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エロフに転生したので異世界を旅するVTuberとして天下を目指します  作者: 一色孝太郎


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第26話 さらなる裏切り

 俺は今日もレティシアさんに付き添って治療活動を見守っている。


 今日は自分では動けない患者さんの家を一軒一軒回っていて、ようやく三軒目の患者さんの治療が完了したところだ。


 重傷を負っていて、また重い病気のせいでベッドから起き上がれない患者さんの手を取り、親身になって治療しているレティシアさんの姿はまさに聖女と呼ぶに相応しいと思った。


 そうして三軒目の患者さんの治療を終え、四軒目に向かおうとした家を出たちょうどそのときだった。


「ゲギャギャギャギャ!」


 聞こえてはいけないゴブリンの鳴き声がし、慌てて門のほうを見る。


 するとなぜか門が開け放たれており、見張りのいない門からは十匹ほどのゴブリンが村の中に侵入しようとしている!


「あれは!」

「そんなっ! どうして村に!? 門は閉じておいたのではなかったのですか!」


 ゴブリンの姿を見たレティシアさんは顔を青くしている。


 なるほど。やはりレティシアさんには戦う力が無いのだ。


 だからミレーヌさんと一緒に森へ行かなかったのだろう。


「レティシアさん、下がっていてください」


 俺はレティシアさんの前に出る。


 俺だって中身は男なのだ。ここでレティシアさんを守らずに逃げるなんて選択肢、できるはずがない。


 それに村にいる男性は老人か子供、そして怪我をして戦えなくなった人がほとんどだ。


 きっとこの村にいる者の中で私が一番戦える。


「リリスさん?」

「大丈夫ですよ」


 俺はそう告げると、ゴブリンのほうへとゆっくり歩き始める。そして腕組みをし、胸がさらに強調されるようにしてゴブリンを挑発してやった。


 正直こんなポーズはやりたくなかいが、レティシアさんや村の人たちを危険に(さら)すわけにはいかないのだ。


 その効果はてきめんで、ゴブリンどもの股間にあるポークビッツがむくむくと立ち上がった。


 やはり俺のことを獲物としか思っていないようで、ゴブリンどもは醜悪な表情でニタニタと笑っている。


 俺はゴブリンにすぐそばまで近づくと、精気をすべて抜き取ってやった。


 イカ臭い白濁液を撒き散らしながらゴブリンはその場に崩れ落ちる。


 俺は宙に浮かんでいる精気を飲み干した。やはりあまり美味しくはないが、少しお腹が空いてきたころなので一石二鳥ということにしておこう。


「リ、リリスさん? 今のは……?」

「もうゴブリンは死んでいますよ。汚い倒し方ですみません」

「え、ええ。それに今何か飲んで……」

「え? あはははは。なんのことですか?」

「……」


 笑って誤魔化したが、レティシアさんは険しい表情で俺を見つめてくる。だがすぐにレティシアさんは表情を緩め、微笑みかけてきた。


「リリスさん、わたくしたちを助けていただきありがとうございました。あのままゴブリンに侵入されていたら、きっと大変なことになっていましたわ」

「あ、はい……」


 これは、俺が何をしたのかについては目をつぶってくれるということだろうか?


「それよりもどうして門が開いていたのでしょう? 男の方でないとあの重たい門は閉じられませんわ」

「そうですよね。でも男性は村には……」

「なら、動ける女性を集めて門を閉めましょう」

「はい」


 こうして俺たちが村の女性に協力をお願いしようとすると、門のほうからトマとヤニック、そしてジュゼッペが走ってくるのが目に映った。


◆◇◆


 リリスがゴブリンを退治するより少し前、勝手に持ち場を離れたジュゼッペが村の門の前にやってきた。するとすぐにトマもやってくる。


「おう。あのクソ生意気女は始末したぜ」

「トマさん、さすがですね」

「おうよ。じゃ、後は恩を売るだけだ。乗り越えられるよな?」

「もちろんです。トマさん、ちょっと肩、貸してくれますか?」

「おうよ」


 トマはそう言ってジュゼッペを担ぎ上げた。するとジュゼッペは軽い身のこなしでトマの肩の上に立つ。


「大丈夫です。誰もいないです」

「よし、行け」

「はい」


 ジュゼッペは門の上によじ登った。そのまま門の向こう側に軽々と侵入し、村の門を開け放つ。


「これでよし。後はヤニックを待つだけだな」

「了解です」


 トマたちは開け放たれた門の前を離れ、村の外の物陰に身を隠した。


 それからしばらく待っていると待っていると、十匹ほどのゴブリンに追われたヤニックが姿を現した。


 逃げるヤニックとの距離は常に二十メートルほどに保たれている。


 そのままヤニックは橋を渡り、門の中へと駆け込んだ。


 ゴブリンたちもヤニックを追いかけて門をくぐるのだが、そこでゴブリンたちはヤニックを見失ってキョロキョロと当たりを見回した。


 一方のヤニックはというと身軽な動作で木の柵を乗り越え、外へと脱出していた。


 それからヤニックはゴブリンに気付かれないように橋を渡り、トマたちのところに合流する。


「おう、よくやった」

「へい。ちょっと多く釣れちまいやしたから、早めに助けに入ったほうがいいっすよ」

「ならちょっと待ってから行くぞ」

「へい」

 さらなる裏切りが行われましたが、運よく被害は出さずに済みました。次回はなんとリリスがトマと対決することに!?


 どうぞお楽しみに!


【お知らせ】

 今後とも毎日 18:00 更新を目指して執筆いたしますが、多忙などの理由で間に合わない可能性がございます。当日 21:00 までに更新がなかった場合は翌日以降の更新となりますので、予めご了承ください。


 楽しみにしていただいている読者の皆様には申し訳ございませんが、ご理解のほど何卒よろしくお願いいたします。

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[一言] お知らせ、承知しました。 無理なく更新していってください。 楽しみにしています。
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