈剣術〉と〈鑑定〉の2つを貰ったってわけだ。


次回発動条件という文字が目に入る。次に転生スキルを発動するには、Lvを50以上にしなければならないらしい。逆に言えば、Lv50になったらミューズ以外にも勇者を転生させることができるということだろう。


「まじで勇者なんかい(重低音)!!!」

「え、何か言った?」

「何でもないぜ(即答)」


俺はミューズに渾身の、一世一代のツッコミを入れたが、鎧を脱いでいたミューズには届かなかったようだ。あー、化石になっちまうよ、あー。


「まじで勇者なんかい!!!って、会った時にそう言っただろ」

「お前って見た目に反して性格悪いんだね」


嫌な気分になっちゃったな。


「そうだ、ミューズのステータスを見せてくれよ」


ミューズはキョトンとした顔で首を傾げた。


「ステータス?何のこと?」

「え、お前ステータス見れないの?」


俺は自分のステータスを呼び出して見せてやる。ミューズは驚いた顔で俺のステータス画面を眺め、答えた。


「僕たちは、自分の力を数値で見るなんてことはしない。身体に宿る魔力の量や、体術の練度で自らの強さを測るんだ」


どうやら、ミューズの世界ではステータスという概念がないらしい。しかし、俺はスキル共有でミューズのスキルを獲得できている。ということは、ミューズはスキルは持っているはずだ。


「そうか。じゃあ、自分が持っているスキルのことはわかるのか?例えば剣術とか、鑑定とか……」

「天賦のことか?」

「天賦?」

「天賦は神に与えられる才能だ。天賦によって、人類はモンスターに対抗することができる。」


どうやら、ミューズの世界ではスキルを天賦と呼ぶらしい。


「なるほど。で、お前は何の天賦を持っているんだ」

「僕はアークライン王国の勇者として、代々受け継がれきた天賦をいくつか持っている。『剣聖の天賦』や『真眼の天賦』は勇者である僕しか持っていない」


ミューズは胸を張ってそう言った。剣聖の天賦、真眼の天賦。その言葉を聞いて、俺はピンときた。


これだ。俺がスキル共有で手に入れた〈剣術〉と〈鑑定〉は、ミューズが言う『剣聖の天賦』と『真眼の天賦』と対応してるスキルなんだ。


「剣聖の天賦は、どんな剣でも自由自在に操り、あらゆる剣技を身につけられる力。真眼の天賦はあらゆるものを見通す力だ。」


得意げなミューズの説明を聞きつつ、俺は内心、外面共に満面の笑みを浮かべる。大当たりどころの騒ぎじゃない。これはとんでもないスキルを共有してもらったぞ。


「すごいな!ミューズ!」

「だろ?まあ僕は勇者だからな。ところで、アオヤマ」

「なんだ?」


「この〈転生〉ってのは何だ?」


ミューズは表示したままの俺のステータス画面を指差して言った。

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