第十二話 新魔法開発をしようと思います。
今回はちょっと短めです
「これからちょっと研究開発するので、何かあったら声をかけてください。部屋に居るんで。あと、食事は朝に一食で問題ないですよ。扉の外に置いておいてください。」
そんなことを俺の部屋付きのメイドさんに言って魔法の開発に入る。メイドさんはまぁ混乱してたけどそーゆーもんでしょ。
さて、取り敢えず初めはそうだな、血操魔法の開発でも始めようかね。
血操魔法。一般的にはヴァンパイア系統の固有魔法と言われている魔法だ。ここで問題となってくるのは固有魔法とは何か、だ。固有魔法には血操魔法以外に、獣人の獣化、サキュバス系統の淫魔法などがある。
なぜ、固有魔法は固有魔法たり得るのか。それに対する仮説は身体性能やその種族の特性に依存するからと言う説だ。
獣人の先祖が神獣と呼ばれる獣な為、先祖返りが、魔法化したものが獣身化だと考えられる。サキュバス系統の体臭や体液には強力な媚薬効果がある。それを使った魔法が淫魔法だと考えられる。
血操魔法の場合は、ヴァンパイアが尽きることのない血液を持っているからだろう。となると、人が血操魔法を使えないのは血が有限であるからと言える。
つまりだ、尽きることのない血を生み出す、もしくは血の代用品を用意する。それが出来れば血操魔法の再現も出来るだろう。
さてそこで出てくるのが水魔法と植物魔法だ。水魔法で水を生み出しそこに血を少量含ませ、血の中の成分を増幅させることが出来れば擬似的な血を生成することが可能となる.......はずだ。
まぁ、血中の成分を増幅するのが難しいんだけどな。
でも理論は出来てるんだから、いつかは出来るはずだ。トライ アンド エラーってやつだな。
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出来て....しまった。いや、出来るとは思っていたけどここまで簡単にできるとは思ってなかった。
と言うより、魔法が思ってた以上に万能過ぎた。
植物魔法『グロードレア』。植物を成長させる魔法だ。開始してから四、五時間でこの魔法が血中成分を複製する効果があることが分かった。
そこからが早かった。
一瞬で完成してしまった。
よし!こうなったら、他の考えも全部試してみるか!!
そこから色々開発して最終的に満足して部屋を出たのは一週間後だったらしい。
おかしいなぁ。時間の感覚が。
はい、と言うわけでね、固有魔法使えるようになりましたね。この血操が庵の基本武装になっていくから早く作りたかったんですよねぇ。
血操魔法の性能やそのほかの開発した魔法は次回の桜花視点の一部最終話で語らせていただきますね。