第六話 異世界授業開始
スキルと魔法を調べた翌日。
「それではこれから魔法の説明をさせていただきます。」
午前はリーナさんの魔法基礎の授業のようだ。
「異世界来て授業するとは思ってなかったな~。」
「でも、ちゃんと聞かないと。」
伏見と倉敷さんがそんなことを言っている。
「まずは魔法とは何か、についてですが、魔法とは魔力とイメージを媒介に現象を発生させる技となっています。」
「魔法は基本属性として火、水、土、風、植物、闇、光の七属性、重力や治癒、空間や時間などの希少属性があります。それに加えて種族特有の特殊属性が存在します。」
「闇と光は希少属性やないの?昨日、使い手が少ないゆうてたけど。」
そんな扇条の質問に対してリーナさんは、
「確かに光や闇は使い手が少ないですが一応基本属性と呼ばれています。」
と、答える。
「通常属性と希少属性の違いですが、それは習得可能か不可能か、という線引きがあります。通常属性は難易度の差はあれど基本的に誰でも習得できます。しかし、希少属性は生まれながら持っている属性なので後天的に習得することが不可能なんです。因みにその人の固有の属性なので固有属性って呼ばれることもあります。」
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そんなこんなで午前の座学が終わり午後の実技のお時間です。
今日の実技は武術実技。ベリルさんの授業だ。
「取り敢えず今日はそれぞれが向いている武器を調べて貰う。ここに武具一式用意してあるから、それぞれ好きな武器を持ってくれ。」
「ウチらみたいな魔法特化型も武術やるんか?」
「あぁ、接近されたときに最低限距離を離せないとすぐにやられるからな。」
ごもっともだな。武器もいろいろあるなぁ。剣、槍、斧、鎌に爪系統まであるのかぁ。お、刀もあるんか。
「じゃあ、私は無難に剣で行かせていただきます。」
「アタシは短剣かなぁ。」
「ウチは杖使いたいし棒術とかやりたいなぁ。」
「私はいろいろ使いたいから取り敢えず剣で。庵は?」
「ん~、やっぱ刀にしようかねぇ。」
「なんかイオリン似合ってる~」
「解釈一致だよ!庵」
そんな感じで武器を決めてわちゃわちゃしていると
「おし。決まったようだな。次は取り敢えず俺と戦うぞ。」
おう。この人いきなり何言い出してんの?
「いや、私たちは武道初心者ですし、無理があるかなって。」
いいぞ倉敷さん。もっと言ってやれ。
「勇者殿たちの素のスペックが知りたいのでな。好きに打ち込んでくれればいいぞ」
「それじゃあ、私から行かせていただきます。」
お、倉敷さんが最初か。勇者様と騎士団長の一戦か。これは見物だねぇ。
次回!召喚者VS異世界騎士団長!!次回はそれぞれの視点で語ることになると思います。