第四話 先生と対面しました
なんとなく二日空いてしまった。。。
「魔王討伐、引き受けさせていただきます。」
相談した翌日、王様の前でそう言う倉敷さん。
「おぉ、引き受けてくれるか。感謝する。しかし、本当にいいのか?」
心配そうに聞いてくる王様。そりゃそうか、死ぬ可能性も大いにあるしな。
「相談の結果ですし、何より私たちが助けられる力があるのなら助けたいと思いましたから。」
「そう...か。汝らがそう言うのであれば儂らも全力で支援させて貰う。」
「手始めに、といっては何だが、汝らには指導を受けてもらう。この世界の常識や戦い方の指導だ。」
「それはこちらとしても願ったり叶ったりなのでありがたいです。」
「それでは紹介しよう。汝らの教育係だ。」
そう言って、前に出てくる二人。一人は全身鎧を着た大男。
ザ・騎士団長って感じだね。
もう一人はローブを着た小柄な美少女。
「レヴィオル皇国の近衛騎士団団長、ベリル・マモニアスだ。よろしく頼む。」
「え、えっと、レヴィオル皇国魔法師団団長、リーナ・アスモウレアです。勇者様に会えて光栄です。」
うん、ほんとに騎士団長だったね。というか、リーナ...さん?も団長なんだな。
「騎士団だって!庵!魔法師団もあるらしいよ!!」
一河よ、興奮するのは分かるが今はダマットレ。
「こんな、地位の高い人たちに教えて貰ってもいいのでしょうか。私たちは素人ですけど......?」
確かにそうだな。でも勇者の立ち位置的にも生半可な人つけるのはよくないんだろ。
「いや、これは我が国がなめられないためでもあるのだ。気にせんでくれ。」
ほらな。
「教育係一つでそんなに言われるモンなの?」
伏見は分かってなさそう。
「あわよくば自分のところで勇者の育成をしたい、とか言う思惑がありそうやねぇ。」
扇条の言うこともあるだろうな。
「後はそうだな、この国は多分強国なんだろ。下手なところ見せると各所から一気に噛みつかれるってのもあるんだろ。」
俺たちの推測に苦笑する王様。
「今代の勇者は勘がいいというか理解力が高いな。これは希望が持てそうだ。」
「さてそろそろいいだろう。後は任せてもいいか?」
団長二人に聞く王様。それに対し二人は、
「すべてお任せください!」「はい、お任せください」
力強くうなずく。
それを見て王様は満足そうに去って行った。
「と、言うわけで、勇者様たちの教育は基本我々二人で担わせていただきます。」
「私が魔法とこの世界の常識的なところ。ベリル殿が武技と地理的なところを教えさせていただきます。」
「えっと、私たちが教わる側なので、敬語とかはなくても大丈夫ですよ。皆もいいかな?」
そんなことを言う倉敷さん。確かにそうだな。
「アタシはいいよ~!」
「ウチもかまへんで。」
「異議なし。」
「俺もそれでいいかなぁ。」
賛同する一同。
「そうか?それならこれからは敬語はなしでいかせて貰う。敬語は苦手なんだ。助かった。」
「私は、このままで。お気遣いだけ受け取らせていただきます。」
そんなことを言う二人。
「それで...この後は?」
倉敷さんの質問に答えたのはリーナさん。
「はい、この後は魔法の適性検査とスキル精査を行わせていただきます。魔法に関しては、また後日、スキルに関しては向かいながら説明させていただきます」
そう言って部屋を出るリーナさん。案内してくれるようだ。
移動中リーナさんが話し出した。
「スキルとは召喚された勇者様が持っているとされている特殊な力になります。過去の文献によると未来予知や、瞬間移動、無限の魔力など、非常に強力な能力が確認されています。」
スキルかぁ~。俺にスキルってあるのかねぇ。にしたって、スキルの話聞いて全員それなりに興奮してんな。
「スキルかぁ。なんか強いの貰えるといいなぁ。こう、敵を一気にドカーン!!ってやれるみたいな」
小学生みたいな感想を言う伏見。
「せやねぇ。ワクワクしてくるわぁ。」
笑いながら言う扇条。
「スキル、捕食、それとも時間操作?」
Oh....なんかやべぇな。
「戻ってこい。一河。」
「だってスキルだよ!超能力だよ!?」
「おん、分かったからいったん落ち着け。な。」
「皆を守れるスキルだと嬉しいな」
さすが倉敷さん。さすくら。
そんな感じで和やかに向かう一行であった。
因みにベリルさんとリーナさんは微笑ましそうに見てたよ。あぁ、なんか恥ずいな。
ベリルとリーナですが、普通にこの物語でガチ強者の一角です。因みにベリルが豪腕の鬼神、リーナが万魔の魔術士って二つ名を持っています。
それと、庵の一人称を私から俺に変更しました。後、ストーリー的な矛盾の修正もしました。