第二十三話 初めて仲間が出来ました
公爵家に招かれた翌日。冒険者者組合に居た。
冒険者組合には魔物の情報が色々ある。昨日見た白狐の情報を探しに来たのである。
んー。無いなぁ。やっぱりレアなのか。
「何かお探しですか?」
組合職員が声をかけてみた。ダメ元だけど聞いてみるか。
「いや、ちょっと前に白いキツネを見かけてな。それの情報が無いかなと。」
「白いキツネですか。組合にもそう言う情報は無いですね。」
それからも調べてみたけどやっぱり見当たらなかった。
日も落ちてきた頃、諦めて組合を出た。ワンチャン会えないかなぁと思い路地裏をフラフラと歩く。
スリとかを避けながら路地裏を探す。
あ、居た。
今度は逃げないのか。
近づく。逃げない。手を出す。手をクンクンしてる。可愛い。
「その、キツネ。こっちに貰っても良いか?」
声がした。振り返るとガタイの良さそうなのが四人。
「このキツネの飼い主かなんかか?」
「あぁ。ソイツはウチの商品だ。」
商品、ね。やっぱり魔物売買か。
「そうか。それなら俺が買わせて貰うよ。」
「へぇ。ソレがいくらするのか知ってんのか?」
「さぁな。だから君らの雇い主と話をさせてくれよ。」
素直に案内するらしい。
白狐は怯えているが大丈夫だと伝えるとある程度落ち着いたようだ。
と言うか、なんでこんな懐いてるんだ?
案内された先はかなり綺麗な店だった。
応接室に案内され少し待つ。その間キツネは俺の膝の上に居る。めっちゃ可愛い。癒やしだわ。
「お待たせして申し訳ありません。」
高価そうな服をきっちりと着こなしたにこやかな男が入ってくる。
「私、ここのオーナー兼店主をしておりますアルベルトと申します。」
「庵だ。率直に聞く。こいつはいくらだ?」
キツネをなでながら聞く。
チラリとキツネを見ながら少し考え込むアルベルト。
「そうですね。金貨80枚と言ったところでしょうか。」
80か。サラノアを助けてなかったら危なかったな。
財布の中から金貨80枚を取り出す。
「これでいいか。」
笑みを浮かべるアルベルト。多少ボられたか?まぁ良いだろう。
「多少の値切り交渉は覚悟していたのですがね。言い値で払われるとは思っていませんでした。」
「やっぱり多少ボってたか。まぁいい。こいつは連れて帰るぞ。」
「あ、少々お待ちを。所有権の委譲を行わなければなりませんので。」
あぁ。責任問題とかあるからか。
それから色々と手続きを行い店を出る。
「キツネ。お前さんはこれから俺と一緒だからな。」
「キュ?」
可愛いな。あ、名前考えないとなぁ。キツネって呼び続けるのも味気ないしな。白狐かぁ。白。
「....マシロ。今日からお前はマシロな。」
「キュウ!!」
気に入ったみたいだ。尻尾をゆらゆらさせながら頭を俺の胸にこすりつけてくるマシロを抱えながら公爵家に帰った。
因みに帰宅後公爵家の面々に色々と聞かれた。特に公爵夫人が詰め寄ってきた時は怖かったです。ハイ。だって凄い勢いで詰め寄ってくるんだもん。ドレス一切乱さずに。
やっと出せました。白狐マシロ。この手の小説で魔物手に入れたらまぁ....。今後をお楽しみくださいってことでね。
と言うか。セノアリアいくまで二時間かかりすぎですね。スミマセン。次こそは、次こそは行けるはずなので。因みにマシロの種族に関しては。覚えてたら今後深掘りが入るかもしれませんね。