第十六話 初めての依頼はラクショーでした
「くれぐれも、くれぐれも、無茶はしないように。」
イノリさんにしっかりと言い含めれてから、西の森へと向かう。
コボルトの群れなぁ。この世界の魔物についてはいくらか皇宮の図書室で見た記憶がある。
コボルトはアニメやゲームでよくある。二足歩行の犬だ。ただ、その姿は普通の犬より大分凶悪らしい。挿絵がなかったから分からん。
はい、と言うわけでね。着きましたね。西の森。ここからコボルトを探すわけだが、見つかるか?これ。
広すぎるんだよ。端が見えんぞ。まぁいいや。取り敢えずはいろ。
見つかったわ。思ったより簡単に見つかったわ。いや、普通にはびこってるんやもん。後つけたら一発でしたわ。
見た感じ結構広い。家的なものもあるし集落って言っても過言じゃないかもな。しかも二㎞くらいはあるか?因みにこの世界でも長さはセンチ表記らしい。
さて、潰すか。
どうやって潰すかぁ。まずそうだな。炎系はよくないよなぁ。燃えるしなぁ。氷も...控えた方がいいよなぁ。凍るしな。
よし、風で行くか。まぁ、多少被害は出るが炎とかよりましだろ。
「『死風の檻』。」
暴風が吹き荒れる
竜巻が起こる
気兼ね根元から巻き上げられ、コボルトが飛ばされる
うーん。控え見に行って地獄絵図だな。地面はめくれ上がってるわ、コボルトの集落は壊滅するわ、コボルトは降ってくるわ。
お、ひときわでかいコボルトが生き残ってた。アレが、コボルトロードかな。
「意思疎通は可能か~?」
「グルアァァァァァァァ!!!!」
うん無理そうね。
しゅあなし。
コボルトロードが突っ込んでくるのに合わせて。居合いの要領で切り裂く。四メートルはあるからどうかと思ったけどちゃんと殺せたみたいね。
討伐部位は、確か耳だったか?
討伐依頼は、討伐部位を切って組合にもって行くことで討伐証明になるらしい。
目に見える範囲内のコボルトとコボルトロードの耳を切って回収する。
まぁこんなもんか。
よし、帰ろう。
「――!!!」
ん?なんか聞こえた気がする。気のせいか?
「ぉ――こ――っ!!」
やっぱり聞こえるなぁ。これはどうなんだろうなぁ。切羽詰まったぽい声視点なぁ。助けた方がいいのかぁ?
とりま見に行くか。
おぅ。死屍累々って感じだなぁ。
なんかいい馬車が、盗賊に襲われてるっぽいなぁ。
うん。面倒ごとの匂いがぷんぷんする。
あ、馬車の中の人が出てきた。可愛い子やなぁ。プラチナブロンドの髪に青い目。
犯されそうな感じやなぁ。いかにもって感じの下卑た笑い浮かべてるし。盗賊側も。
うーん。面倒臭そうではある。
ではあるが、
胸くそ悪いなぁ
続けて次も投稿します。