第二十七話 ダンジョンを探索しました
「で?どういうことか、教えてくれるか?」
「どういうこと、と言うと?」
「いや。フロ-ズンゴーレムは剣や刀で一刀両断できるような相手じゃないからね!?」
やっぱそうだよねぇ。さて、どうしたモノかなぁ。
「やっぱ勇者様なんじゃないの?それならアレも説明着くと思うけど。」
んー、違うんだなぁ。少なくとも勇者ではない。あ、武器のおかげにでもするか。
「俺は勇者ではない。おそらく、この武器のおかげだ。この間、とある理由からリンブルーム公爵から頂いたんだ。」
お、結構良い感じ。これなら行けるか。
「それに俺はレヴィオルに居たときは騎士団長に剣を教わっていたからな。」
「まぁ、そういうことならそうしておくよ。一応納得できる理由だしね。」
んー。ごまかせたわけじゃ無いけど、まぁ、この場を切り抜けれるなら良いか。
そこからはすんなりと、これと言った魔物との遭遇もなく洞窟に着いた。
「確かに異様な雰囲気を感じるね。」
「とても強い魔力を感じる。気をつけてね。この先は大分危険よ。」
「最悪ダンジョン化しててもおかしくないな。」
「気をつけて進むとしよう。」
やっぱりA級冒険者は危機察知能力も高いねぇ。
「レオンの言ったとおりここはダンジョンになってるな。」
洞窟内部はダンジョン化しているらしい。
《ダンジョン》それは、何らかの強い魔力を受けたことにより異空と化した空間のことだ。強い魔物や偶然魔力がたまってしまったり、様々な理由で発生するダンジョンだが、ダンジョン内部は基本的に周りより強い魔物が発生する。そして、《ダンジョンボス》と呼ばれる、一際強い魔物が存在する。
因みに、ダンジョンはラノベによくある階層型だったり迷宮型もあるが、普通に洞窟のままの場合もある。まぁ最も、広さが本来の広さ相応ではないが。
この洞窟は、迷宮や階層といった感じじゃないらしい。広いは広いが、ただの洞窟だ。
でも......
「すっごい綺麗なところね。」
とてつもなく幻想的だ。
氷柱や雪が所々天井の隙間から差し込んでくる陽光に照らされてとてつもなく綺麗だ。
崩壊しないのかとか思うところはあるがまぁダンジョンの不思議パワーってやつだろう。
一番奥は広場のような空間になっていた。
「ダンジョンにはなっていたけど一切魔物がいなかった。ここのダンジョンボスも見当たらないし。ここは異常だ。帰りも警戒は怠らないようにしよう。」
そういえば依頼は調査だったな。
「罠とかがあるわけでもないし、ホントになんなんだろうな。」
「ここまで魔力が強いのに魔物の一匹も居ないのはちょっと不気味ね。」
!!!!!!!!!
「伏せろっ!!!」
流石はA級。唐突に叫んだけど全員反応してくれた。
にしたって、いきなり魔力感知に反応が出たな。
「隠れて、居たのか?」
「イオリ。助かったよ。ありがとう。」
感謝するのは良いけど、それどころじゃないんだよなあ。
「アレって、ダンジョンボス?」
「状況的にそうだろうな。聞いた話だとフローズンバンシーだって話だけど。」
「アレが、フローズンバンシー?」
目の前の奴はバンシーというよりは、メドゥーサみたいな見た目をした、女の上半身に蛇の下半身を持った魔物だ。
「コレは、思った以上に強い相手みたいだね。」
さて、逃げるのか、それとも立ち向かうのか。どっちに転んでも楽ではなさそうだねぇ。
フローズンバンシーのお出ましですね。いやぁ、これに対して庵君は苦戦するんでしょうかねぇ。近いうちに倉敷さん達の現状も書こうかなって思ってるので、どうぞお楽しみに