閑話二 異世界人による魔力講座はじまります。
今回で第一部が終わります。
「庵!使った後の魔力について教えて!!」
いきなり一河が部屋に来て言う。
「あぁ、そういえばそんなこと言ったなぁ。取り敢えず座るといい。紅茶でいいか?コーヒーもあるが。」
「あ、紅茶でいいよ。ありがと。」
紅茶を入れて一息つく。
「じゃ、使った後の魔力についてだったな。まず、魔法の認識についてだが。リーナさんにどう教わったっけ?」
「えっと、確か、魔力とイメージを媒介に現象を発生させる技、だったっけ?」
「そだな、それなら、その媒介にした魔力ってどこに行くと思う?」
「あ、確かに。どこだろ......異空間とか?」
「ハハっ。運悪くない想像だ。まぁ答えを言うと、『そのまま体に残る』だな。」
きょとんとする一河、うん分かるぞ。そうなる気持ちも。
「残ってるの?でも魔力は減るよね?」
「正確に言うと使用できる魔力が減る。だな。」
「つまり、魔力の総量事態は変わらなくて、使える魔力が減ってるってだけ?その使った魔力が時間経過で使える魔力に戻るってこと?」
「そそ、そゆことだな。」
思った以上に理解力が高い。
「イメージとしては上水と下水みたいなもんだな。」
「うん、なんとなくわかんない。」
わかんないか、そうか、わかんないか.....。
「まぁ、いいや。で、使った後の魔力は本来使えないものだがそれを使えるようにしたのがクトゥルフ魔法だな。」
「使えないのにどうやって使えるようにしたの?」
「単純にそれ専用の魔法を作っただけだな。」
「だけ....?おかしいよ?普通出来ないよ?」
ハッハッハ。確かにその通りだな。
「ま、それに関しては詳しくは企業秘密ってことで。他に聞きたいことは?」
「いっぱいあるよ。答えてくれるの!?」
目をキラッキラさせながら聞くな。断れんだろうが。
「そだな、まぁいいだろう」
「やった!!じゃあじゃあまずは......」
そんな感じで数時間ずっと質問攻めにされた。いやマジ疲れた。
「な、なんかごめん。ずっと聞いちゃって。」
「まぁ構わんよ。気にすんな。」
「それで、さ。庵にお願いがあるんだけど。」
急に緊張した面持ちになる一河。
いきなり何言われるんだろうなぁ。
「私にさ、刀を教えてほしいんだけど、だめ、かな?」
え?そんだけ?
正直拍子抜けしたわ。まぁ、剣術とかって門外不出のとか多いもんな。
「全然構わんぞ。というかそれなら、もっと早く言ってくれりゃいいのに。」
「いや、今までは他の武器に集中してたから。これでも私、剣、槍、斧なら、騎士団の人に勝てるようになったんだよ?」
わおすっご。マジか、さすが武王持ち。まぁでも、ちゃんと努力もしたんだろうなぁ。ホントよくやるわ。
「それで刀、と。さっきも言ったが、教えるには全然構わんぞ。」
「ありがと!!」
満面の笑顔。うん、可愛い。
ウキウキで帰って行く一河。
これからは弟子になるのか。うん、悪くない。成長が楽しみだ。そんなことを思いつつ。俺は一河の訓練メニューを考えていった。
と言うわけでね。第一部がこれにて終わります。ここまで読んでいただいてありがとうございます。駄文ではありますが、これからもよければ、ご覧いただければ幸いです。
因みに、庵と花音の訓練風景はあんま書くつもりはありませんけど多少は触れるかもしれませんね。
あと庵さんは体力的には勝てませんが技術的には剣持った花音さんより強いです。普通に素でチートです。