鎮む
村はずれにある鎮守さん。
お供物が絶えることはない。
いつからあるのか、どんな神様が祀られているのか。
実はというと誰も知らない。
この村ができたというのも、なんでも風土記の時代からあるそうだ。
その時にはすでにこの鎮守が祀られており、少なくとも奈良時代から、さらにさかのぼることもだって十分にある。
そんな鎮守さんは、この村をずっと守り続けてきてくれている。
この村の人らは、いろいろな時にお参りに来る。
この村を守ってくださっているという感謝の念から、私利私欲を働かそうとしてお願いをする人まで。
そのすべてを、ここに鎮まる神様は受け入れてくれている。
きっと村に人が絶えるまで。