第十一話 模擬戦を終えて
ふぃー。いやぁ、びびったぁ。急に地面揺れるんだからなぁ。制限解除してなかったら危なかった
なぁ。
四人が近寄ってきた。やっぱそうなるよなぁ。さて、どうしようかな。
「平坂君、説明してくれるよね。」
う~ん、やっぱそうなるよなぁ。一河から話は聞いてたっぽいけど、どこまで話したんかねぇ?
「取り敢えず、どこまで聞いたか聞いてもいいか?」
「一通りは全部。心肺機能が強いとか、脳を50%まで使えるとか。」
「そーかぁ。」
全部聞いてるじゃないか。
「で?そんだけ聞いたら充分じゃないか?今更俺から聞くことあるか?」
「何でそんなことが出来るのか、とか。」
「う~む。そんなもんなぁ。生まれつきだからなぁ。それ以上でもそれ以下でもないなぁ。」
「で、でも、今までそんな感じ一切しなかったよ。」
おぅ、大分食い下がってくるな。
「逆に聞くが。五歳児が中学校の教科書の中身理解したり、50メートル6秒で走ってみ?多分研究機関に送られるんじゃないかぁ?」
「た、確かに。」
「平穏に生きるためにはセーブしないといけなかったんだよ。ほかには?なんか聞きたいことあるかい?君たちも」
「あ、じゃあウチから。庵はその剣術どこで学んだん?」
扇条がそんなことを聞いてきた。
まぁ、言って困ることでもないしいいか。
「家の近くにねぇ、柳典流って言う門派の道場があってねぇ。そこで剣術は一通り習ったね。」
「へぇ、今の時代にまだ剣術道場なんて残っとるもんなんやねぇ。」
「ハッハッハ。俺もそれは思ったなぁ。ほかに質問は?」
なさそうだね。
ベリルさんが来て言う。
「庵よ。おまえは剣術の訓練はいらなさそうだが?」
そりゃそうだ。これでも元師範代だからな。でもなぁ、魔力を上手く使ったらもっと開発できそうなんだよなぁ。
「取り敢えずこれからは魔力を使った技の開発でもしようと思います。」
「それもそうだな。それじゃあ、次回までにそれぞれの訓練メニューを考えておくから、今日は解散していいぞ。あと、体のケアはしっかりしておけよ。」
初の実技訓練これにて閉幕である。
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異世界に召喚されてから約二ヶ月。その間、実技、魔法の訓練や座学などを繰り返し行ってきた。実技は二、三個新しい技を開発した。魔法の訓練に関しては、魔力操作の練度上げや、魔法の連続発動、詠唱短縮などもやった。本来魔法の習得や魔力操作はもっと時間がかかるらしいが全員そう苦労せずに出来ていた。異世界スペック様々である。そのせいで訓練メニューが大幅に狂ったなどとリーナさんがぼやいていたがそれは気にしないでおこう。
俺は、魔法の発動自体は魔力感知のおかげで楽に出来るが、いかんせん魔力量が少ないせいで連続発動などは芳しくない状況だ。
さて、この二ヶ月で魔法魔力に関しての知識はそろった。足りない分の知識は図書室の本で保管したし、理論も頭の中では出来ている。よし、明日からは、魔法開発のお時間だ。理論上はこれで魔力不足も解消できるはずだ。クックック、度肝抜いてやらぁ。
「な、なんか庵が悪い顔してるよ。」
何も聞こえないことにしておこう。
はい、と言うわけで次回からは魔法開発です。魔法開発終了後あたりを目処に何話か閑話を挟んで一部が終了予定です。(あくまで予定です。)
それと現状の戦闘力的には、全員が騎士団の一般騎士とタメ張れるくらいには強くなってます。一河に関しては、剣術だけなら騎士団長に迫る勢いです。(駆け引きとか立ち回りはまだ甘いですけどね。)