異世界転生するには、かくれんぼで勝たないといけない その2
『キョウヤ、私は私は、アンタにいくら貢いでNo.1にしてやったと思ってるのよー!』
僕はそうやって太客から、ナイフを突き立てられて絶滅したんだ。
・・・・・・。
『ようこそ!異世界転生できるかどうか、チャンスターイム!』
目の前には、白髪で赤い眼をした、天女のような服装の美少女が経っていた。
『え、、、?』
『異世界にいきたいかーー!!、、元気ないですね。キョウヤ様。』
この美少女は誰だ?僕は死んでも尚、女に振り回されるのか。
『私はマナカノミコト。異世界と地獄の仲介者です。あなたは1つ課題をクリアすれば、異世界転生できます!転生できないなら無限地獄です!チャレンジしますか?』
事態が読めなかったが、地獄に落ちるかどうかの瀬戸際だ。チャレンジするのもいいだろう。
そう思い、即答した。
『うん、やろうかな。で、何をやればいい?』
『かくれんぼでーす!』
・・・・・は?
『かくれんぼってあの、かくれんぼ?』
『はい、そうです。』
この歳になってかくれんぼか。
『で、どこでや、、。』
言いかけると、いきなり風景が変わる。
そこは古い武家屋敷のような大きな屋敷。
僕の前には黒髪パッツンのメイドが1人。
『君は僕の相手かい?』
『察しがいいのね。私が鬼であなたは隠れる。』
子どもの頃以来だ、かくれんぼは。
『僕を見つけられるかな?』
僕はかくれ場所を選ぶ。楽しいな、女性を騙くらかすのは。僕がホストでてっぺん取れたのも、いかに騙すか、口先でまるめ込み、時には駆け引きをして上を目指した。その結末が、あの女ごときに委ねるのはカッコ悪い。だから何が何でも異世界でやり直す。
隠れる前から気づいてたけどこのかくれんぼ、こちら側の勝利条件の提示がない。つまるところ、彼女が探せない状態にして、『参った。』と言わせるしかない。だいぶ難しいね。だってどう考えても地獄に行きたい人はいない。
かくれんぼは引き分けになるゲームでもないから、2人で異世界転生は難しい。ならば、これは、
ずっとかくれんぼするしかない。もしくは僕が、地獄に落ちるか。
武家屋敷のあたりを調べる。裏手に古井戸がある。これだ。
『ごめんね。』
メイドを石で殴り、気絶させた。
♦︎
私が目を覚ますと、暗い暗いそして狭い空間にいた。地面はちょっと水っぽく、見上げると光。
『井戸に落とされたか。』
参ったは言えない。その瞬間、地獄行きが決定するからだ。
よじ登るのを試みるが、壁面はヌメりがひどく何回も井戸の底に叩き落とされる。
『何か、周りには??』
何もない、ようだ。
何時間経ったか。雨が降ってきた。しかも大雨だ。水底のかさが増す。しばらくして井戸の半分くらい水が溜まりそれ以上は水かさが増えなくなった。
『水がどこかに流されている。?』
井戸の壁面に人1人通れる穴があった。
♦︎
この武家屋敷はいい。なんの仕掛けかわからないが、お酒もつまむものも大量にあって、大浴場もある。大浴場には寝そべることのできる、スペースもある。
なんだか、少しいかがわしさを感じさせるような作りと準備されたもの。普通の住まいではない。
『さて、もう一風呂、、、』
マナカノミコトが入ってきた。
『なんだい?僕とそのお風呂に入りに来たの?』
『キョウヤさん、みいつかった。』
え?そんなはずわ、、、
風呂の裏から、あのメイドがずぶ濡れで、でてきた。
『みーつけた。』
僕が目を覚ますと、真っ赤な皮膚のいわゆる鬼に
釜茹でにされていた。
『熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!』
皮膚がただれていき、水分も奪われて脱水し頭がいたい。皮膚、肉が茹でられていき、変色してゆく。とっくに、血液も固まって生物的な死を迎えたのに、意識があるまま、熱さ痛み喉の渇きで苦しみ続けることになった。
♦︎
『マナカノミコト。今回は、五体満足よ。このまま異世界転生させなさい。』
『では、このまま異世界転生せよ。』
飛ばされた先は、極寒の雪山。
服が、濡れている私はみるみる体温が下がっていく。
『う、ご、けない。』
服を急いで脱ぐ。
皮膚に張り付いており、皮膚ごと裂ける。
『ああああああああああああああああああ!!』
血が出るも、血も凍りつく。さすがに極寒の地で獣には食われまい。
バタっ!
体は冷え切る。動けなくなる。消えゆく意識の中、マナカノミコト、あやつを恨みながら異世界での生を終えた。