第二十話 運命の武器と出会いました
ニコニコ
ニコニコしながら対面に公爵家当主ゴルーノ・リンブルームが座っている。どうしてこうなったッ!!
朝、いつもより早く起きてこの町を出るつもりだった。だから五時起きで門に向かったんだよ。
そしたらなぜか、なぜか止められた。応接室で待たされて来たのはこの間のお嬢さん。確かサラノアとかいったか?
後は連行されて当主とご対面よ。意味分かんねぇ。確かに名乗りはしたよ。したけどさ、まさか門番に通達が行ってるとは思わんじゃんか。
まぁそんなこんなで今は御当主様とお話中ですよ。
「今回は娘を救ってくれて感謝する。」
頭を下げるゴルーノ。公爵なのにただの冒険者に頭まで下げるとは。
「頭を上げてくれリンブルーム公爵。別に俺としてはついで程度だったんだ。それにすでに報酬も貰っている。」
あ、公爵家当主相手にため口はよくなかったか。
「すみませんでした。言葉が崩れました。何分冒険者をしている身なので。ご容赦ねがいたい。」
「あぁ、気にしないでくれ。私も敬語はあまり得意ではないからな。それに娘の恩人に敬語で接されるのも困る。」
うーん。懐が広い。
「それなら敬語はなしでいかせて貰おう。それで、話を戻すが、すでに報酬は貰っているからこれ以上気にする必要は無い。」
「し、しかし、私の気がすまんのだ。」
気が済まないって言われてもなぁ。あ、そだ。どうせならちょっとふっかけてみるか。
「じゃあ、武器を一つ頼みたいのだが良いか?」
「おぉ。武器か。我が家は根っからの武闘派だからな。武器はたくさんあるぞ。」
マジか。棚ぼた的展開ってやつか。
「刀はあるか?」
「刀か。本数は少ないが良いのがそろっている。リンブス。武器庫から刀を持ってきてくれ。」
後ろの執事に声をかける。執事は一礼して部屋を去って行く。凄い敏腕の執事って感じのする人だな。敏腕執事ってなんかかっこいいよな。ああ言う人は強いって相場が決まっているのだ。
紅茶を飲みながらゴルーノと雑談していたら、しばらくして執事が戻ってくる。紅茶はめっちゃ旨かった。
「これが当家の保有する刀にございます。」
五本の刀が差し出される。
「好きなのを選んでくれて構わんぞ。」
そう言われたんで遠慮無く選ぶ。
1本目。THE・刀って感じの刀。青色の鞘に収められている。
2本目。刀身が赤色か。なんかかっこいいな。聞いてみたら灼土金と言う特殊な金属らしい。魔力を流すと刀身が熱を帯びる。
3本目。なんかビビッと来た。刀身はほのかに青っぽい銀。これに関してはゴルーノも素材が分からないらしい。魔力を流すと少し青っぽさが増えた。他にこれといって効力は分からなかった。
4本目と5本目は、何の変哲も無い刀だった。
「それじゃあ。この刀を貰って良いか?」
結局三つ目のにした。ビビッと来たし。なんとなく手になじむ。
「一本で良いのか?」
「あぁ。一本あれば問題ないさ。感謝する。」
「いや、元々娘を助けて貰った礼なのだ。気にしないでくれ。礼はした物の、これで恩を返し切れたとは思えん。これからセノアリアへ向かうのであったな。何かあったら私を頼ってくれ。」
ホントにいい人だな。まぁ、頼れるところはあって困ることはないし。
「ありがたい。その時は頼らして貰おう。」
その日は遅かったから、と言う理由もあり、公爵家に泊らせて貰えた。風呂もベットも高級ホテルの顔負けしないくらい快適でぐっすり寝られた。
武器貰いましたね。庵には血操魔法の武器がありますがまぁあれだ。切り札的武器だとでも思ってください。そのための設定も考えてるんで。
次回!新たなる仲間加入!(未定)