第八話 騎士団長との一戦Side 扇条綾香・伏見心音
三話めぇ。
Side:扇条綾香
いやぁ、桜花チャンは凄いねぇ。
ぶっちゃけウチはあそこまで動ける気せぇへんわ。
ウチの武器は魔法やけんそれを押し出してかなあかん。幸い団長さんはウチが魔法使えることを知らんようや。やから取り敢えず踏み込んで攻める。まぁ棒術なんてできへんから、剣のリーチの外からつつくだけやけど。やっぱ素人の動きやからか油断というか余裕が見て取れるな。左手でばれへんよう魔力を練る。
ここや!団長さんが棒をはじいた瞬間、ウチは魔法を放つ。火属性の初級魔法『ファイアボール』。威力は低いが、模擬戦なら十分や。当たると思っとった。やけど、団長さんはあろうことか魔法を切ってきおった。
はぁ!そんなんアリか!?それで呆然としとったせいやろ、軽く剣当てられて終わってしもた。
「魔法を使えるとは驚いた。それに初級とはいえ無詠唱で扱って見せたのもな。」
団長さんはそう言ってウチをねぎらってくれる。
「綾香ちゃん魔法使えるようになってたなんて。凄いね。」
桜花チャンがそう言ってくれる。ええ子や。
他の子達も皆凄い言ってくれる。案外褒められると嬉しいモンやなぁ。
Side:伏見心音
アタシが使うのは短剣。リーチが短いからぶっちゃけフリだと思う。でもそんなこと言ってられないしアタシは治癒魔法使いだからね。回復すれば怪我なんてなんとでもなる。だから、突っ込む。
まあでもすぐに返り討ちに遭った。団長は強かったよ。
皆が近寄ってくる
「心音ちゃん。大丈夫なの!?」
桜花ちゃんが心配してくれる。
「大丈夫大丈夫。アタシ治癒魔法使えるし。」
「怖い戦いするなぁ。もっと自分大切にせな。」
怒られた。
「えへっ、ごめんね。」
「多分だけど、治癒魔法使いなんだから自分から攻めてく必要はないよ。的が来たときにある程度自衛できればいいんだから。」
花音ちゃんがそんなことを言う。確かにアタシ治癒魔法使いだから前でないね。
「そうだね!目からうろこだったよ!!」
この後団長からもおんなじこと言われた。
「よくやるねぇ、怖くないんか?」
イオリンにそんなことを言われた。
「怖いよ?でもアタシは怪我してもすぐ直せるしいいかなって。」
素直に思ったことを言う。
「危ういか?」
イオリンの言うことはよくわかんない。けどまぁいっか。
次は花音ちゃんだ。頑張って応援しよっ。
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おまけSide:平坂庵
皆凄いねぇ。まぁにしたって傷をいとわない伏見の戦い方は危ないかもなぁ。ベリルさんに後で言っておくか。で、次は武王持ちの一河か。さていいもんがみれそうだねぇ。
心音のとこで結構迷走したので大幅に改修するかもしれませんがあしからず。
お願い見捨てないで(T-T)