底辺研究者はつらいよ
ここは世界最大規模の研究施設「BOL」、ここで結果を出し世界に貢献した研究者は多数。
なぜならこの施設は海底にあり、そのためどんな研究をしても、他の人の研究を邪魔したり、地球の内部を
傷つけない限りは大丈夫なのである。
そしてこの俺、天草真人は去年からこの施設に入り、憧れの研究者ライフで人生を堪能しようとしたのだが
俺の研究対象である、地球外エネルギーを調べるためにエネルギーを集結させる機械を発動した結果、
前日にため込んだエネルギーを宇宙に戻すのを忘れて、そのまま新しいエネルギーを取り入れたせいで、
今まで前例のない大爆発を引き起こし、何をしても壊れない研究室の壁が割れてしまい、隣の人が長い時
間研究して作った最新型のAIを跡形もなく吹き飛ばしてしまったのだ。
そのせいで、他の人の研究を邪魔したと見なされて、大規模な研究ができる権利を剝奪され、
おれは今世界最大級の研究施設の中で一番小さい研究室で毎日パソコンとにらめっこをしている。
(あーもっと大規模な研究をしたい……こんなちっちゃいパソコンでなにをしろってんだ)
一応最先端の技術を取り入れたパソコンらしいが、すでにあるデータを調べても何も楽しくない。
そして、最初誰よりもあった研究に対する熱意が冷めてしまい、今じゃ研究もせずに毎日ラノベを読ん
でいる、実質ニート状態になってしまったのだ。
(魔法がつかいたい)
実は誰にも言っていなかったが、俺がこの大規模な研究所に入って地球外エネルギーを研究しているのは
魔法が使いたいからである、地球外エネルギーを自由に扱えるようになると、空間をゆがませることで自
由にどこにでも移動できるようになったり、瞬間的に手から火を出したり、水を操れたりできるのだ。
でもこれはあくまで俺の考えた仮定で本当にできるかはまだわからないのである。
そして研究の途中で、地球外エネルギーを完全に扱えたりしても、魔法や瞬間移動や魔法が使える可能性
は極めて低いことが分かった、それでも、もしかしたらできるかもと信じて研究を続けていたが、
結局こんなことになってしまい激萎え中である。
そして今日もいつものように朝から夜までラノベを読んで、寝ようとしたら。
ドオオオオオオン
尋常じゃないほどに大きい爆発音が急に聞こえた。