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4話:馬小屋から家に進化したぞ!


 朝にはステータスがこんな感じになっていた。


 ***


 名称   :魔王のボロ小屋

 レベル  :5

 耐久度  :100/100

 魔力   :160/160

 所有スキル:【建材創作】【独立行動】

 称号   :【三流壁士】


 名称   :ボロ小屋ガーゴイルの【ガル】

 レベル  :5

 体力   :900/900

 魔力   :200/200

 所有スキル:【破砕音波】【ガルグイユの涙】



***


 レベルは上がったし、魔力量は順調に伸びている。レベル5で急に伸びたのは、何かのボーナスだろうか?

 

 だけどやはり小屋の耐久度だけは上がらないしスキルも増えない。


「ふあーよく寝た。おはようガル。昨晩はどうだった?」

「外を見るといい」


 俺がそう言うと、フランがドアを開けて、外へと出た。


「砂と骨まみれじゃない!!」


 そこには、昨晩使った砂壁の残骸と、倒しまくったゴブリンの骨で地面が埋め尽くされていた。


「トラップもモンスターもないし、俺も動くわけにはいかないから、苦労して壁だけで倒したんだぞ」

「壁だけで……あんた凄いわね……」

「これ、砂とか骨とかはなんか再利用できないのか?」


 捨てとくのも勿体ないんだよなあ。


「そういうボックスを作れば使えるけど……」

「リストに表示されてないな。レベルは上がっても耐久度は増えないし」

「あー。城自体のランクを上げないと、作れる物は増えないし、スキルも覚えないわよ」

「ランク?」

「そう。つまりこのボロ小屋を強化しなさいってことよ。だから最初に言ったじゃない、壁とドアを何とかしろって」


 なるほど。ただ、あの魔力量だと結果的に後回しにして良かったっぽいな。というわけで魔力に余裕がある今、サクッと、小屋の残り三面とドアにスキルを使っていく。


「おおー! 良い感じじゃない!」


 うむ。


 小屋は黄土色の砂壁に囲まれており、すきま風は入らない。ドアは可愛らしい木製のデザインで、風で勝手に開閉したりもしない。


 ステータスを見ると……おお!


***


 名称   :魔王の砂家

 レベル  :5

 耐久度  :300/300

 魔力   :160/160

 所有スキル:【建材創作】【独立行動】【地形操作Lv1】

 称号   :【三流壁士】


 名称   :砂家ガーゴイルの【ガル】

 レベル  :5

 体力   :900/900

 魔力   :200/200

 所有スキル:【破砕音波】【ガルグイユの涙】



***



 名称が、【魔王のボロ小屋】から、【魔王の砂家】に変わってる! ついでにガーゴイルの方も【砂家ガーゴイル】にちゃんと変わっていたし、魔力も回復した!


 更に【建材創作】のリストも一気に作れるのが色々増えたし、新しいスキルも覚えたぞ!


 【地形操作Lv1】――周囲の地形をある程度操作できる。


 お、これは結構使えそうなスキルだぞ。


 しかしこれがランクアップか。めっちゃ良いな。


「ランクアップでは、レベルは上がらないし魔力の上限値も増えないけど、代わりに耐久度とスキルが増えるから、上手い事バランス良くやりなさい」

「おう、ようやく理解したぜ。うっしとりあえず――」


 俺は魔力を50消費して新たにリストに加わった、木のベッドを作成し、小屋――いや家の中に設置する。結構な魔力量を消費するだけに、ちゃんとマットレスや枕、布団までセットになっている。


「フラン、今夜からは安眠できることを約束するぜ」

「へ?」

「まあ、中を見てみな」


 そう俺が言うと、フランが家の中を覗いた。


「っ!! ベッド!?」

「流石に藁はな」

「……馬鹿。内装はランクアップにさして影響ないのに……魔力がもったいないわ」

「でも、良いだろ?」


 顔を見れば分かる。フランの顔は上気していて喜んでいるようだ。


「……ありがとね、ガル。嬉しい」

「良かったよ。えっと残り110だから……うっし、これ作ろう」


 俺は今度は、魔力を60消費して【リサイクルボックス】を家の外に設置した。

 フランがすっぽりと入りそうなその大きな箱は、前世で見た、マンションとかによくある蓋付きのゴミステーションに良く似ていた。


 これはいらない素材やアイテム、壊れた建材を入れると魔力や素材に還元してくれるそうだ。


「フラン、骨と砂をボックスに入れるの手伝ってくれ」

「はあ!? なんであたしがあんたの為に働かないといけないのよ」

「魔力が減ったからね。次ゴブリン来たら、フランが迎撃してくれるなら良いけど」

「……手伝うわ」

「ありがとな」


 うむ、結構ちょろいな、この魔王。


 俺は、魔力を2しか消費しないバケツをフランの目の前に生成した。流石に道具無しはきつかろう。


「全く、魔王遣いが荒い城ね」

「住人が住居のメンテナンスをするのは当然だぜ?」

「はいはい。というかあんたも手伝いなさいよ、と言いたいところだけど、それだと魔力効率が悪いわね……」

「すまないね。代わりに敵が来たら俺の壁殺法で撃退するからさ」


 フランが意外にも真面目に砂と骨をボックスに入れる作業をする中。俺は【地形操作】のスキルを使ってみた。


 イマイチ使い方が分からないので、イメージでやってみたら……


「きゃあああ!!」


 地面が緩やかに家を中心に沈んでいき、周囲がすり鉢状になっていく。


「な、何をしたのよ!」


 地面に傾斜が付いたせいで、転んだフランが怒鳴る。しかし、俺は目論み通りにスキルを使えた事に満足していた。


 すり鉢状になったおかげで、砂やら骨やらが全部家の方へと集まっていた。こうすればボックスまで運ぶ距離も減って、作業効率がアップだ! 更に、家が周囲の地面より下に沈んだおかげで、空や高所から見下ろすでもしない限り、家が視認出来なくなった。


 現状、迎撃手段が壁しかないことを考えると、目立つ場所に家を置くのはあまりよろしくない。


 まあ……そのせいでフランが砂まみれになっているが……ほら、作業効率と隠蔽率が上がるから許してほしい。


地形操作は今後も重要となるスキルです。


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ハイファン新作です! かつては敵同士だった最強の魔術師とエルフの王女が国を再建する話です! こちらもよろしくお願いします。

平和になったので用済みだと処刑された最強の軍用魔術師、敗戦国のエルフ姫に英雄召喚されたので国家再建に手を貸すことに。祖国よ邪魔するのは良いがその魔術作ったの俺なので効かないし、こっちの魔力は無限だが?



興味ある方は是非読んでみてください
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