第二十九話 魔神族と出会いました
目の前では、メドゥーサのような魔物フロストバンシ-がこちらを見ている。
取り敢えず、紅蓮の皆に結界張ってと。
「ギシャァァァァァ!!!!!!」
「あーもー、うるさいうるさい。分かったから。」
フロストバンシーさんの弱点は炎なんだろうけど、取り敢えずどうしようか。なんか、やばそうな気配も感じるんだよなぁ。どこにいるかは分かんないけど不穏な感じがある。みたいな?
「マシロは分かるかぁ?」
腕の中に戻ってるマシロに聞く。「キュキュ?」 そりゃ分かるわけがない。ダメだな。事あるごとにマシロに聞く癖なんとかした方が良いかもしれない。でも可愛いからなぁ。しょうが無いよなぁ。
んー、流石にクトゥルフはやめとくかぁ。誰かも分かんないのに手札バラしたくはないからなぁ。
「コレで行けるかぁ?炎獄の宴」
灼熱の業火がフロストバンシーを襲う。
フロストバンシーは軽く身もだえこそするがそこまで聞いてはいないようだ。
「やっぱ魔法には強いのかぁ。」
じゃあ、こっちだよなぁ。血刀を生成し軽く切りつける。
「こっちの効き目の方が良いかぁ。それならこっちでやるかぁ。」
フロストバンシーが尻尾で叩き潰そうと打ちつける。それを余裕を持ってよけ、尻尾を切り離す。あ、よけられた、流石蛇。動きが読みずらいわ。
吹雪を発生させるフロストバンシー。うーむ。視界奪ったらどうにかなると思ったのかぁ?見えていないと思って油断して背後から襲いかかってくるところを逆にカウンター気味に袈裟切りにする。
コレは行ったか?結構手応えあったけど。んー、まだ動くかぁ。ボスキャラはしぶといって事かぁ。
しゃあね。あんま使いたくないけど。
「這い出ろ。醜悪なる血吸い」
その瞬間。フロストバンシーの体の至る所から突如出血が始まる。尻尾、腕、胸、顔。至る所からの出血は次第にその範囲を増やしていき。醜悪なヒルが這い出てくる。
うっへ。自分で作っといてなんだけどやっぱコレキモいな。しかも発動条件が血武器で切りつけるだけとか言うお手軽さよ。拷問とかには使えるかも。見せつけとか。
「さて、ここからどうしようか。紅蓮の皆を起こす.......それは説明が面倒臭そうだなぁ。でもなぁ、そのままつれ出すにも手間だし。」
「起こすかぁ。説明は、まぁなんとかなるでしょう!」
謎の雰囲気はまだ居るからねぇ。どう動くのかねぇ。
そんなことを考えていると、一人の男が姿を現した。
「素晴らしいですね。まさか強化したフロストバンシーを一人で屠ってしまうとわ。実に驚きました。賞賛に値します。」
そこに居るのは紳士然とした男。スーツのようなモノをぴっちりと着こなしている。角と浅黒い肌から考えるに所謂魔神族って奴かな。魔人族は敵対する必要が無いわけだし。
「我らが魔神様の脅威となり得る存在は摘み取っておかなければなりません。なので私は貴方を殺さなければならない。しかし、それはとても惜しい。これほどの力を持っているのだから。どうです?私たちと組んで魔神族側につきませんか?」
おぉ、やっぱり魔神族か。で、コレが世界の半分をやるから手を組もうって奴かぁ。まぁ答えは決まってるよねぇ。
「面白そうな提案ではあるけど。受けれないねぇ。」
魔神族の男は微笑みながら言う。
「なぜです?貴方のその力は人間の世界では明らかに異質。迫害されることでしょう。それとも何ですか?正義感と言う奴ですか?」
正義感かぁ。そう言いたらかっこいいよなぁ。
「ただ単に友達の女の子と敵対したくないだけさぁ。それに胡散臭いのは好きだけど、世界征服とか?世界の崩壊とか。面倒臭そうだし。」
「それならしょうが無いですね。ここで死んで貰いましょう。」
魔神族の男は見切りをつけたようだ。それならこっちも相応の対応をさせて貰うだけだねぇ。
「さっきの技、何の魔法かは知りませんが、血の武器に当たらなければ意味のないものとみます。なので私には効きませんよ。」
そんな、天丼なんてするわけ無いじゃあないか。使いどころに迷ってたし、ここで使ってみるか。ちょうど良いでしょう。相手的にも。
「全ては虚無へと還る」
文字通りの魔法。対象に触れる必要も無ければ、最悪視認する必要も無い。
ただ対象を思い浮かべるだけでその存在の過去も未来も一切合切含めて世界から抹消する。
ぶっちゃけこの魔法さえあればそのほかの何もいらないタイプのチート魔法。一つ欠点を言うとすれば。世界そのものの改竄だからやり過ぎると整合性が合わなくなって世界が崩壊するって位かなぁ。だから、影響力の強すぎるモノを抹消することも出来ない。魔神には使えないのだ。残念!
さてと。起こすか。紅蓮の皆、起こすか!
遅れましたー。出ましたチート魔法。僕が考えたさいきょーまほーって奴ッすね。はい。まぁでも、もっと凶悪なのもあるらしいんで。大丈夫ッスよ。一回くらい苦戦させたいけど苦戦するのかな?このキャラ。まぁ最悪他のキャラ苦戦させときゃなんとかなるっしょ。って事でね、先が気になるって方は、是非ブックマーク登録して待っといてくださいって事でね。また