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この世の邪魔者

「な、なんだ⁉」


いきなり上の方からとてつもなく大きい爆発音が聞こえた、多分俺が起こした爆発よりも大きいものである


俺が引き起こした爆発はエネルギーによるもので、その時の爆発の威力は昔戦争のときに使われていた


核爆弾三つ分である。


それでもその時は壁が少し割れただけで、下の階や上の階にいた人たちは全く聞こえなかったと言う。


そして俺が今いるこの小さな部屋があるのは施設の最下層、そして上の階が食堂になっており、そのさら


に上も研究者たちの寮が四階ありその上には……。


全身の鳥肌が立った、頭が真っ白になる、寮の上には没収された俺が集めてきた地球外エネルギーが大量


に保管されているのである、エネルギーに質量があると仮定すると約3000000万t、おれが引き起


こした爆発の原因となった地球外エネルギーの約300万倍、軽いビックバンが起きてしまったのである


ピーーーーーーピーーーー


警報がなり外が騒がしくなってきた、この施設は一応こういうときのために緊急避難用の脱出装置がある


(まあ、死にはしないけど生きて地上に戻れても死ぬほど怒られるんだろうなー)


俺はのんきに部屋を出て脱出装置があるとこまで歩いていくことにした、どうせ死なないし。


(ここももう終わりか、このままだとニートになっちゃうな)


そんなことを考えていると一つ奇妙なことに気が付いた、人が全くいないのである。


最初はもうみんな逃げたのかと思ったが、そもそもこの施設に全員を助けられるほどの脱出装置があった


だろうか。少なくともおれは見たことがない、そしてもしかしたらだがもう脱出装置がなく、おれはここ


で水に飲まれて死ぬ……そんなのはやだ、まだ死にたくないその一心で脱出装置まで走った、しかしそこ


でおれが見たのは、床にぐったりと座り込んだ目の死んだ研究者たちだった、そして脱出装置はもうなか


った。


(終わった……)


おれは膝から崩れ落ちた、あたまの中が真っ白になった。


「おまえは……」


前から声がきこえたから顔を上げるとそこにはおれが起こした一回目の爆発のせいで研究していた最新型


のAIが全部壊れてしまった年寄りの研究員だった。


「お前のせいでわしの研究結果は全部なくなった、二十歳から毎日コツコツと作ってきたものだ」


年寄りの研究員の顔が憎悪でゆがむ。


「わしが今まで頑張ってやってきたことは何だったんだ!、そして今度はお前のせいで命まで無くす


ことになる、何てことしてくれたんだ!!」


それからのことは何も覚えてない、おれはただ自分のゆめをかなえたかっただけで他の人を邪魔しようと


思ったことは一度もなかった、なのにどうしてこんなことに……、上の階で大量の水が流れる音がした、


もう水がそこまで来てる、逃げる手段もない。


すぐ耳元で水が流れてくる音がした、次の瞬間俺の体は水に飲まれて俺の意識は段々と弱くなっていった


さっきまで俺に向かって怒っていた年寄りの研究者は水に流された勢いでどこかに体をぶつけたのであろ


う、体がおかしな方向にまがっていた。


そしておれは死んだ、この世に何一つ貢献できずに、最後まで人の邪魔をしただけ。


おれは何がしたかったんだろう。









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